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東京がスポーツとテクノロジーの街になる

スポーツにイノベーションを!SPORTS TECH TOKYONo.1

2018/12/03

東京がスポーツとテクノロジーの街になる

スポーツ×テクノロジー=スポーツテックが東京を熱くする!

2019年、ラグビー・ワールドカップ。
2020年、東京オリンピック・パラリンピック競技大会。
2021年、関西ワールドマスターズゲームズ、水泳世界選手権大会。

今後数年間、日本で国際的なスポーツイベントが相次いで開催されます。

これらのイベントは同時に、最新のシステムやインフラを世界中の人々にお披露目する、いわばテクノロジーのショーケースにもなることでしょう。
 

日本政府が閣議決定した「日本再興戦略2016」の中で、日本のスポーツ市場の成長目標が掲げられた。
日本政府が閣議決定した「日本再興戦略2016」の中で、日本のスポーツ市場の成長目標数値が掲げられた。


これから東京の街は、世界でいちばん「スポーツの空気」になっていくのではないでしょうか。スポーツの空気にヒト、アセット、アイデア、資金が加われば、たくさんの新しいテクノロジーとビジネスが生まれてきます。

2019年、電通とベンチャーキャピタルのスクラムベンチャーズ(米サンフランシスコ)は、広く「スポーツ」をテーマに、世界中のスタートアップ企業を対象としたワールド・アクセラレーション・プログラム「SPORTS TECH TOKYO」(https://sportstech.tokyo/を約1年間にわたり実施します。

アクセラレーション・プログラムとは、メンタリングやネットワーキングでスタートアップの成長を支援しつつ、パートナー企業の協業や投資を募るものです。この連載ではプログラムの運営メンバーが登場し、テクノロジーがスポーツに何をもたらすのかを、いくつかの角度からお伝えしていきます。

今回は数多くのスタートアップ支援、大企業のオープンイノベーション支援を手掛けてきた電通の中嶋文彦が、運営チームを代表してプログラムの概要を紹介します。

実証実験まで狙うアクセラレーション・プログラム

SPORTS TECH TOKYOでは、優れた技術シーズやユニークなアイデアを持つスタートアップを募集し、支援を行います。

具体的には、経験豊富な多数のメンターとのマッチング、またメンターとは別にスポーツ界の実力者をアドバイザリー・ボードに迎え、実証実験の機会も提供します。

そしてスタートアップ支援と並ぶもう一つのテーマが、企業のオープンイノベーション促進です。スポーツという広大なカテゴリーでは、どんな企業でも接点を持ち、新規事業を創出できる可能性があります。

そうした企業(=パートナー)とスタートアップを結び付け、東京とサンフランシスコの2拠点を中心とした新たな “事業共創コミュニティー”をつくり上げていくことも私たちの大きな目的です。

私たち電通Future Business Tech Team(以下FBTT)は、羽田空港旅客ターミナルでのロボット実証実験「Haneda Robotics Lab」、ソニー・ミュージックエンタテインメントのアクセラレーション・プログラム「ENTX」(エンタエックス)など、さまざまな分野で企業のイノベーション支援を行ってきました。

FBTTの特徴は、オープンイノベーションを「種」で終わらせず、電通のコネクションとノウハウを活用し、実証実験から社会実装まで持っていく点です。そんなFBTTが、電通のスポーツ部門や関係会社とも一体となり全社プロジェクトとして、まさに今しかないというタイミングでスポーツという巨大なカテゴリーに取り組むことになりました。

そしてもう1社、グローバルな投資会社であるスクラムベンチャーズも、「スタートアップの支援」「大企業のオープンイノベーションの場を構築」という面でFBTTがやってきたことと重なるところが非常に多く、お互いの強みを持ち合う形で、共にプログラムを運営することになりました。

この連載ではスクラムベンチャーズのメンバーにも登場いただき、東京と並ぶ拠点であるサンフランシスコの空気をお伝えする予定です。

エンタメからヘルスケアまで、スポーツテックは幅広い!

