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スマホ中学生とテレビ視聴~東京大学との共同調査から

2019/11/07

スマホ中学生とテレビ視聴~東京大学との共同調査から

突然ですが…
高校生以上のメディアトレンドを調査したものは結構多く見かけますが、「中学生」について調べたものって意外と少なくないですか?

電通メディアイノベーションラボでは、東京大学の橋元良明教授と共同で、若年層のメディア接触や情報行動について研究を続けています(参考:ウェブ電通報記事「0歳児からスマホ」の時代)。今回は、この産学協同で、これまであまりスポットライトの当たることのなかった「中学生」についてご紹介します。

私たちは2019年7月、スマホを利用している中学生(以下、「スマホ中学生」)のオフタイムについて知る目的で、平日の帰宅後にフォーカスした調査(以下、本調査)を行いました。ちなみに、電通のデータベース「d-campX(2019)」によると、中学生の7割は既にスマホを保有しています。彼らの数値を比較する対象として、10歳上の先輩世代(23~25歳の社会人。以下、社会人)へも同じ質問を行っています。

今回は、彼らのメディア接触、特にテレビとの関わりを中心に、注目すべきファインディングスをご紹介したいと思います。なお、本調査は平日の2日間、17時台~25時台の帰宅以降の自宅内行動について調査しています(塾などへ再外出した場合、最終の帰宅以降)。


スマホ利用時間がテレビを上回る!

初めに、スマホ中学生が「スマホで多く行っていること」についてです。帰宅後、最も行っている行動は「LINEを利用する」(89.4%)で、これに次いで高かった項目は「YouTubeを見る」(84.6%)、「ゲームをする」(62.9%)という結果でした。

では、【図1】をご覧ください。こちらは、四つのメディア行動時間(①テレビ視聴、②スマホSNS利用、③スマホ動画利用、④スマホその他利用)について、それぞれ17時台から25時台までの総分数を計算し、合計を100%とした場合の各行動のシェアを示しています。

テレビに費やす時間割合は、大ざっぱにいえば総計のおよそ4割なのに対し、スマホ関連に費やす時間割合は6割です。スマホ中学生は、平日のオフタイムに、テレビよりもスマホに多く時間を割いている実態が分かりました。(*)

社会人と比較してみると、社会人はSNSの割合が中学生より高く、中学生の方は動画の割合が社会人より多いという結果となっています。社会に出てからは忙しくなり、平日は動画をゆっくり見る時間が比較的取りづらい一方、人とのコミュニケーションニーズは高まるためSNSが多く利用されているということも考えられます。

*テレビとスマホの併用や、スマホ内での同時行動もあるかもしれませんが、重複時間処理は行っていません。

 

夕食時間帯を中心に、今も高いテレビの存在感

スマホの時間がテレビより長くなった中学生。しかし、共同研究をご協力いただいている東大の橋元教授によると、夕食時間帯を中心にテレビの存在感もまだまだ大きいようです。橋元先生によるコメントから引用させていただくと、以下の通りです。

【図2】は、17時台から25時台まで、中学生全体の時間帯ごとのテレビ、スマホ行動シェアの推移を見たものです。これによると、特に19時台から20時台では、テレビのシェアが50%を超え、スマホの利用行動時間を上回っています(ただし、ながら行動の調整は行っていません)。中学生において、テレビ離れが進んでいるとはいえ、19時から21時にかけては、テレビが情報行動の中心になっていることが分かります。このことは続く【図3】の時間帯別接触率推移からも裏付けられます。

さて、本調査での別の質問項目になりますが、「好きなテレビ番組は、ほぼ毎回テレビの前でリアルタイムに見る方だ」という項目に対し「当てはまる」と回答した中学生は44.9%でした。これは社会人のスコア(35.3%)より約10ポイント高い結果でした。

それでは、中学生はどんな番組を見ているのか?ですが、最もよく見る番組ジャンルを一つだけ選ぶ質問では、「お笑いバラエティー」が1位(29.7%)でした。2位は「ドラマ」(20.8%)、3位は「アニメ」(17.8%)となっています。

コンテンツ嗜好関連のその他の結果としては、中学生はオチや結末がすぐに訪れるコンテンツ(研究チームでは「ネタ系」と通称)をよく好み、社会人はストーリーをじっくり追ってゆくタイプのコンテンツ(同「ストーリー系」)をよく好むといった傾向も見られます。


SNS利用とテレビの関係

【図4】をご覧ください。これは、「テレビ番組について、それを見ながら友人や知人とネット上で会話する」という項目で「よくする」「たまにする」と答えた人の割合です。10歳上の社会人世代よりも、テレビの話題をネットで会話するという中学生の割合は高くなっています。

また、個々のサンプルのテレビ視聴時間値とSNS利用時間値をぶつけた相関分析では、正の相関が検出されました。(危険率1%未満の有意水準で有意)すなわち、SNSを長く利用している人ほど、テレビを長く視聴しているのです。

これらのデータからは、SNSとテレビの親和性や、SNS行動がテレビ視聴を活性化させている可能性が示唆され、興味深く思います。オフタイムに、テレビを見ながらSNSで「これ、ヤバっ!♡」、「そんなのアリエネーだろ!(笑)」といった楽しいやりとりをすることが、中学生たちのテレビ視聴へのエネルギーとなっているのではないでしょうか。


<調査概要>
調査時期:2019年7月16日(火)~19日(金)
調査方法:インターネット調査(スマートフォン経由)
対象者: 中学生と社会人 計 1501名
調査依頼:中学生については親を経 由してリクルーティングを行った。