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「食」をめぐるコミュニケーション

2014/06/19

「食」をめぐるコミュニケーション

食べ物をつくる時、買う時、語る時、そして食べる時。
食をめぐる場面には、さまざまな体験や情報、思いが満ちています。
「消費者コミュニケーション」と「食」の大いなる可能性の一端を探ってみます。

「買う側」「売る側」の新潮流を読み解く

「食」 に対する消費者の意識・購買行動は、そのときどきの社会・経済環境の影響も受けて、さまざまな様相を見せる。と同時に、流通業界でも、消費者の変化に対応 したモノを売る仕組みやビジネスの在り方が問われている。消費者動向に詳しい電通総研の大屋洋子氏と、流通現場に精通する電通プロモーション事業局の金井 毅氏に、「食」の最新動向と今後のコミュニケーション戦略について聞いた。

≪消費者マインド≫

「食」は「モテ」のキラーコンテンツ?

 食とコミュニケーションのおいしい関係

「食」に対する消費者の意識・購買行動は、そのときどきの社会・経済環境の影響も受けて、さまざまな様相を見せる。電通総研で長年、日本人の食生活の消費者インサイトを調査・分析してきた大屋洋子氏が、最近の傾向から見えてくる食の「今」を、事例を交えながら解説する。

大屋 洋子(おおや・ようこ)
電通 マーケティング・デザイン・センター 電通総研 消費者研究部部長/電通総研 研究主幹「食生活ラボ」主宰
 
1992 年電通入社。マーケティング・プランニング部門で、食品、飲料、製薬を中心とした企業のコミュニケーション戦略立案などを担当。2004年から消費者研究 センター、08年から電通総研で、ウェルネス、食育プロジェクトのリーダーとして従事。11年から「食生活ラボ」を設立・主宰。著書に『いま20代女性は なぜ40代男性に惹かれるのか』(講談社)。
大屋 洋子(おおや・ようこ)氏

 

食生活ラボ

「食」がコミュニケーションツールそのものになる時代

電通総研「食生活ラボ」では、「食」に関する調査分析などを通して、生活者インサイトの深掘り、そこから派生するビジネス開発、未来予測を行っています。

「食生活ラボ」と名乗っていますが、実は「食」の研究プロジェクトではなく、主たる研究対象はあくまでも「生活者」です。もちろん、今の人たちの食意識や実態、価値観、トレンドなどについての独自調査も実施しますが、それはあくまでも生活者を知るための手段。その事実やデータ、兆しをどう読むかということが肝要だと思っていますし、それをどうビジネスに発展させていくか、またそれによって私たちの食生活がより豊かで幸せになれるか、ということも大切に考えています。

生活者×食という視点で見たとき、ここ数年の特徴的な傾向の一つとして、「コミュニケーションのネタ」になるかどうかが食の選択基準として重要になっている、ということが挙げられます。

例えば、“ニューヨークの朝食の女王”といわれるパンケーキ店に長蛇の列ができるのも、パンケーキというハズレのないメニューとしての安心感に加えて、単にパンケーキが好きだからというよりは、SNSで評判のものを食べてそれを話題のネタにしたい、インパクトのある画像の食事をアップして反応を得たい、といった意識によるところが大きいでしょう。これは、特に若年層で顕著な傾向です。

1年間で1億2000万個も売り上げたというチョコの菓子のパッケージも、キャッチコピーがツッコミどころ満載。思わずツイッターなどでつぶやきたくなります。また1個30円という安価も手伝って、学生の間ではノートを借りたお礼として渡すなど、実際の“コミュニケーションツール”にもなっていたという話も聞きます。あからさまに金銭的なお礼をするよりも、相手の負担にならない気軽さと、今どきの人と人との距離感にフィットするコミュニケーションツールとして絶妙なバランスなのでしょうね。

もう一つ最近の傾向を挙げるとすると、「食」が「気持ちをアゲる」ためのツールとして、そのウエートが高くなっていることでしょう。飛び切りのぜいたくではなく、例えば、今日はいつもの食パンより高いものを買ってちょっとしたぜいたく感を味わいたいといった、「ケ」のなかの「小ハレ」を求めるような感じ。「金の○○」「大人の○○」といったプチプレミアムな商品が売れているのも、この感覚によるところが大きいと思います。これは、東日本大震災以降、生活者意識の中でより高まっている「メリハリ志向」、そして「日常のささやかな幸せを大事にしたい」という考え方ともつながります。

「食」へのこだわりと「モテ」は相関する?

