日本唯一の広告ミュージアム「アドミュージアム東京」がリニューアルオープン!
2017/12/01
約30万点の広告資料・作品を収蔵する「アドミュージアム東京」(東京・汐留)が開館15周年を機に12月1日、リニューアルオープンした。
オープンに先立ち、印刷博物館館長・樺山紘一氏、全日本広告連盟理事長・大平明氏、電通社長・山本敏博氏、吉田秀雄記念事業財団・森隆一氏、アドミュージアム東京館長・森豊子氏によるテープカットが行われた。
アドミュージアム東京は常設展示、企画展示、ライブラリーの三つで構成されている。今回のリニューアルにより、デジタル技術をさまざまな場で活用し、来館者がインタラクティブに作品や資料を検索できるようになった。
常設展示室は、「ニッポン広告史」、CM視聴ブース「4つのきもち」、「コレクションテーブル」の三つのコーナーがあり、さまざまな広告資料・作品に触れることができる。
「ニッポン広告史」のコーナーでは、江戸期から現代まで六つの時代で各時代を象徴する広告と関連資料を紹介している。チラシの原点ともいえる江戸期の引札をはじめ、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)、AI(人工知能)などテクノロジーが生み出す新しい広告まで、古今東西のアーカイブを豊富に取りそろえている。
感情ごとにキュレーションされた視聴ブース「4つのきもち」は、「Yeah!(元気がでる)」「Love(心あたたまる)」「Humm…(考えさせられる)」「Wow!(びっくりする)」という見る人の気持ちを動かしてきたCMなどを紹介している。視聴ブースのデザインも4つの気持ちをイメージして開発された。
「コレクションテーブル」では、収蔵する広告作品をデジタルとアナログで紹介している。デジタルコレクションでは、現在約2000点の作品が閲覧可能だ。広告作品を選ぶとその作品に加え、シリーズ作品も見ることができる。各作品にキーワードが設定されており、例えば、車というキーワードを選ぶと車の広告を一堂に閲覧することができる。
普段広告に携わる人以外では見ることがなかなかできないCMコンテなども展示されている。
「ライブラリー」は、約2万8000点の広告・マーケティングに関する図書資料をはじめ、50年分の広告研究論文も収蔵している。
独自の視点でコミュニケーションの可能性を紹介する企画展も開催していく。オープニング企画展は、「『思いつく』を考える展」。話題のヒット作、便利な商品など優れたアイデアを「思いつく」の裏側にある思考回路を当該商品などと共に提示している。「思いつく」を考えるための九つの手法とは、「くっつけてみた」「やめてみた」「シンボルつくってみた」「ばらしてみた」「くらべてみた」「かくしてみた」「いれかえてみた」「やばくしてみた」「ふやしてみた」。
森館長は、リニューアルオープンに当たり「15年間で200万人の来館者を迎えることができた。知的好奇心の遊び場としてこれからも多くの方に気軽に立ち寄っていただきたい」と述べた。