直感と論理をつなぐ事業創造とは?No.1
長友佑都の盟友が明かすビジネス術 #01
2020/07/30
ベンチャー、スタートアップ、さらには企業内起業、という言葉が使われ始めて久しい。「働き方改革」の潮流の中、大手企業も、いや、大手企業ほど、人事制度や評価制度の抜本的な見直しが迫られている。しかしながらその実態は、まだまだ手探りが続いていることも事実。この連載では、長友佑都氏と「二人三脚」で株式会社クオーレを運営する津村洋太氏に、その本質について、3回の連載で大いに語っていただきます。
協力:白石幸平(電通CDC)
プロデューサーとは、黒子であり、参謀である
高校の同級生である長友佑都とつくったクオーレという会社は、4年前に立ち上げました。ヘルスケアを核に、“運動”と“食事”を科学的に解析し実用化していこうという会社です。
前者の“運動”は「長友佑都=体幹」というイメージの通り、彼が実際にトレーニングで使っていた器具「Flowin」やトレーニング方法などを、アスリートでない一般の方にも取り入れてもらおうという試みです。後者の“食事”は、長友の専属シェフが、3年間という歳月をかけてグラム単位で確立した、主に「血糖値の管理方法」を、これまたアスリートでない方々に広めていこう、というものです。特に後者は、従来の「炭水化物に頼った方法」とは真逆のもので、書籍やウェブなどを通じて、世の中への理解浸透を目指しています。
FLOWINのサイトは、こちら。
ファットアダプト食事法の献立レシピサイトは、こちら。
ビジネスの核は、やはり長友自身の「体験」にあります。その「体験」をプロダクトやサービスにいかに翻訳できるか。それが、プロデューサーの手腕だと僕は考えています。一言で言えば、「型へのチャレンジ」ということです。長友個人の体験を、まず「型」に起こす。ビジネス用語でいうところの「フレーム」に落とし込む。次に、その「型」をどうすれば破れるか、と考える。
柔らかい発想とか、研ぎ澄まされた感覚とか、溢れ出る熱量といった、一流アスリートならではのエネルギーは、ある意味、理屈を超えたところにある。その域に迫れてこそ、本当の意味のプロデュースができる。僕は、そう考えています。
「長友佑都=超人」では、決してない
長友佑都、という人間のことを、皆さんはどのようにイメージされているでしょうか?溢れ出る熱量とか、チャレンジャー精神といったものをイメージされる方が多いのではないでしょうか?確かに、そうした側面はあります。でも、パートナーとして一番感じるのは、長友がどうやって数々の挫折や苦難を乗り越えてきたのか、という点です。
長友の言葉に「常に、最高の自分をイメージしている」というものがあります。最高の自分へのイメージを因数分解すると、「好奇心×探究心」ということになると僕は思うのですが、好奇心はだれでも持っているもの。いわゆる「自分探し」的なことは誰でも無意識にやっていることだと思うんです。でも、長友の場合、好奇心もさることながら「探究心」が半端ない。
例えば、食事法を究めるとなれば、素材から調理法まで、すべてのメニューをチェックする。投資ビジネスにおいてもそれは同じで、あらゆるデータを入手して分析する。もちろん、直感も大事なのですが、直感が正しいものである、という理由をとことん問い詰める。それが長友流の「探求心」であり、私の役割です。
そのあたりの詳しい内容を、次回からご紹介したいと思います。
長友佑都氏のオフィシャルサイトは、こちら。