最近のヒット商品を見ていると、「インスタント袋麺なのに生麺の食感」「缶詰なのに本格的なタイカレー」「コンビニで100円なのにひきたてのドリップコーヒー」という具合に、「○○なのに、□□」と表現できるものが目立ちます。商品カテゴリーとしては前からあったものだけれど、ちょっとした付加価値が“うれしい誤算”になって、気持ちもアガる。そういう、身近だけど話題にしやすいものはコミュニケーションネタとしても最適です。

「食」は、ある意味で万人共通の鉄板ネタ。しかも、日常で手軽に幸せを感じることができるツールなのですから、食は人との距離を近づけたり、SNSでも多くの人に「いいね!」と言われるような、“モテコンテンツ”であるともいえそうです。実際、「食生活ラボ調査」によると、食にこだわりがある人ほどモテ自覚が高い、という傾向があるんですよ。

「食へのこだわり」×「モテ自覚」
出典:「食生活ラボ調査」2013
(全国15~79歳男女個人1200ss対象/2013年9月実施)

余談ですが、先日、料理専門誌の編集長だった方とお話ししていたところ、シェフは恋愛にも積極的な方が多いのだとか。もちろん全ての方がそうだというわけではありませんし、あくまでも肌感覚でのお話しだと思いますが、「英雄色を好む」ならぬ「料理人色を好む」といった傾向は、私もなんとなく分かる気がします。

今年、電通の大規模データベースd-campから生活者の食意識・食行動を基にクラスター分析をしたところ、先ほどお話しした“モテ層”ともいえそうな、食べ歩きが好きで食へのこだわりが強い「食ハンター」は全体の1.4%、一方で、ネットとゴロ寝が好きで食事は気分に合わせてサクッと済ませる「食の気分屋」は約14%と10倍もの出現率でした。その属性を見てみると、前者は40代の男性が、後者は20~30代男性が比較的多い、という傾向もあります。

また、30代の女性を中心に多く見られる「食で自分磨き」は、トレンドに敏感で食生活でも美容や健康への気遣い度が高い人たちですが、この人たちも対人コミュニケーション力が高く、知人友人との関係も充実している様子がうかがえます。

他にも「食の体育会系」「食のイエ充」など、計九つのクラスターがあるのですが、生き方や価値観が多様化し、必ずしも性・年代とライフステージがリンクするとは限らなくなってきている今、あらためてクラスターで生活者を見てみると新たな発見もあり、面白いですね。

「食生活ラボ」九つのクラスタ構成比
使用データ:d-camp
(実施期間:2012/10~2013/07)
分析対象 :10代~60代男女(4800ss)
資料

また最近は、「今どきの食」だけでなく「近い将来の食」への関心が高まっているようで、今年実施した「近未来マインド調査」から導かれた近未来へのヒントには、社内外から多くの問い合わせが寄せられています。


 
《流通現場の動向》

 

コンテンツと連動したMD開発が新たな可能性を切り開く

今、流通現場では、何が求められているのか。全国の流通現場を歩いている電通プロモーション事業局の金井毅氏は、モノ消費から、付加価値のあるコト消費を促すために、メディアのコンテンツ力が鍵を握るという。流通現場の「今」と、電通ならではのMD(マーチャンダイジング)開発の展開と方向性について語る。

金井 毅(かない・たけし)氏
電通 プロモーション事業局
シニア・プランニング・ディレクター
1983年 電通入社。主に営業部門で飲料関連ブランド構築や新製品開発、インキュベーション室で販売促進の新規プロジェクトを推進し2012年から現職。日本スー パーマーケット協会「次世代販促セミナー」講師、安曇野市観光振興ビジョン策定委員などを務める。福島県の農産物や宮城県の水産加工品の風評被害対策・販路開拓にも尽力。
金井 毅(かない・たけし)氏

