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100案思考 「書けない」「思いつかない」「通らない」がなくなるNo.2

どんなに多忙でも絶対に実践できるインプット術、教えます。

2021/04/27

こんにちは、コピーライターの橋口幸生です。

「100案思考」という本を発売しました。コピーライターの思考法を、すべてのビジネスパーソン向けに解説したものです。

100案思考
「100案思考 『書けない』『思いつかない』『通らない』がなくなる」
橋口幸生:著、マガジンハウス刊、256ページ、1650円(税込)ISBN:9784838731497
<目次>
アイデアを出すだけでは、アイデアは出ない。
「観察」すれば、目にする全てがインプットになる。
次回予告!  

「100案思考」 では、「アイデアは質より量」だという態度でアイデアを発想します。

いいアイデアを出そう、という考えを捨てる。つまらないアイデアも出せない人に、いいアイデアが出せるわけがない。才能なんてあっても無くても、100案出せば、いい案のひとつやふたつは必ず含まれている。

肩の力を抜いて発想を広げよう、というわけです。(詳しくは連載第1回をご覧ください)

アイデアを出すだけでは、アイデアは出ない。

しかし、やってみると、つまらないアイデアであってもたくさん出すのは意外と大変です。慣れないうちは10案もいかないのではないでしょうか。

安心してください。これはあなたの能力とは関係ありません。

アイデア出しには手順があります。その通りにやれば、誰でも数を出せるようになるのです。

その手順とは

(1)インプットする
(2)アイデアを出す
(3)アイデアを選ぶ

というものです。

ほとんどの人は、

「(1)インプットする」

をすっ飛ばして、いきなり

「(2)アイデアを出す」

にいこうとします。

だから、悶々とするだけで何も思いつかない、という状態になってしまうのです。

なぜアイデア出しにインプットが必要なのか?その理由を説明する前に、まず「アイデアとは何か」を考えてみましょう。

アイデアを、「クリエイターやアーティストがパッとひらめいた、斬新な思いつき」のような意味でとらえている人が多いと思います。とんでもない誤解です。アイデアはひらめくものではありません。斬新さも、一切必要ありません。

アイデアとは

既存の要素の組み合わせや、その一部を変えたもの

なのです。

ためしに、身近にある、いいアイデアを分析してみてください。

  • iPhone=携帯電話+インターネット
  • ルンバ=掃除機+宇宙探査ロボ
  • スター・ウォーズ=SF+神話

このように、革新的なアイデアであっても、新しい要素は一切ありません。既存の要素の組み合わせでしかないことが分かります。

「既存の要素」をインプットしないと、アイデアが出てこないのは当たり前なのです。

コピーライターも、いきなりコピーを書いたりしません。まず担当する商品や、それを使う人々のことなど、周辺情報をひたすらインプットします。

僕自身は、8割の時間をインプットに使い、残りの2割でコピーを書く、という配分でやっています。十分なインプットをすれば、アイデアが全く出てこないという状態には決してなりません。

ここでは、「100案思考」で紹介している6個のインプット術の中から、もっとも手軽で、もっとも効果的なひとつを解説します。

「観察」すれば、目にする全てがインプットになる。

「忙しい中、インプットはどうやっているんですか?」

講演などで、本当によく聞かれる質問です。多くの人が時間に追われ、インプットがままならないことに焦っています。

でも、安心してください。どんなに激務で多忙でも、インプットは可能です。なぜなら、

あなたが目にするものの全てがインプット

だからです。

仕事ができる人ほど、インプット=読書ととらえていると思います。書店にいけば多読のノウハウ本が山積みされています。ビジネス書の要約サービスも人気です。

もちろん、本は読んだほうがいいのは、言うまでもありません。しかし、それだけがインプットではないのです。

会議前の雑談、友人から来たメール、駅で見かけた看板など。アイデアのタネはあらゆるところに落ちています。

小さなことであっても、それはあなた自身が見て、聞いて、感じたことです。会ったこともない他人が書いたビジネス書より、ずっとアイデアにつながりやすいのです。

筆者も、友人のFacebookの投稿や、子どもに読み聞かせた絵本をヒントに、コピーを書いたことがあります。具体例は書籍内で紹介しているので、ぜひ読んでみてください。

目にする全てをインプットに変えるには、身の回りをただ眺めるのではなく、「観察する」ことを心掛けてください。すると、いつもの風景にも、たくさんの発見があることに気づきます。

ここで言う観察とは何か。それは

課題意識を持って、世の中を見る

ことです。

僕の場合、自分に子どもができた瞬間から、街中にベビーカーや親子用自転車があふれていることに気づいた経験があります。駅にある段差や、交通量が多いのに横断歩道がない道路なども、気になるようになりました。

逆に言えば、それまでの僕には、「ある」はずのものが見えていなかったのです。

これからはどんな時でも、「自分が今取り組んでいる仕事や課題」のことを意識してみてください。

いつもの通勤路も。
退屈な会議も。
友達のツイートも。
スーパーでの買い出しも。

「観察」の習慣が付けば、全てをインプットに変えることができるのです。

次回予告!

この記事は全4回連載のうち、第2回です。シリーズ構成は下記を予定しています(スイマセン、前回から変更しています)。

第1回:「100案思考」とは何か? 
第2回:どんなに多忙でも絶対に実践できるインプット術、教えます。 ※今回です
第3回:「アイデア出し」:ダメなアイデア大歓迎!質より量でいこう
第4回:「アイデア選び」:好き嫌いや多数決は禁止
第5回:「アイデア選び」:好き嫌いや多数決は禁止

 

次回はいよいよ「100案思考」の本丸である「アイデア出し」です!

ご期待ください。