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デジタルマーケティング 成功に導く10の定石No.4

【定石4】マーケティング活動を構造化するためにKGI、KPIの設定から始める

2017/05/30

電通デジタル刊行の書籍『電通デジタルのトップマーケッターが教える デジタルマーケティング 成功に導く10の定石 簡単に分かる売れ続ける仕組みをつくるツボ』の発売を記念してお届けしているこの連載。

第4回は、定石4「マーケティング活動を構造化するためにKGI、KPIの設定から始める」の中から、「デジタルマーケティングの目的とKGI、KPIの関係」のパートを抜粋して紹介します。

 

デジタルマーケティングの目的とKGI、KPIの関係

人生に目標があるように、企業にも目標があります。企業全体としての目標や事業ごとの目標を短期・中期・長期にわたって設定し、検証と意思決定を繰り返しながら、企業活動は進められます。マーケティングは、本来、こうした企業の活動をサポートするだけではなく、目標にコミットして、意思決定に重要な指標を提示します。

したがって、マーケティング活動は、企業の活動とともにあらゆる部門にまたがり、それぞれに成果を求められます。しかし、それらは個別に機能して成果を上げるだけではなく、互いに有機的な連携を通して、企業全体としての目標に収斂(しゅうれん)しなければなりません。

特に、オンラインでの事業が活発化している現在では、オフライン(リアルな事業)との連携は必須です。さらに、お客様との継続的な信頼関係をより深く、より長くしていくためにも、個々のマーケティングが有機的に結びつく必要があります。

デジタルマーケティングでは、個別のマーケティング活動の効率を高めると同時に、個々のマーケティング活動の連携を図り、企業の目標達成を後押しすることを目的としています。

そのためには、まず、目標をはっきりさせなければなりません。たとえば、売上げや利益に関すること、顧客の獲得・維持に関することなどは、多くの企業にとって目標となり得ることですが、「売上げアップ」とか「顧客満足の向上」とするだけでは、単なるスローガンでしかありません。目標とするからには、どのような状態になったら目標が達成できたと言えるか、分かる必要があります。

つまり、いつまでにどのような状態を目指すのか、具体的な期限と測定可能な数値を挙げて設定します。たとえば、「1年間で売上げを○倍にする」とか「××年までに利益を○%アップさせる」とか「今年度は新規顧客を○人獲得する」とかです。

こうした目標を「KGI(キー・ゴール・インディケーター)」と言います。「重要目標達成指標」です。KGIは、決してスローガンであってはいけません。

とはいえ、KGIを設定しさえすれば、その目標が達成できるわけでもありません。目標を達成するためには、さまざまな手段(施策など)を講じる必要があります。

目標達成のために講じた施策が、目標に向かって上手く機能すれば、KGIで設定した期限までに設定した目標値を達成できるでしょう。目標に向かって上手くいっているかどうか、その途中で確認できれば、より目標達成をアシストすることができます。もし、目標に向かって上手くいっていないようなら、施策の方向性を修正することができるからです。

このように施策が上手くいっているかどうかを確認するためには、やはり数値のように測定可能な指標が必要です。

この指標を「KPI(キー・パフォーマンス・インディケーター)」と言います。「重要業績指標」です。一般に、マーケティング施策を実行していると、KGIよりKPIのほうが接している機会が多いので、KPIとして設定した指標を目標にしてしまいがちですが、KPIはKGIという目標を達成するための施策が適切に機能しているかどうかを判断する指標に過ぎません。

KGIを目的とすると、KPIはその手段のための“道しるべ”といったところです。したがって、KPIにはKGIと同様に明確で、測定可能であることに加え、必要に応じて評価できる適時性、環境の変化に対応できる柔軟性が求められます。

KGIとKPIの関係は、下図のように図示することができます。

図:KGIとKPIの関係図

KGIとKPIの関係図
 
 
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