100案思考 「書けない」「思いつかない」「通らない」がなくなるNo.2
どんなに多忙でも絶対に実践できるインプット術、教えます。
2021/04/27
こんにちは、コピーライターの橋口幸生です。
「100案思考」という本を発売しました。コピーライターの思考法を、すべてのビジネスパーソン向けに解説したものです。
<目次>
▼アイデアを出すだけでは、アイデアは出ない。
▼「観察」すれば、目にする全てがインプットになる。
▼次回予告!
「100案思考」
では、「アイデアは質より量」だという態度でアイデアを発想します。いいアイデアを出そう、という考えを捨てる。つまらないアイデアも出せない人に、いいアイデアが出せるわけがない。才能なんてあっても無くても、100案出せば、いい案のひとつやふたつは必ず含まれている。
肩の力を抜いて発想を広げよう、というわけです。(詳しくは連載第1回をご覧ください)
アイデアを出すだけでは、アイデアは出ない。
しかし、やってみると、つまらないアイデアであってもたくさん出すのは意外と大変です。慣れないうちは10案もいかないのではないでしょうか。
安心してください。これはあなたの能力とは関係ありません。
アイデア出しには手順があります。その通りにやれば、誰でも数を出せるようになるのです。
その手順とは
(1)インプットする
(2)アイデアを出す
(3)アイデアを選ぶ
というものです。
ほとんどの人は、
「(1)インプットする」
をすっ飛ばして、いきなり
「(2)アイデアを出す」
にいこうとします。
だから、悶々とするだけで何も思いつかない、という状態になってしまうのです。
なぜアイデア出しにインプットが必要なのか?その理由を説明する前に、まず「アイデアとは何か」を考えてみましょう。
アイデアを、「クリエイターやアーティストがパッとひらめいた、斬新な思いつき」のような意味でとらえている人が多いと思います。とんでもない誤解です。アイデアはひらめくものではありません。斬新さも、一切必要ありません。
アイデアとは
既存の要素の組み合わせや、その一部を変えたもの
なのです。
ためしに、身近にある、いいアイデアを分析してみてください。
- iPhone=携帯電話+インターネット
- ルンバ=掃除機+宇宙探査ロボ
- スター・ウォーズ=SF+神話
このように、革新的なアイデアであっても、新しい要素は一切ありません。既存の要素の組み合わせでしかないことが分かります。
「既存の要素」をインプットしないと、アイデアが出てこないのは当たり前なのです。
コピーライターも、いきなりコピーを書いたりしません。まず担当する商品や、それを使う人々のことなど、周辺情報をひたすらインプットします。
僕自身は、8割の時間をインプットに使い、残りの2割でコピーを書く、という配分でやっています。十分なインプットをすれば、アイデアが全く出てこないという状態には決してなりません。
ここでは、「100案思考」で紹介している6個のインプット術の中から、もっとも手軽で、もっとも効果的なひとつを解説します。
「観察」すれば、目にする全てがインプットになる。
「忙しい中、インプットはどうやっているんですか?」
講演などで、本当によく聞かれる質問です。多くの人が時間に追われ、インプットがままならないことに焦っています。
でも、安心してください。どんなに激務で多忙でも、インプットは可能です。なぜなら、
あなたが目にするものの全てがインプット
だからです。
仕事ができる人ほど、インプット=読書ととらえていると思います。書店にいけば多読のノウハウ本が山積みされています。ビジネス書の要約サービスも人気です。
もちろん、本は読んだほうがいいのは、言うまでもありません。しかし、それだけがインプットではないのです。
会議前の雑談、友人から来たメール、駅で見かけた看板など。アイデアのタネはあらゆるところに落ちています。
小さなことであっても、それはあなた自身が見て、聞いて、感じたことです。会ったこともない他人が書いたビジネス書より、ずっとアイデアにつながりやすいのです。
筆者も、友人のFacebookの投稿や、子どもに読み聞かせた絵本をヒントに、コピーを書いたことがあります。具体例は書籍内で紹介しているので、ぜひ読んでみてください。
目にする全てをインプットに変えるには、身の回りをただ眺めるのではなく、「観察する」ことを心掛けてください。すると、いつもの風景にも、たくさんの発見があることに気づきます。
ここで言う観察とは何か。それは
課題意識を持って、世の中を見る
ことです。
僕の場合、自分に子どもができた瞬間から、街中にベビーカーや親子用自転車があふれていることに気づいた経験があります。駅にある段差や、交通量が多いのに横断歩道がない道路なども、気になるようになりました。
逆に言えば、それまでの僕には、「ある」はずのものが見えていなかったのです。
これからはどんな時でも、「自分が今取り組んでいる仕事や課題」のことを意識してみてください。
いつもの通勤路も。
退屈な会議も。
友達のツイートも。
スーパーでの買い出しも。
「観察」の習慣が付けば、全てをインプットに変えることができるのです。
次回予告!
この記事は全4回連載のうち、第2回です。シリーズ構成は下記を予定しています(スイマセン、前回から変更しています)。
第1回:「100案思考」とは何か?
第2回:どんなに多忙でも絶対に実践できるインプット術、教えます。 ※今回です
第3回:「アイデア出し」:ダメなアイデア大歓迎!質より量でいこう
第4回:「アイデア選び」:好き嫌いや多数決は禁止
第5回:「アイデア選び」:好き嫌いや多数決は禁止
次回はいよいよ「100案思考」の本丸である「アイデア出し」です!
ご期待ください。