平昌パラリンピック閉幕
日本選手大活躍で報奨金アップ
2018/03/20
平昌パラリンピックが3月18日閉幕した。
大会には、過去最多となる49カ国・地域から約570人の選手が参加し、6競技80種目で熱戦が繰り広げられた。
平昌オリンピックスタジアムでは閉会式が行われ、パラリンピック旗が次回冬季大会開催都市の北京に引き継がれた。
日本代表選手38人は、カーリングを除く5競技に出場。アルペンスキーやクロスカントリースキー、スノーボードで合計10個のメダル(金3、銀4、銅3)を獲得。前回ソチ大会以上という目標を大きく上回った。
中でも、アルペンスキー女子の村岡桃佳選手の活躍が目立ち、冬季大会で日本選手最多となる1大会5個のメダルを獲得した。国別のメダル数で日本は9位だった。(1位:アメリカ、2位NPA、3位カナダ)
東京2020組織委の森喜朗会長は、平昌大会の閉幕に際し「大会やスポーツの価値が問われる今、限界に挑むアスリートの姿や、試合後にライバルをたたえ合う振る舞いは、人々の気持ちを動かし、スポーツの力を証明した。そして日本選手の活躍は、東京大会をますます楽しみにしてくれた。世界の視線はいよいよ東京に注がれる。平昌の情熱と熱意を受け継いで、大会準備に取り組みたい」とコメントした。
■ 日本代表選手団 解団式
3月19日、日本代表選手団の解団式が東京・千代田区のホテルニューオータニで開催された。
日本パラリンピック委員会(JPC)の鳥原光憲会長は、輝かしい成績を称賛し「選手たちの勇気と決断力、団長やコーチを含めた選手団のチーム力に敬意を表する。今回の活躍は、間違いなく2020年大会への大きな貢献になった」とあいさつした。
メダリストたちは「ソチ大会での悔しさをバネにした」「メダルだけでなく、皆が力を出し切ったことが素晴らしい」「次の北京では金メダルを目標にしたい」などとコメントした。
主将を務めた須藤悟選手(アイスホッケー)は「天候が不安定だった中での好成績はうれしい。課題として選手の世代交代の必要性を感じたが、パラスポーツの素晴らしさは伝えられたと思う」と述べた。
大日方邦子団長は「若い選手が、大会中も成長してくれたのが大きな成果だ。大会は観客もボランティアも素晴らしく、世界のトップアスリートから多くのことを学べたのが収穫。パラリンピックは全ての歯車がかみ合わないと勝てないレベルになっている。選手たちには、これからも努力し続けてほしい」と語った。
■ 記者会見
冒頭、JPCの高橋秀文副委員長はメダリストへの報奨金について、金メダルは150万円から300万円に、銀は100万円から200万円に、銅は70万円から100万円に増額すると発表し「増額は、2020年東京パラリンピックからを予定していたが、今大会での選手の大活躍を東京大会につなげたいとの思いから前倒しすることにした」と説明した。
村岡選手は、4年後の目標について「出場する全種目で金メダルを目指したい」と話し、今したいことは「休暇と睡眠をとりたい」と笑わせた。
報奨金の使い道について、カメラが趣味という森井大輝選手(アルペンスキー)は、報道陣のカメラを見つめて「新しいのを買ってしまいそう」と場を和ませ、新田佳浩選手(クロスカントリースキー)は「家を空けることが多いので、家族旅行をしたい」と話した。村岡選手は、報奨金の増額について「パラスポーツが、それだけ認知されてきた結果だと思えてうれしい」と語った。