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デジタルマーケティング 成功に導く10の定石No.1

【定石1】顧客接点を起点にマーケティングを変えるためにカスタマージャーニー把握から始める

2017/04/25

電通デジタルは、2月25日、書籍『電通デジタルのトップマーケッターが教える デジタルマーケティング 成功に導く10の定石 簡単に分かる売れ続ける仕組みをつくるツボ』を徳間書店から出版しました。

本書は、さまざまなコンディションにある企業の担当者が、自社の身近なマーケティング課題をデジタルの導入で解決したい、解決できるか試してみたい、と思ったときにお役に立てるよう、実務者視点で独自に整理した10タイプの“デジタルマーケティングの始め方”を、具体事例とともに「10の定石」として解説しています。

ウェブ電通報では、それぞれの定石から抜粋したエッセンスを、連載コラムとして順次紹介していきます。

第1回は、定石1「顧客接点を起点にマーケティングを変えるためにカスタマージャーニー把握から始める」の中から、「理想と現実のギャップを可視化するカスタマージャーニーマップ」のパートを抜粋して紹介します。

書籍『電通デジタルのトップマーケッターが教える デジタルマーケティング 成功に導く10の定石 簡単に分かる売れ続ける仕組みをつくるツボ』

 

理想と現実のギャップを可視化するカスタマージャーニー・マップ

エクスペリエンスデザインという言葉は使っていなくても、UX(ユーザエクスペリエンス)やUI(ユーザインターフェース)を担当する部門を設けて、ビッグデータを活用し、顧客を「個客」として把握し施策を打っている企業はあります。

しかし、エクスペリエンスデザインでは、顧客視点に立って、自社ブランドとの接点から始まり、商品やサービスによい印象をもってもらい、購入し、使用し、その後の行動までよい方向(リピートしたり、人に勧めたり)へと導いていくことを考えます。

つまり、お客様の行動(意識を含めて)を時系列変化として捉え、一本の時間軸でつないで見て行くのです。

そのための中核的なツールとして「カスタマージャーニー・マップ」が使われます。(図1)顧客のエクスペリエンスをマップ(地図)のうえにプロットしていくことで可視化し、問題点の把握を容易にすると同時に、企業内で合意形成を図ったり、その合意を共有したりするのに役立ちます。

たとえば、下図に家を買う場合を想定したカスタマージャーニー・マップを例として挙げました。カスタマージャーニー・マップでは、顧客の行動と気持ちを一連の流れとして俯瞰的に捉えます。

図1 カスタマージャーニーマップ図1 カスタマージャーニーマップ

現実には、顧客がどんな道のりを辿って、どこで逡巡しながら、最終的に自社の商品やサービスを購入するに至ったか、もしくはどの段階で離脱してしまったか、正確に捉えることは非常に困難です。いろいろな部署で、その時々に応じて断片的な調査・分析を行っている程度では、調査できない部分は想像するしかありません。

しかし、カスタマージャーニー・マップをつくって検証してみると、顧客の行動や気持ちを一連の流れとして理解していくことができます。さらに、顧客の行動と合わせて、市場の動向、売場(オフライン)の状況、各種の情報を統括するバックオフィスに至るまで、同じ土俵で検討することができます。このツールの画期的なところです。顧客に、どこで何をして、何を感じてもらいたいかを記述しながら、自社にとっての課題、取るべき施策などを書き加えていくと、さながら「戦略的指針書」の様相を呈してくることでしょう。

カスタマージャーニー・マップの本質は、自社の顧客を理解することにあります。自社の顧客を理解できれば、次に、どこでどんな対策を採ればいいかを議論することができます。また、これまでの対策でよかったかどうか、よくなかったとすればどこに問題があったかなどを知る手がかりともなります。つまり、カスタマージャーニー・マップをつくることで、自社が描いている理想と現実のギャップを視覚的に確認できるのです。

このように考えれば、カスタマージャーニー・マップによって実現すべきは、「顧客動線の最適化」と「顧客価値の最大化」ということになります。

顧客動線の最適化とは、お客様の目的に合わせて購買プロセスを整備することであり、顧客価値の最大化とは、お客様の目的達成をサポートし、問題を解決して、お客様に満足してもらうことです。

すると、すでに私たちが「マーケティングファネル」を用いて分析していることと同じだと気づかれるでしょう。(図2)そうです。カスタマージャーニー・マップは、ファネル分析の進化形だと言えます。

図2 マーケティングファネル図2 マーケティングファネル

 
 

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