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都道府県別のSDGs実態を探る

チャンスはSDGsにある!No.2

2019/06/10

都道府県別のSDGs実態を探る

連載第2回は、第1回に引き続き、「第2回電通SDGs生活者調査」の調査結果を都道府県別に着目し、レポートします。

【目次】
▼SDGsの名称認知率が高かった都道府県
▼SDGsの全国の傾向と特徴の見られた都道府県
▼まとめ SDGsのさらなる認知拡大と各都道府県の事情に合ったSDGsを推進

 

SDGsの名称認知率が高かった都道府県

今回の調査でのSDGsの名称認知率は全国平均値で16.0%でした。これを都道府県別に見てみると、下図のような認知率の分布になりました。

このうちの20%台の特に認知が高かった上位3位の都道府県をご紹介します。

SDGsの名称認知率が最も高かったのは、岡山県(23.7%)でした。

岡山県では、SDGsの名称だけでなく内容まで知っている人が多く、17の目標(図表3)のうちの六つの目標で、全国平均よりも10ポイント以上高い認知率になりました。

岡山県ではなぜSDGs認知率が高いのか、理由を探ってみました。

岡山市域は2005年、世界で初めて、国連大学から「ESD」(Education for Development/持続可能な開発のための教育)を推進する地域の拠点に認定されています。

2017年には岡山大が、第1回「ジャパンSDGsアワード」のSDGsパートナーシップ賞を受賞。同校は、SDGs達成の観点を取り入れた大学運営、大学の研究活動と社会貢献・交流事業による学術的寄与の促進、グローバル人材の育成、地域と国際社会とのより一体的なパートナーシップ構築のための取り組みを推進しています。

岡山市と真庭市は、2018年「SDGs未来都市」に選定されました。岡山市は「誰もが健康で学び合い、生涯活躍するまち、岡山の推進」、真庭市は、「地域エネルギー自給率100%、SDGs未来都市真庭の実現~永続的に発展する農山村のモデルを目指して(私がわたしらしく生きるまち)~」に取り組んでいます。

岡山県は、「市」や「大学」が中心となって、一足先に地道にしっかり取り組んできた成果の認知率といえそうです。

2番目と3番目にSDGs名称認知率が高かったのは、山梨県(21.6%)と愛媛県(21.1%)です。

山梨県は、後ほど説明する図表4の「興味のある社会問題/時事問題」として「地方創生・地方活性化」を選んだ人の割合が30.9%と全国平均14.4%より16.5ポイント高い結果となりました。また、北社市の地元の高校と企業、中小機構関東と連携し、食と農を生かした「住み続けられるまちづくりの推進」というSDGsに関する取り組みを行っています。

愛媛県は17目標のうちの四つの認知率が全国平均より5ポイント以上高く、「実施したことのあるアクション」(図表5)として「地産地消を行っている」という回答が34.7%と全国平均24.4%より10.3ポイント高いという結果も出ています。

また、愛媛県では、「平成29年版環境白書」にSDGsの取り組みが掲載されている内子町が、SDGsの活動を行っているNGOなどの間では知られており、SDGsも大きなテーマであるG20サミット開催の本年に、松山市で「G20愛媛・松山労働雇用大臣会合」が行われることが決まっているほか、地域おこしに興味を持つ人を対象に働き方改革や起業などをテーマとした「地方創生ワカモノ会合」が開かれる予定もあります。

山梨県も愛媛県も、「地方創生」や「高齢化」などの地域が持つ課題と17目標がうまく結びついた結果、SDGsが浸透しつつあるのかもしれません。

SDGsの全国の傾向と特徴の見られた都道府県

今回の調査では、認知の他にも現状を把握するためのさまざまな設問を設けています。その一部の結果(全国平均)を、特徴の見られた都道府県と一緒に紹介します。

今回の調査では、調査項目の一つとして、「興味のある社会問題/時事問題」を入れています。これは、SDGsの17目標は日本人にはイメージしづらい部分もあり、「日本における具体的な社会・時事問題」に置き換えることで、関心事を明らかにしました。

全国1位に挙がったのは「年金・介護・福祉」(47.5%)の問題。第2位の「消費税の引き上げ」(44.7%)や第3位「健康・医療」(43.1%)など、自分の将来不安に直結しそうな項目が上位に挙がりました。

