スポーツチームと企業の新しい関係、「イノベーションパートナー」No.1
「千葉ジェッツふなばし」が目指す、企業との新たな関係性「イノベーションパートナー」
2020/08/25
男子プロバスケットボールBリーグ「千葉ジェッツふなばし」(以下、千葉ジェッツ)は、スポーツチームと企業の新しい関係づくりを目指し「イノベーションパートナー」の制度を開始しました。同制度について解説する前に、基礎知識として現在の日本バスケットボールや「Bリーグ」の状況を電通 スポーツ事業局の宮崎舞花がお伝えします。
昭和の野球、平成のサッカー、そして令和のバスケ
2016年に開幕し、いよいよ5年目に突入するBリーグ。国内初のLEDコートと地上波生中継でインパクトを残した開幕戦以降、入場者数は毎年右肩上がり。オールスター、ファイナルなどのチケットは毎回即完売。更に、男子日本代表は44年ぶりのオリンピック出場権を獲得、そして21年ぶりにワールドカップへ自力出場を果たしました。八村塁選手のNBAドラフト1巡目指名の快挙も話題になり、日本バスケットボール界は、とんでもない時代に突入しています。
日本での競技人口は60万人を超えており、もともと高いポテンシャルを秘めていたスポーツでした。ここまで短期間で成長を遂げたのは、新リーグ発足がきっかけであることはビジネス面から見ても一目瞭然だと感じています。
さらに、JBA(日本バスケットボール協会)とBリーグは「バスケで日本を元気に!」をモットーに、代表とプロリーグの事業戦略を一括で実施。バスケ界とスポンサーが一緒に価値を生み出す形のスポーツ協賛に取り組んでいます。また、今年は両団体がALL BASKETBALLを目標に、5人制のみならず3x3や車いすバスケなど、さらなる協業を目指しています。日本バスケ界はいまだかつてない成長を遂げているのです。
今後も、最先端の通信環境を備えたスマートアリーナの整備が全国で進み、2023年に沖縄ではワールドカップが開催されます。いっそう「見るスポーツ」としての価値が上がり、新たなビジネスチャンスも劇的に増えることが期待されています。昭和の野球、平成のサッカー、と時代を象徴するスポーツが盛り上がりを見せてきましたが、「令和のバスケ」として、スポーツ面、そしてビジネス面共に革命を起こしていくのではないでしょうか。
「千葉ジェッツふなばし」の新たな取り組み「イノベーションパートナー」とは?
ここからは、電通 第2統合ソリューション局の筧将英が新しいパートナーシップ「イノベーションパートナー」について解説します。
私は常日頃、企業のマーケティング課題と向き合っています。その中で「スポーツチームと何かできないか」、というアイデアは出るのですが、実現することは多くありません。現状、スポーツチームと企業のスポンサーシップの関係性は、スタジアムやユニホームに会社名のロゴが入り、社名を露出するものが大半です。
もちろん、その露出の力やスポーツを応援していることのブランド価値は小さくありません。しかし、スポーツと企業がもっと近づくことで、何かできることがあるのではないか、企業の課題解決の視点でも、より良い未来をつくれるのではないか、と考えてきました。
そんな課題感を持つ中、千葉ジェッツふなばしの田村征也社長との長期にわたる話し合いを経て誕生したのが、企業とスポーツチームの新しいパートナーシップ「イノベーションパートナー」です。
スポンサーという関係ではなく、共にビジネスをしていく「パートナー」を目指していくべきと考え、メニューの名前は「イノベーションパートナー」としました。チームと企業の関係性を変えていき、その結果、スポーツビジネスのあり方も変わっていく取り組みを実現したいと思っています。
「イノベーションパートナー」では、
- ファンの方へアプリのDL促進などの「アクティベーション施策」
- センシング技術を活用した新しいエンターテインメント検討のための「POC」(概念実証)
- 選手のバイタルデータを活用した健康食品などの「R&D」(研究開発)
などが実施できます。
さらに、チームと共同でのビジネス開発なども想定しています。
活用できる千葉ジェッツのアセットは、選手・ファン・試合会場・ウェブサイトなど。選手のプレーの妨げにならないものであれば基本的に可能です。
10月開幕に向けて、どのようなプロジェクトを実施していくかについては、私を含めた電通内のプランナーチームが、企画設計をサポートします。
コロナ禍において、スポーツチームも企業も苦難の時が続きますが、これからの未来をつくるための一手として、新しい取り組みをご一緒できるパートナー企業を募集しています。興味のある方は、ぜひお問い合わせください。