ストーリーや付加価値が購買動機を左右する時代

消費税増税は、導入前は消費を冷え込ませる不安が流通業界にもありましたが、少なくとも「食」に関しては、あまり大きな影響を受けていないというのが実感です。むしろ力強い動きも出てきています。今、全国の流通現場を歩いていて肌で強く感じるのは、かつての低価格路線の勝負から、「いいものを適正価格で売りたい」という方向に小売店側がシフトチェンジしてきていることです。

流通業界では、購買意欲を持ちながらまだ何を買うかを決めていないお客さんを「ショッパー」と呼びますが、ショッパーが例えばラーメンなどの日常的な買い置き商品で「良いものなら多少高くても」という意識を持つようになると、それが具材に使う生鮮食品の購入にも波及して、野菜を買うときにも「今日はモヤシよりもチンゲン菜にしようかしら」と購買行動が変わる。その相乗効果が客単価を底上げすることを小売店側もよく分かっているわけです。

もう一つ注目すべき点は、店頭で、ショッパーや店側の視点に立った販促展開が求められるようになっていることです。例えば、調味料を単品でPRするのではなく、白菜や豚バラと一緒にメニュー提案としてショッパーに訴える。店側にとっては、他の関連商品や生鮮食品と一緒に売れるので、その方がありがたい。

いいものを適正価格で売るにしても、店頭でのメニュー提案にしても、購入意欲はあっても何を買うか決めかねているショッパーに、いかに納得してもらうかが重要になってきます。ショッパーが納得できる付加価値がどうしても必要になる。よく「モノ消費からコト消費へ」といわれますが、商品が消費者にもたらすストーリーや付加価値が購買動機を左右する時代になっているのです。

ショッパーだけでなく、インナーの背中もひと押し

コト消費を促すために、店頭の販促現場でメディアのコンテンツ力が大きな力を発揮することがあります。私がここ数年、力を注いで取り組んできたのも、メディアのコンテンツ力を流通の現場でどう有効活用するかということでした。

これまで手掛けた例では、NHK連続テレビ小説「てっぱん」のロゴや音楽を使って、店頭での食卓提案を展開したケースがあります。てっぱんはお好み焼き店を舞台にしたドラマです。スーパーでは1月から3月にお好み焼きなどの“粉もの”がよく売れます。正月が慌ただしかった主婦にとってはちょっとした手抜きにもなるし、子どもたちも自分たちでジュージュー焼ける“鉄板もの”は楽しい。

その需要期に合わせて、お好み焼き商品だけでなく、お好み焼きに使う関連食材や食用油、調味料、さらにはビールなども交えた、店頭での販促展開を提案しました。結果は、店側にもメーカーさんにも大好評でした。NHKとの事前交渉は入念にしましたが、やはり朝ドラは国民的なコンテンツですから、ショッパーに対する誘導効果は相当なものがありました。

同じNHK連続テレビ小説で、前回の「ごちそうさん」は、テーマが「食」そのものでしたから、これも格好のコンテンツになりました。今度は卸大手とも組んで、メーカー、小売、卸が一体となった販促キャンペーンを展開して成功を収めました。

実は、こうした販促提案はショッパーだけではなく、「インナー」といわれる、店頭で販売を担う店員さんの高い共感が得られます。最近多くなってきている店舗内での調理実演販売と同じように、インナーとショッパーのコミュニケーションを促す機会を生み出すからです。一方、経営側にとっては、インナーのコミュニケーション力向上は、人材育成の上で重要課題にもなっています。私たちの役割としても、ショッパーと共にインナーの背中をひと押しすることが大きなテーマだと考えています。

その意味でも、メディアのコンテンツ力を流通現場のMD(マーチャンダイズ)に有効活用することは、「フードソリューション」として今後ますます重要な意味を持ってくるでしょう。そのために、メディアでの「食」情報の丹念な露出分析も欠かせません。季節的な露出傾向を分析することで、店頭でショッパーに「そういえば、この間テレビで」と思い出させるような仕掛けを事前に仕込むこともできるからです。情報の流れ、つまり「情流」をつかむことが「商流」にも大きなインパクトをもたらすことになります。

今、私たちは、小売業のMDとコンテンツをマッチングさせるDCMD(Dentsu Contents based MerchanDising)という新MD開発を推進していますが、そこで鍵を握るのがやはり、ショッパーの付加価値への共感と、インナーの販促に向けたモチベーションアップです。この二つは、これからの流通業やメーカーの販売戦略では欠かすことのできない重要なポイントになるはずです。


