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NEWSPACE PROTOTYPE OF ART DIRECTIONNo.3

開くとトキメキが現れる。
最高峰の技術でつくるネイルアート“LOCKET NAILS”

2019/10/16

気鋭のアートディレクターが、メディアやジャンルに縛られない自由な領域とビジュアルアイデアの掛け合わせで、表現を追求していくプロジェクト“NEWSPACE”。これまでも多様な発想や技術を生かしたプロトタイプを紹介してきました。第3弾は、爪に扉を装着させるネイルアートの“LOCKET NAILS”です。

今回、学生時代の発想をハイレベルに実現させたのは、アートディレクターの前田彩。“LOCKET NAILS”の制作背景やこれからの使い道を明かします。

ネイルアートは心理を変える

身につけられて、毎日どこでも目にすることができるアートとして、ネイルアートに興味がありました。子どものころ、不安だったり退屈だったりすると、爪をいじってしまうクセがあったんです。でも大人になってネイルアートをし始めてみたら、爪を見たり触るのが楽しくなり、面白いと思いました。

LOCKET NAILSの発想は、学生時代からあったものです。究極パーソナルなもの(爪)に、自分しか知らない世界を込めたら、ワクワクしたり、せつなかったり、複雑な気持ちになって。いつかちゃんとつくりたいと思っていました。今回、NEWSPACEに参加して、形にすることができました。


最高峰の技術が共創するアートピースとして

フレームと扉の部分は真鍮製。東京藝大の彫金科で講師を務めていた草野晃さんと助手の水谷奈央さんを紹介してもらい、すぐに制作法についての議論が始まりました。お二人の知識と高い技術力で、微小な3次曲面、開閉する蝶つがいなど、緻密で繊細な金属パーツを実現してもらっています。

ジェルネイルは、Nail Salon AVARICEの、手描きネイル世界チャンピオンにもなっているAKIRAさんと、NYで活躍するAMAさんによるもの。Instagramで見て「この人たちの技術は明らかにすごい」と感じ、お客として訪ねて、協力していただけるよう直談判しました。

一点ものアート作品としての性質が強いため、異常な技術の塊として1点1点妥協せずに完成させていきます。“NEWSPACE”の展示会を開きたいという構想もあるので、いつか実物を皆さんに見ていただきたいと思っています。

今後は、例えばアーティストやファッションブランドとコラボレーションするなど、装着する人物やブランドコンセプトからアートを考えて、一つ一つ作品をつくっていきたいです。ムービーやスチールの作品として、またイベントなどへの展開を考えているので、お声掛けいただけたらうれしいです。



肖像画からおにぎりまで“LOCKET NAILS”の世界観


“LOCKET NAILS”の作品をご覧ください。

“NEWSPACE”とかけて、爪の中に無限の宇宙がひろがるイメージ。自爪のようなナチュラルなピンクの扉を開けると、銀河がひろがっています
糸鋸で切り出す緻密な透かし彫りは、非常に高い彫金技術。このようなテクニックがあると聞いて、鳥かごのイメージでつくってもらいました。
左から、ヒスイインコ、アカコンゴウインコ、ハチドリ、キエリクロボタンインコ、キンカチョウ。家族写真をおさめた、オーソドックスなロケットペンダントのイメージ。表の装飾は彫金で施されています。
スワロフスキーとパールビーズの米粒を開けると、おにぎりの具が現れます。左からゴマ、鮭、梅、昆布、イクラ。

トキメキに向かってひた走りたい

アートディレクターは、ほとんどの仕事でアウトプットに関わることができます。というか関わらなくちゃいけない。どんなに条件や制約のある広告案件でも、そんな背景を全く知らない人がパッと見たときにトキメクかどうか?を常に自問自答して。よくへこんでいます笑。でもADはいつでもトキメキに向かってひた走るのが仕事だと思っています。

入社前から興味があったパッケージデザイン、絵や漫画を描くことなどが、少しずつ仕事につながるようになってきました。仕事と個人的な創作の垣根がなくなるのが理想。共感されることと同じくらい、自分の感性を認めることは大事だと思っています。

数年前まで、インスタレーション作品を展示会に出品するなど、プライベートな創作活動をしていました。そのことがきっかけで“NEWSPACE”のプロジェクトに参加を勧めてもらい、改めて自分の関心を思い出すことに。11年間のアートディレクターとしてのスキルを持って、最高のチームで“LOCKET NAILS”を創作することができました。

コラボレーションに興味を持っていただける方がおられましたら、ぜひinfo@newspace.galleryまでご連絡ください。