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日本雑誌広告協会 「電子雑誌広告取引ガイドライン」を策定

2019/05/27

    日本雑誌広告協会は5月24日、「電子雑誌広告取引ガイドライン」を策定したと発表した。今後も成長が見込まれる電子雑誌の広告価値向上や安定的な運用に向け、規定・ルールを設ける場合の基本的な考え方を定めたもの。

    ガイドラインでは、電子雑誌を「出版社により制作された紙媒体の定期刊行物の誌面データを活用し、インターネット等を通じてスマートフォンやタブレットなどの電子端末で誌面の再生を行うと同時に、その発行物の誌名や表紙デザイン、目次等、当該の発行物として認識しうるもの」「出版社を販売元とする個別販売電子雑誌、読み放題サービスなど出版社外のコンテンツプロバイダーが行うもの」と定義。一方で、「誌面データの一部を切り出して活用するマイクロコンテンツ」はその対象外とし、今後の課題とした。

    広告の仕様は「電子雑誌原稿の掲載以外に動画・音声といった表現手法を組み込めるもの」とし、「リンク機能・ダイナミッククリエーティブ・ネットワークなどインターネット独自での機能も織り込んだもの」と規定した。

    掲載基準は、出版社を販売元とするものは「日本雑誌協会の『雑誌広告掲載基準』及び各出版社の掲載基準に準拠しつつも、必要に応じてその内容を確認、指導するものとする」とし、電子雑誌広告は「出版社の掲載基準を優先するが、事業主体であるプラットフォームの判断基準も考慮した上で、掲載の可否判断を行う」と定めた。

    効果指標は、出版社を販売元とする個別販売電子雑誌は紙媒体雑誌同様に日本ABC協会の算定に準拠。読み放題サービスなどはアプリのユニークユーザー数を広告到達最大値とするとしつつも、「常に研究・検証を行い新たなノーム値化を検討していく」とし、今後も随時アップデートされることを示している。

    この他、ガイドラインではアカウンタビリティー、入稿形態、有効期限とバックナンバー、データの取り扱いなどを規定している。詳細は日本雑誌広告協会のウェブサイトを参照。

    24日に東京・千代田区の出版クラブビルで開催された記者発表には、同協会の片桐隆雄理事長(マガジンハウス)、企画委員会の森紀一朗委員長(博報堂メディアパートナーズ)、電子雑誌広告タスクフォースリーダーの長崎亘宏氏(講談社)らが出席。ガイドライン策定の背景や概要説明などを行った。

    片桐理事長は「協会の2018年度調査では、紙媒体の電子版率は53.8%と全体の半数を超え、その仕様は読み放題、ウェブサイト、LINEなどのSNS、アプリ、メールマガジンなど多様化が進んでいる。このような新たな市場における広告の指標・運用を整理すべく『電子雑誌広告取引ガイドライン』を策定した。広告主にとって使いやすく効果的な広告媒体として活用いただけるよう努力したい」と意欲を示した。