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「並べる防災」とは? 神戸新聞紙上で“災害直後72時間”を乗り切るための非常袋を提案

2017/05/17

    神戸新聞社は、神戸市、ひょうご防災連携フォーラムなどと連携し、「避難所もっとより良くプロジェクト」を始動した。その第1弾の企画として、5月17日の神戸新聞紙上で、災害直後3日間(72時間)の避難所の環境を良くするための「避難所もっとより良く非常袋」、通称「並べる防災」を提案した。

    神戸新聞 並べる防災
    5月17日付の神戸新聞朝刊に見開きで掲載された「並べる防災」。家族で実際に防災物資を用意して並べてみることを想定している。

    震災発生直後の避難所は、基本的にはプライバシーを守るための十分なスペースや仕切りもなく、避難してきた被災者は大きなストレスと不安を抱えて過ごすケースが多い。「避難所もっとより良くプロジェクト」は、そうした被災者に安心感を与え、心の支えとなることを目的としており、最終目標は「分かりやすく誰にでも活用できる避難所運営マニュアル」を整備することとしている。

    避難所もっとより良くプロジェクトロゴ

    今回神戸新聞に掲載された「並べる防災」は、避難時に必要な物資を、見開きの新聞紙面に“実物大”で再現。各家庭で話し合いながら新聞紙上に実際に物資を並べてもらい、非常用の持ち出し袋を準備してもらおう…というものだ。防災物資を並べていくことで防災意識を高めると同時に、日本での普及率がわずか31%(スミセイ調べ)といわれる非常袋の準備率を上げ、それにより避難所の環境を良くすることが狙い。

    マスク
    非常食

    「並べる防災」に組み込まれている物資は、非常食や水など生きる上で必要なものだけではない。“より良い”避難所環境の実現のため、ストレス解消に効果のあるものや、女性や子どもを意識したものを可視化しているのが特徴で、例えばメガネやマスクなどについては、ノーメイクを隠すなど、通常の利用用途以外の機能も含めて考えられている。

    避難所の運営は“行政がやってくれるもの”という認識も根強い現状ではあるが、実際は“災害直後の72時間”は行政の手が届かない混乱期といわれ、地域と個人が結束して自分たちで避難所を運営する必要がある。そのための支援や啓発を行っていく同プロジェクトの今後に注目だ。

    「並べる防災」を実際に試した家族のトライアルムービー:https://www.youtube.com/watch?v=k7eeX8VXwMs

    神戸新聞NEXT:https://www.kobe-np.co.jp/