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写真展「未来をつくりだす力は、東北にある。」 
被災3県から笑顔とメッセージ

2018/03/14

    復興庁は3月9日から11日まで「3.11メッセージフォト展 未来をつくりだす力は、東北にある。」を、東京駅八重洲中央コンコースのイベントスペースで開催した。

    同庁では約半年間、力強く復興を進める東日本大震災の被災3県からの画像とメッセージを、サイト上の「メッセージフォトギャラリー」(https://www.power-of-tohoku.jp/gallery/)で公開し、復興への取り組みや、食、観光など、その土地ならではの魅力を紹介してきた。
    今回は、震災から7年を迎えたのを機に、被災地で撮影された写真に、被写体となった人物の直筆メッセージを添えた写真展となった。

    初日にはオープニングイベントが行われ、地元の宮城県塩釜市で音楽とアートと食のフェスティバル「GAMA ROCK」を立ち上げるなど、復興支援活動に尽力している写真家の平間至さん、国連WFP日本大使として食糧難の地域の現地視察を行う他、国内でも復興支援活動に積極的に参画している、モデルの知花くららさんがゲストとして登場した。
    同展の全ての写真を撮影した平間さんは「ここでは、写真と被写体のメッセージを組み合わせて一つの作品とした。メッセージにはイラストやカラフルな文字が使われ、とても気持ちが伝わってくる。大変な思いをしたことで、皆さんがより強く優しくなっていると感じた。これを通して、あらためて東北のエネルギーを感じとってほしい」と述べた。
    知花さんは「写真に写る皆さんの故郷に対する愛情を知って、私の方が元気をもらった。これからは、人と人を結ぶ活動がもっと大事になってくる。それによって笑顔とハッピーが広がってほしい。そして、東北の未来と可能性が広がってほしい」とコメントした。

    トークショーには写真のモデルとなった4人が代表として招かれ、それぞれが写真に添えるメッセージを発表した。
    久慈市の「小袖海女センター」で“北限の海女”として働く大向広子さんと中川やえ子さんは、津波で海女の衣装が流されてしまったこと、ヘドロの堆積で漁ができなくなった震災当時を涙ながらに振り返った。
    震災まで水産高の教師だった亀山貴一さんは、石巻市の小さな集落にある自宅を改装して「Cafeはまぐり堂」をオープンし、人々が笑顔になれる空間をつくるなど、地元のためにさまざまな活動を行っていると話した。
    福島市で農業を営む「カトウファーム」の加藤絵美さんは、自身が写った写真に「えがおになれるお米は福島にある。」とメッセージを付け、今後は栽培の規模を増やして、多くの人に福島のおいしいお米を食べてほしいと抱負を語った。

    浜田昌良復興副大臣は「写真の表情や笑顔が素晴らしい。しかしその裏には7年間のさまざまな苦労があったと思う。それがメッセージに込められている。被災地は、これからも風評被害や記憶の風化に立ち向かわなければならないが、この写真を見て、もう一度未来を見つめ希望を持って進んでほしい。防潮堤や公営住宅をつくるだけでなく、一人一人が自分の人生を歩んでいける“人間の復興”をこれからも支援していきたい」とイベントを締めくくった。