loading...

電通報ビジネスにもっとアイデアを。

資生堂 IoTスキンケアシステムを発表
「パーソナライズド・ビューティー」に意欲

2017/11/28

    資生堂は11月27日、顧客の一人一人に合わせた「パーソナライズド・ビューティー」の発表会「Beauty goes Forward.」を開催した。同社は業界に先駆けてIoT技術への研究・投資を進めており、パーソナライズとデジタル技術の融合を実現してきた。

    冒頭、資生堂ジャパンの杉山繁和社長は経営学者ピーター・ドラッカーの名言「未来を予測する最良の方法は、未来を創ることだ」を引用し、「当社は、独創的に未来を描いていく。お客さま一人一人に寄り添い、100年以上培ってきた資生堂のビューティーの知見とデジタル技術を掛け合わせた革新的なアプローチで、お客さまの美と充実したライフスタイルをサポートしたい」とあいさつした。

    次に、美容業界のパーソナライゼーションについて、アイスタイルのリサーチプランナー原田彩子氏が登壇し、同社が運営する美容口コミサイト「@cosme」に寄せられた女性の声を元に、美の未来を推測した。チャネルが多様化し、情報過多かつ商品過多となった今、自分にぴったり合う商品を選びたいというニーズが高まっていると述べ、「パーソナルカラー」や「肌診断」など、パーソナライズに関連するワードが同サイトのクチコミ内に出現する回数が年々増加しているデータを紹介した。

    資生堂の島谷庸一執行役員常務は、「眼球の色とアイシャドウの色がマッチすると、目が大きく見える」というデータから生まれ、自分に合う色を見つけられる「マキアージュ」のアイシャドーや、「ベアミネラル」と、肌の色を正確に測定し、自分の肌にぴったり合うファンデーションを購入できるアプリ「MATCHCo」のコラボレーションなど、同社の研究開発事例を発表した。

    また、日本語にはテクスチャーを表現する言葉が他の言語と比べ圧倒的に多いというデータを披露し、「表現の多さは、日本特有の感受性の表れ。日本発の資生堂だからこそ、一人一人の状態を繊細に捉えて多様なアプローチを提供していきたい」と語った。

    資生堂ジャパン デジタルフューチャーグループの川崎道文ブランドマネージャーは、最先端の皮膚科学研究や美容技術の知見にデジタルテクノロジーを掛け合わせることで、スキンケアのパーソナライゼーションを実現するIoTスキンケアシステム「Optune(オプチューン)」を発表。由来は「最適化する」意の“Optimize”と「調律する」意の“tune”。同製品は、専用アプリによる肌測定データと、収集したさまざまな環境データをベースに、自宅に設置する専用マシンが独自のアルゴリズムを元に、肌タイプはもちろん一人一人、その時々の肌環境ストレスや外部環境に合わせたケアを提供するシステムだ。

    ベータ版マシン「Optune zero」は、2018年春以降に同社のEコマースサイト「ワタシプラス」でテスト販売を開始し、その後、さらなる改良・開発を進め早期の本格導入を目指す。進化するたび「Optune one」「Optune two」とカウントアップしていくと述べた。

    実際に「Optune」を試せるブースや、「ベアミネラル×MATCHCo」のブースが設けられ、多くの報道陣でにぎわった。

     

    公式サイト: http://www.shiseidogroup.jp/