フィンテック(金融×テック)、インシュアテック(保険×テック)、エデュテック(教育×テック)など、各分野でテクノロジーによる変革が進んでいます。ではスポーツテックとは具体的にはどんなものでしょうか。

例えばトレーニング。従来のランニングマシンは一人で黙々と走るものでしたが、ビデオチャットでコーチとコミュニケーションしながらトレーニングできるサブスクリプションサービスがアメリカで人気を集めています。

あるいは観戦体験。例えば、30台を超える5Kカメラが会場全体をカバーし、鮮明なHD画像を360度視点で提供するテクノロジーが、スポーツの楽しみ方を拡張します。

また、スタジアムソリューションもあります。チケット不要の生体認証技術が普及すれば、観客にはストレスのないスムーズな会場内移動が、スポーツ団体にはデータ収集による集客力やサービスの向上がもたらされるでしょう。

私たちはスポーツテックを大まかに以下の三つのテーマ・カテゴリーに分類しています。

  • するスポーツ Play Sports
  • 観るスポーツ Watch Sports
  • 支えるスポーツ Support Sports
するスポーツ
プロ・アマのアスリートに役立つテクノロジーです。データ解析やチーム運営、ヘルスケアなどフィジカルに関連するものが中心ですが、eスポーツやファンタジースポーツ(現実の選手の成績と連動するバーチャルスポーツ)も対象です。
観るスポーツ
ファンのエンゲージメントを高める情報アプリやメディア、VR、高解像度映像によるかつてない観戦体験の実現など、スポーツをより楽しむためのコンテンツ拡張を生み出すテクノロジーです。
支えるスポーツ
より広い観点からスポーツを支える周辺事業などを対象としたテクノロジーです。チケットシステムやスタジアムソリューションなどを含みます。

こう見ると、スポーツという言葉が包摂する範囲が非常に広いのが分かります。

本プログラムから生まれたテクノロジーが、スポーツの枠を超えて広く社会に実装されていくこともあるでしょう。逆に、一見スポーツと関係ないようなテクノロジーが、スポーツと結び付くことで化学反応を起こしていく可能性もあります。

「自分のビジネスにスポーツは関係ない」と思わず、多くの人たちに参画していただきたいと思います。

ユニークな事例については、本連載で紹介していくのでお楽しみに!

日本のスポーツビジネスが爆発的に発展するチャンス

プログラムの大まかな流れは下図をご覧ください。

プログラムスケジュール
プログラムスケジュール
2018年12月現在はスタートアップ企業の参加を募集している「募集期間」です。締切は2019年1月31日23時59分(太平洋標準時)。応募要項はこちら

締め切り後は審査を経て、150社のパーティシパント、さらに10~20社のファイナリストを選出。ファイナリストは全体の前半に当たる「事業開発プログラム」に参加でき、それぞれの課題に合ったメンターと定期的なセッションが実施されます。

一般的なアクセラレーション・プログラムとは一味違う、本プログラムの特色は以下の二つのポイントに代表されます。

特色1:豪華過ぎるメンター陣、アドバイザリー・ボードと進めるプログラム

メンターはメジャースポーツのマーケティング責任者から伝説的な投資家まで、各界から豊富な経験と知識を持ったスペシャリストが集まっています(公式サイト)。その中から、各スタートアップの抱える課題や目標にぴったりのメンターをマッチングします。

また、メンターとは別に、スポーツ界の実力者たちがアドバイザリー・ボードとして協力します。日本からは、日本サッカー協会の須原清貴専務理事、Bリーグの大河正明チェアマン、パシフィックリーグマーケティングの根岸友喜社長などが参加されます。

彼らとの出会いを機に、テクノロジーを一気に世界中に広められるかもしれません。

特色2:デモデイで終わらず「実証」「実装」の機会

メンタリング期間後にワールド・デモデイを実施し、各社のテクノロジーをお披露目して、企業からの投資を募ります。

ユニークなのが、デモデイで終わらず、プログラム後半に「活性化プログラム」を用意したこと。チームや団体の協力を得ている本プログラムでは、スタジアムや試合など豊富な「実証」「実装」の場が用意され、シーズを実際にサービスやビジネスまで持っていくことを目標とします。

 

本プログラムの説明会を東京、ニューヨーク、ボストン、シカゴの4都市で開催しました。おかげさまで大盛況となり、特に参加者の熱量と、バックグラウンドの多様性に驚かされました。スポーツを愛する多くの人たちが、その熱量を形にするための「場」を求めていたのだと思います。

競技の垣根を越えて関係者が集まり、イノベーションを加速するためのオープンなコミュニティーというものは、あまりなかったのかもしれません。

欧米と比べて、日本のスポーツビジネスはスポーツ人口や人気のわりにまだ小規模ですが、逆に言えばポテンシャルがあります。世界中の視線が東京に集中するこのタイミングこそ、日本のスポーツビジネスを爆発的に発展させるチャンスです。

多くのイノベーションが生まれることを願ってやみません。

東京での説明会
東京での説明会ではサッカー元日本代表監督・岡田武史氏らが登壇し、スポーツテックへの期待を語った他、サッカー選手・監督・GM・経営者と多様な顔を持つ本田圭祐氏もビデオレターを寄せた。オリンピックメダリストも一般応募で参加するなど、期待と情熱にあふれたイベントとなった。