日本の「そら」の魅力を発信
「宙ツーリズム推進協議会」設立
2017/11/22
宙ツーリズム推進協議会の設立総会が11月21日、東京・港区の電通本社で開催された。同協議会は、空や星・宇宙の多岐にわたる魅力の総称を「宙(そら)」と規定。場をつなぐ情報・ノウハウの提供、「宙」が持つ魅力の集約・発信、市場の拡大を活動目標に掲げ約50の自治体や団体、企業、大学などが参画している。総会では、設立経緯や今後の活動方針・体制などが発表された。また、参加団体の紹介とともにディスカッションが行われた。
(星空の写真は国立天文台の提供)
同協議会準備委員会の縣秀彦代表(国立天文台 天文情報センター 普及室長)は「宙は、見上げるもの。見上げることで、みんなで豊かになれる」とあいさつし、コロンビアでプラネタリウムを見たゲリラが犯罪をやめ通学を再開した事例を挙げ、「星を見ることは世界平和にも寄与する」と宙への情熱を語った。
観光庁観光資源課の蔵持京治課長は「海外の人に日本の魅力を問うと、回答は限られており富士山・京都・桜がほとんど。新たな魅力として、日本の星空を加えたい」と語った。
元JAXA(宇宙航空研究開発機構)宇宙飛行士の山崎直子さんは「宇宙旅行を日本でもできるようにするのが夢。みんなで、この夢をかなえたい」と熱を込めて語った。「アメリカには既に商業用宇宙港『スペースポート』が10カ所ある。スペースポートは空港と同様、発着だけでなくハブとなって地域振興を促進し、地域や人の交流の場所になる。日本でも整備を進め、日本のもつ宙と教育を結び付けていきたい」と訴えた。
今後は、参画団体が一体となって、地域・自治体や大学などの教育・研究組織、宙関連の活動を推進する任意団体、有識者などと積極的にネットワークを構築し会員化を促進。新たな宙ツーリズムの企画・開発・実施を目指す。
電通宇宙ラボの荒井誠氏は「宙を楽しむライフスタイルを発信していきたい」と話した。
来年4月以降の具体的な活動計画は、来年1月末をめどに策定する予定だ。
市場把握のためのマーケティング調査やポータルサイト構築の開始、2020年度までの一般社団法人化を目指している。