東京海上日動火災保険「全国インバウンド観光調査」を
ソーシャルビッグデータを活用し実施
2017/04/11
東京海上日動火災保険はこのほど、ソーシャルビッグデータ解析を元に、「全国インバウンド観光調査」を実施した。
今回の調査は、電通とNTTデータの協業組織「ソーシャル・インサイト・ラボ」協力の下、観光庁の認定広域観光ルート11エリアのTwitter(英語)全量データやWeibo(中国語)などのSNSデータを活用し、外国人観光客の観光動態・嗜好を調査・分析した。
なお、東京海上日動は今後、調査の概要を地方自治体やインバウンド事業者に提供していき、観光政策やインバウンド施策の立案に活用してもらう。
【主な調査結果】
外国人観光客の生の声を分析しているため、彼らにとって魅力ある穴場スポットやどのような観光資源に魅力を感じているかなど、よりリアルなニーズが明らかになった。
1.英語圏、アジア圏観光客上位5カ国の「見る」「食べる」「買う」「体験する」の話題構成比
オーストラリア以外の英語圏4カ国は「買い物」に関する話題量が多いが、オーストラリアの観光客は、「食べる」の話題量が突出して多い。
アジア圏の観光客は、英語圏に比べ「体験」に関する投稿が多く見られる。
Weiboの分析結果から、中国人観光客は「買い物」や「食」より、「風景を楽しむ」「体験する」の投稿割合が高く、「モノ観光」から「コト観光」へのシフトが明らかになった。
図表1:5カ国の「見る」「食べる」「買う」「体験する」の話題構成比
図表2:アジア圏上位5カ国の「見る」「食べる」「買う」「体験する」の話題構成比
2.外国人のポジティブツイート、ネガティブツイートから分かった穴場観光スポット
今回の分析では、独自の分析として話題量と共に、話題の内容を言語解析し、ポジティブ、ネガティブを判別。話題量は少ないが評価の高い観光スポットを明らかにした。
英語圏5カ国では、寺社や城など日本の古い建築物の話題量は少ないが、見たときの評価が高く、あらためて観光資源として外国人観光客の来訪を促すポテンシャルの高いことがうかがえる。
アジア圏5カ国の場合、箱根など体験型の観光地と共に季節における自然の風景などの評価が高いことが明らかになった。
図表3:英語圏・アジア圏 上位5カ国の日本の観光での「見る」の構成比
図表4:観光庁の認定広域観光ルート11エリア
図表5:各県の話題量は少ないが訪れた人の評価が高い観光スポット
【調査概要】
○分析期間
2015年11月~2016年10月の1年間
○主要分析データソース
Twitter全量データ、Weiboデータ
○分析対象投稿数、国・エリア数
Twitter(英語)投稿73万6213件、Weibo(中国語)の投稿10万128件。合計83万6341件のデータを元に世界50以上の国・エリアの外国人の日本の観光に関する話題を分析
○調査・分析機関
ソーシャル・インサイト・ラボ(電通とNTTデータ協業組織)