100案思考 「書けない」「思いつかない」「通らない」がなくなるNo.3
「ジャスト・アイデアなんですけど」禁止令
2021/05/28
こんにちは、コピーライターの橋口幸生です。
「100案思考」という本を発売しました。コピーライターの思考法を、すべてのビジネスパーソン向けに解説したものです。

橋口幸生:著、マガジンハウス刊、256ページ、1650円(税込)ISBN:9784838731497
アイデアは質より量。才能なんてあっても、なくても、100案出せば良いアイデアのひとつやふたつは、その中に必ず入っている、というわけです。
特別な道具や準備も必要なし。なんでもいいので「書くもの」さえあれば、いつでも、誰でも、できます。
しかし、実際にやってみると、ほとんどの人が2〜3案で手が止まると思います。才能も道具も不要な100案思考ですが、アイデアの出を良くするちょっとしたスキルは必要です。
そこで今回は、「100案出すための思考法」について、少し紹介します。
<目次>
▼「ジャスト・アイデアなんですけど」と言ってはいけない理由
▼パワポを閉じて、要らない紙に書き込もう
▼どんなアイデアも、尊いアイデアである
「ジャスト・アイデアなんですけど」と言ってはいけない理由
アイデア会議で自分の案を見せる前に、
「ジャスト・アイデアなんですけど」
「全然つまんないんですけど(笑)」
といった前置きをする人がいます。照れ隠しであり、アイデアがスベッたときの保険ですね。そう言いたくなる気持ちは、よく分かります。
しかし、あなたがアイデアパーソンを目指すのであれば、これは決してやってはいけません。なぜなら、無意識のうちに「良いアイデア」を出そうとしてしまい、発想が狭くなってしまうからです。
「ジャスト・アイデアなんですけど」という言葉の裏には、「本来なら“良いアイデア”を出さなくてはいけないんですけど」というニュアンスが含まれています。会議でこんなことを言えば、他の参加者にも「良いアイデアを出さなくちゃ」という圧をかけてしまうのです。
ちなみに英語としても間違っています。百害あって一理なしとはこのことです。
上にも書いたように、100案思考は、質より量というスタンスでアイデアを出す方法です。「良いアイデア」を100案出すことなど不可能ですし、その必要もありません。たくさん出した中に、たったひとつでも良いものがあれば大成功なのです。
余計な前置きはせず、堂々と、アイデアを出すようにしましょう。
パワポを閉じて、要らない紙に書き込もう
あなたはアイデアを出すとき、どんな道具を使っていますか?まさか、パワーポイントを使っていないですよね?
もし使っているなら、はい、ここでパワーポイントをストップしてください。
アイデア出しの段階では、決してパワーポイントを使ってはいけません。パワーポイントは、「プレゼンや会議に向けて、書類の体裁を整えるためのツール」です。アイデアを量産するようにはつくられていません。
起動して、テキストボックスを挿入して、フォントや級数を整えて……などというスピード感では、100案を出すことは決してできないのです。
アイデア出しに使う道具は、紙とペンや、Wordなど、「書く」ことに特化したシンプルなものがいいでしょう。僕がよくやるのは、使用済み書類の裏や余白に、どんどん書き込んでいく方法です。
キレイで真っ白な紙を埋めるのは、意外とストレスになるものです。適当な紙に書き込むほうが、ずっと気楽だと思いませんか。「アイデアを出すこと」へのハードルを下げることが何より重要です。だから僕は、高級でオシャレな文房具も、あまり使いません。
書籍「100案思考」では、この他にも
- 「自分インタビュー」
- 「視点を変えろ」
- 「ながらアイデア出し」
- 「類語辞典を使おう」
など、全部で19のアイデアスキルを紹介しています。興味のある方は、読んでもらえるとうれしいです。
どんなアイデアも、尊いアイデアである
現場で仕事をしていて思うのは、渾身の1案を持ってくる後輩より、どんなものでも100案を出す後輩のほうが、はるかに戦力になるということです。
なぜなら、たとえ100案すべてダメでも「この方向性は無いな」という確認ができるし、そこから別の良いアイデアがひらめくこともあるからです。
だから、会議では「ジャスト・アイデアなんですけど……(笑)」なんて卑屈な前置きはせず、堂々とアイデアを出しましょう。
「アイデアを出す」という行為そのものが尊いのですから。
この記事は全4回連載のうち、第3回です。シリーズ構成は下記を予定しています。
第1回:才能、道具、センス不要!コピーライターの発想法「100案思考」
第2回:どんなに多忙でも絶対に実践できるインプット術、教えます。
第3回:「ジャスト・アイデアなんですけど」禁止令 ※今回です
第4回:「アイデア選び」:好き嫌いや多数決は禁止
次は、いよいよ最終回!
「質より量」で出した100案の中から、良い1案を選び抜くための方法を説明します。