2020年東京大会
NECの顔認証システムを導入
2018/08/10
2020年東京オリンピック・パラリンピックで、大会関係者の会場入場時の本人確認のため、NEC(大会ゴールドパートナー)の顔認証システムを導入することが決まり、8月7日、都内で東京2020組織委とNECが合同で記者発表を行った。
同社の顔認証AIエンジン「NeoFace」を活用したシステムで、選手やスタッフ、ボランティアなどの大会関係者約30万人を対象に実施する。ICチップを搭載したIDカードと、事前に撮影・登録した顔の画像をシステム上でひも付け、入場ゲートに設置した顔認証装置で、顔とIDカードによる本人確認を行う。
実験の一例では、係員が目視で本人確認を行う場合に比べ、約2.5倍早く入場できるという。
組織委の岩下剛警備局長は「東京大会はオリンピック・パラリンピックパークがなく、競技会場が点在しているため、入場するたびに各会場ごとのセキュリティーチェックが必要になる。顔認証システムの導入で、スムーズで効率的、かつ厳格なチェック体制が構築できるとともに、入場者への暑さ対策も期待できる。今後も実証実験を重ね、システムをより確かなものにしたい」とあいさつした。
NECの菅沼正明執行役員は、顔認証システムを全ての会場の関係者エリアで展開するのは、オリンピック・パラリンピック史上初だと話し「犯罪捜査からエンターテインメント分野まで、世界中で実績のある最先端テクノロジーで、大会の熱気や感動を損なわない“さりげない警備”を行いたい。大会の成功に貢献するとともに、安全・安心で効率・公平な社会価値を創造する“社会ソリューション事業”をグローバルに推進する」と述べた。
システムのデモ機器を使った顔認証のデモンストレーションも行われ、NEC RED ROCKETS(女子バレーボール)所属の島村春世選手と、NEC GREEN ROCKETS(ラグビー)所属の後藤輝也選手が参加した。
IDカードを読み取り機に当てると同時にカメラが顔認証を行い、両選手を含め、高身長の人や車椅子利用の人も瞬時に認証しGOのサインを表示。“なりすまし”のデモでは、ストップのサインで警告した。