SDGsを知らなかったり、意識していなくても、SDGsに取り組んでいる場合があります。そんな取り組みのランキングで最も高かったのは「詰め替えパックの利用」(59.2%)。これは、経済的な側面もあるためか、「健康診断、予防接種」(58.7%)をわずかに上回り、ほぼ6割が「実施したことがある」と回答しました。気軽にできてオシャレ感もある「エコバッグの使用」(56.6%)、フードロス問題の浸透からか「食べ物を無駄にしない」(55.5%)も上位に挙がっています。「節電」(55.3%)と「節水」(45.2%)では同じ節約でも実施率に10ポイント以上の差が見られることから生活に密着した「取り組みやすさ」がポイントといえるでしょう。

SDGsの情報源は、全国では「情報WEB」(39.6%)や「新聞」(35.8%)が30%を超えています。「新聞」は「地方紙」の割合も多く、また、第3位に「勤務先の業務」「学校の授業」「イベント」や「周りの人との会話」などの「ダイレクト」が出てきているのも、SDGsの浸透の仕方の特徴といえます。

SDGsの名称を知っていた、知らなかったに関わらず、一番実践されていた目標は、3の「健康」(35.5%)でした。次いで6の「水と衛生」(21.0%)、2の「飢餓」(20.0%)1の「貧困」(19.3%)と続きますが、最も自分ごと化しやすい「健康」とは10ポイント以上の差がついています。

「健康」や「水と衛生」は日本でも身近な問題として取り組みやすい課題だと思いますので、上位に挙がることは予想できますが、「飢餓」や「貧困」がその次にきています。この二つの目標は、世界の課題として多くの団体が取り組んでいてメディアなどで取り上げられやすい問題であるため、上位になったと考えられます。

この実践していた目標において全国平均より10ポイント以上高いスコアで特徴が見られた都道府県は二つ。目標6「水と衛生」で「広島県」(33.3%)、目標16「平和で公正」(12.2%)で「東京都」(23.5%)、でした。

今後のSDGs関与について聞くと、「SDGsに関係あるような企業の商品やサービスを選んでいきたい」を選択した人が36.9%ともっとも多く、企業の取り組みに対する期待の高さがうかがえました。

長崎県は「これからSDGsの考え方をほかの人にも伝えるようにしたい」(31.4%)で全国平均を10ポイント以上上回っています。

まとめ SDGsのさらなる認知拡大と各都道府県の事情に合ったSDGsを推進
 

「チャンスはSDGsにある!」第2回では、日本全国のさまざまなSDGs関与状況を見てきましたが、いかがでしたでしょうか?いろいろな側面から、SDGsに関するポテンシャルを感じていただけたのではないかと思います。

今回分かったのは、都道府県でSDGsの認知に1桁台から20%台まで開きがあり、関心のある問題、取り組んでいること、情報経路などに地域ごとの違いがあること。また、SDGsに関係ある商品やサービスを選択していきたいという生活者のニーズが存在し、企業にとってSDGsはビジネスチャンスであることも分かりました。

いずれも興味深い結果で、地域をよく知っている自治体や地元の大学の活動がエンジンになり、認知をジワジワ底上げしていっている印象を受けました。そしてここで一気にドライブをかけられるのが企業の取り組みなのかもしれません。

SDGsに取り組むのに「障害になりそうなこと」も今回の調査で聞いています。家庭では「何をしたら良いか分からない」、企業や学校では「周囲が知らないのでやりづらい」がそれぞれ全国1位です。

各都道府県には違いがありました。SDGs達成を推進するには、各都道府県それぞれに「合ったやり方」で、「認知」を拡げながら「具体的な行動」を提示していく必要がありそうです。その方法を探るためにも、各都道府県のデータ分析を今後進めていきたいと考えております。

【電通 Team SDGs】
SDGsの達成に向けたイノベーションを起こす各種ソリューションの研究開発や関連情報の発信を行う社内部署横断チームです。

【調査概要】
●調査名:第2回SDGsに関する生活者調査
●対象エリア:日本全国
●対象条件:10~70代の男女
●サンプル数:6576人
分析に当たっては、都道府県ごとの人口比および日本の性年齢構成比をウェイトバック集計した。
●調査手法:インターネット調査
●調査期間:2019年2月7~18日
●調査機関:電通マクロミルインサイト
第1回調査との大きな相違点は、調査サンプル数を大幅に増やし、47都道府県別の分析を可能にしたことです。そのために前回とサンプル割り付け条件が異なることになり、第1回と第2回の全国平均値(GT値)を参考値として引用している箇所があります。