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【定石9】顧客との良好な関係を構築するために顧客ID統合から始める

デジタルマーケティング 成功に導く10の定石 №9

  • 伊関 淑恵

2017/07/04

【定石9】顧客との良好な関係を構築するために顧客ID統合から始める

電通デジタル刊行の書籍『電通デジタルのトップマーケッターが教える デジタルマーケティング 成功に導く10の定石 簡単に分かる売れ続ける仕組みをつくるツボ』の発売を記念してお届けしているこの連載。

9回は、定石9「顧客との良好な関係を構築するために顧客ID統合から始める」の中から、「マーケティング部署と営業部署との顧客データ統合」を抜粋して紹介します。

 

マーケティング部署と営業部署との顧客データ統合

企業にとって「売り上げを拡大する」というのは大きな共通のミッションであることは間違いありません。ただし、そのアプローチについては、部署によって異なるのではないでしょうか。「良いモノを作る」のがミッションの場合もあれば、「できる限り低いコストで素材を調達する」のがミッションの場合もあるでしょう。

同じ“顧客情報”を扱う部署である「マーケティング部署」と「営業部署」においても、その目的は微妙に異なります。企業によってその棲み分けは異なると思いますが、マーケティング部署においては、「潜在顧客を見つけ出し、販売現場に送客すること」が大きなミッションとなる一方、営業現場においては、店頭(もしくは商談の場)にやってきた見込み客にいかに「買ってもらうか」がミッションになります。両者は、大きく関係していますが、ミッションが異なるが故に、顧客データの扱いも異なります。

一昔前であれば、マーケティング部署では、不特定多数のターゲットに対して、自社の商品の魅力を伝え、そのコミュニケーションに接触した(と想定される)ターゲットが店頭にやってきて、営業担当が営業アプローチをし、個別に「お客様リスト」として管理する、ということが行われていました。しかし、顧客との接点のデジタル化が進み、その行動についても精緻に追跡ができるようになった現在、マーケティング部署が持っている情報と営業部署が持っている情報を統合できれば、双方の効率は飛躍的に上がることが期待できます。

オンラインのアプローチが増えた現在、マーケティング部署は、詳細な顧客データを活用し、より精緻にターゲティングされた対象にアプローチすることに血道をあげているでしょう。一方、営業部署も過去の経験等を踏まえ、顧客の属性情報によって異なる商談を行ったり、独自のアタックリストを作ってタイミングを見計らってアプローチしたり、ということをデジタルで管理するツールを導入し、これまで以上に行っているのではないでしょうか。

もし、この2部署のデータが連携されれば、ユーザーとのコミュニケーションはどのように変化するでしょうか。

ある輸入自動車メーカーでは、以前はオンラインで見積り依頼や試乗希望をされたお客様のデータは、ディーラーに随時送客していましたが、キャンペーンへの応募データ等は一括で共有しているだけでした。しかし、昨今のキャンペーンにおいては、キャンペーン応募時にユーザーの詳細なデータを取得し、さらにそのデータをスコアリングした上で、購入意向が高いと想定されるユーザーだけを、詳細な情報とともに販売店と共有しています。

これにより、営業部署はそのユーザーがどのようなメディアでブランドと接触し、どのようなキャンペーンに応募し、現有車はどこのブランドのもので、興味のある車種はどのモデルか、次の車検はいつ頃であり、新車の購入をいつ頃検討しているのか、職業、趣味、家族構成、という情報を商談前に知ることができるのです。これが商談に対して優位に働くことは想像に難くありません。営業担当者は、あらかじめ興味のある車種の試乗車を用意したり、保有している車との違いを説明したり、お子様向けのグッズを用意したりすることができるのです。

また、マーケティング部署にとっても、データを連携することで、実際の商談結果を遅滞なく知ることができ、正しいターゲットにアプローチできていたのか、送客したユーザーの判別が正しかったのか、今後はどのような属性のユーザーに注力すれば良いのか、精緻にPDCAを回すことが可能となります。

そして何よりも、オンライン・オフラインを問わず、自分の嗜好に合わせておもてなしされたユーザーの顧客体験は質の高いものになります。

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