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デジタルマーケティング 成功に導く10の定石No.3

【定石3】これまで出会わなかった消費者を顧客にするためにECサイト開設から始める

2017/05/23

電通デジタル刊行の書籍『電通デジタルのトップマーケッターが教える デジタルマーケティング 成功に導く10の定石 簡単に分かる売れ続ける仕組みをつくるツボ』の発売を記念してお届けしているこの連載。

第3回は、定石3「これまで出会わなかった消費者を顧客にするためにECサイト開設から始める」の中から、「モール型ECか、自社直販型ECか」のパートを抜粋して紹介します。

 

モール型ECか、自社直販型ECか

すでにECサイトを運営している企業も多いでしょうが、リアル店舗と同じように考えれば、時流に合わせてリニューアルすることも必要です。また、新しい客層に向けて訴求したり、新しい消費シーンを提案したりする場合には、新業態を開発するように、新たなECサイトの立ち上げも必要です。

これまで成功してきた企業は既存のブランドへのこだわりがあるので、新しい客層を獲得するために立ち上げたECサイトに、既存の成功体験を持ち込んでしまいがちです。もちろん、既存の成功体験をECサイトに持ち込むのが、必ずしも悪いわけではありません。どんな層に向けて、どのような商品やサービスをアプローチしていくかという問題だからです。

しかし、全く新しい層にアプローチしたいのであれば、見え方からガラリと変えてしまうくらいの強いインパクトが必要でしょう。

また、同じECチャネルでも、自社で販売業務のすべてを完結する「直販型EC」、既存のネットショッピングモールに出店する「モール出店型EC」などの出店形態があります(図1)。

図1:ECチャネルの分類

図1:ECチャネルの分類

新しい客層へのアプローチを考えてECサイトを立ち上げる場合、直販型ECでは、広告宣伝費からフルフィルメントなどのインフラ整備までのすべてを自社で賄わなければなりません。

既存モールに出店すれば、モールが用意しているインフラが利用できるので、イニシャルコスト(初期投資)は低く抑えられます。よく知られたモールであれば、モールの知名度で集客してくれます。

一方、モールによって集客される消費者の多くは、モールのファンではありますが、出店している個々の店舗のファンになるとは限りません。モール内で比較して、たまたま購入したというお客様も少なくないからです。顧客リストもモール側に帰属しますので、自社のお客様にするためには、直販型ECサイトへの誘導が必要になります。

どちらのECチャネルがいいかという優劣の問題ではなく、それぞれの特性を知って使い分けていくべきでしょう。

たとえば、非常に専門性の高い商品を販売する店舗は、裏通りにあっても、お客様が見つけて来てくれるように、自社ECサイトだけで十分かもしれません。一方、とにかくお客様とのコンタクトポイントを増やして、売り上げを稼ぎたいのであれば、各種のモールに出店するのもいいでしょう。

ただし、前述したようなリアル店舗にはないECサイトの特性を利用して、ブランドロイヤリティを高めようとするのなら、自社の直販型ECサイトの構築は欠かせません(図2)。

図2:ECチャネルの特性

図2:ECチャネルの特性

 
 
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