第65回「民放大会」開く
2017/11/08
日本民間放送連盟(民放連)は11月7日、第65回「民間放送全国大会」を東京・港区のグランドプリンスホテル新高輪・国際館パミールで開いた。民間放送関係者をはじめ来賓、招待者ら約1200人が参加した。大会式典をはじめ、二つのシンポジウム、記念講演などを行った。式典では、日本民間放送連盟賞と、今回で13回目となる日本放送文化大賞の表彰を行った。
冒頭、井上弘会長(TBSテレビ名誉会長)が「民放事業を取り巻くメディア環境は激変し、多数のデバイスが放送とともに、いろいろな情報を伝える時代になった。環境が移り変わっても、民放事業者は、正確な情報と良質な番組を届けることが使命だ。フェイクニュースや真偽のはっきりしない情報に惑わされることなく、自らがニュースソースを一つ一つ確認し、きちんとした報道を行うことを肝に銘じたい。放送コンテンツのさらなる海外展開など、取り組むべき課題は山積しているが、会員社の協力を得て、課題を一つ一つ解決していきたい」とあいさつした。
来賓からは、安倍首相からのビデオレター、野田聖子総務相と日本放送協会(NHK)の上田良一会長から祝辞が贈られた。
武田信二大会委員長(TBSテレビ社長)が「大会宣言」を読み上げ、これを採択した。
大会宣言
世界情勢が混迷する中、内外の情報を的確かつ速やかに発信するメディアの役割は、ますます重要になってくる。われわれ民間放送は、これまで国民に寄り添い、信頼されるメディアとして、豊かな暮らしの実現に努めてきた。これからも視聴者・聴取者に多様で良質な番組を届けるため、たゆまぬ努力を重ねていくことを誓う
続いて、平成29年民放連賞の表彰が行われた。この1年間の民放界を代表する番組など4部門94件が表彰され、受賞各社の代表にトロフィー・楯が授与された。
第13回日本放送文化大賞の発表と表彰では、グランプリが、山口放送「記憶の澱」(テレビ部門)とエフエム東京「ミュージックドキュメント 井上陽水×ロバート キャンベル『言の葉の海に漕ぎ出して』」(ラジオ部門)に贈られた。
大会式典に続いて、グーグル・クラウド・ジャパン日本代表の阿部伸一氏が「人口知能(AI)時代における『攻め』の価値創造」と題して記念講演を行った。
また、今大会では、次の二つのシンポジウムと関連企画を実施した。
シンポジウム/テレビ
◇テーマ
「ネット広告ビジネスの現状と民放テレビ局の将来」
◇パネリスト
飯塚隆博氏(博報堂DYメディアパートナーズ動画ビジネス局局長代理兼テレビ戦略部部長)
片山義丈氏(ダイキン工業総務部広告宣伝グループ長部長)
小和田みどり氏(ライオン コミュニケーションデザイン部長)
佐藤政治氏(日本テレビ放送網営業局営業企画戦略部長)
◇コーディネーター
夏野剛氏(慶応大大学院政策・メディア研究科特別招聘教授)
シンポジウム/ラジオ
◇テーマ
「NO MUSIC、NO RADIO~音楽の役割を再考する」
◇パネリスト
伊藤正則氏(音楽評論家/ディスクジョッキー)
斉藤正明氏(日本レコード協会副会長/JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント社長)
栗花落光氏(FM802社長)
◇コーディネーター
入江たのし氏(メディアプロデューサー)