発見! ユニークな「食」コミュニケーターたち

アップテーブル

オリジナルな食の世界をつくり出す総合力

オリジナルな食の世界をつくり出すことで企業の課題を解決する会社、アップテーブル。事業開始は2012年。世界に冠たる食材集積基地の築地に居を構えているのも象徴的だ。

依頼が来る企業は食品関連メーカーだけでなく、さまざまな業種に及ぶ。食商品のプロデュース、ブランド創出、販売チャネル開発、メディア露出コーディネート。企業の課題に応じて、取り組む領域は多岐にわたる。企業のキャンペーン用のオリジナル食品、一流パティシエを起用してのオリジナルギフト、一流シェフとのタイアップで開発したレシピや商品、画期的な新メニュー。つくり出してきた事例は枚挙にいとまがないが、一貫しているのは徹底的なオリジナリティーの追求。「他にないもの」「今までにないもの」の付加価値が高い評価を呼んでいる。

それを可能にしている大きな秘密は、同社が抱える膨大な食クリエーターネットワークだ。リストには、日本を代表する料理人やパティシエの名前がずらりと並ぶ。

「こうしたネットワークは私たちの宝。でも、実はそれだけじゃだめなんです」と語るのは同社取締役の小松徹氏。「クライアント企業の課題を解決するアウトプットを出すには、クリエーティブの力を介在させることが不可欠です」

そうして生まれたアイデアを、同社は工場や卸などのネットワークを活用して製品化する。「安心安全が重要な食の世界は、製品の製作管理ノウハウの下支えがあってこそ」と小松氏。

一流の料理人や工場、流通の各種ネットワークを総合力で“料理”するのが、アップテーブルの独自性だ。


うまいもんプロデューサー

生活者参加型の地方特産品開発支援サービス

うまいもんプロデューサー

電通とニフティが2013年10月から共同で展開している生活者参加型の地方特産品開発支援サービス「うまいもんプロデューサー」は、全国のインターネットユーザーがコメントやアンケートを通じて、商品開発から販売促進まで地方の中小事業者と一緒に「うまいもん」をつくり上げていくもの。地方銀行とも連携しながら、地方と全国、ネットとリアルを結び付ける新しいマーケティングサービスだ。

現在開発中のプロジェクトは25件。ネットユーザー会員は1万5000人超、提携銀行は8行に及んでいる。完成商品第1弾としては、今年2月に「きりたんぽ鍋風餃子」(秋田・餃子計画)が販売を開始。4月には、ブナの天然酵母を使った地ビール「ブナの森」(秋田・わらび座)がパッケージデザインを改良してリニューアル発売されるなど着実に実績を挙げている。

「うまいもんプロデューサー」事務局の永松繁隆氏(電通プラットフォームビジネス局)は「食の6次産業化が求められる中、地方に何かをしてあげるのではなく、自立する力を付けてほしいと考え取り組んでいる。電通が持つ地域ネットワーク力やマーケティングソリューションを生かしたい」とサービス拡大に意欲を示している。
うまいもんプロデューサー umaimon-p.nifty.com/


たべあるキング

情報発信力を持つ食べ歩きの達人たちで結成されたオールスターチーム

たべあるキング

今や最も波及力の強いメディアの一つとなっているソーシャルメディア。「たべあるキング」は、こうしたSNS社会における新しい形の食コミュニケーションツールとして、フードキュレーター協会が電通総研「食生活ラボ」の協力で開発した。それは、ブログやSNSを中心に、マスメディアでも活躍する日本トップクラスの「食のインフルエンサー」たちが、チームとして集結した強力集団。「食を通じて日本を元気に!」という彼ら共通の熱い理念の下、企業とのタイアップやメディア出演などの多岐にわたる活動をチームとして展開する。企業からの情報はこのチームによって生活者目線の情報に転換され、SNSを中心にユーザーを巻き込んでの展開へと発展していく。

たべあるキングのメンバーには、スイーツ男子ブームの火付け役でもあるスイーツキングのスイーツ番長(写真①)、ラーメン王ことラーメンキングの石神秀幸氏(同②)、月間200万アクセスのブログでもおなじみのフォーリンデブはっしー(写真③)ら、各ジャンルの有力インフルエンサー27人が名を連ねる。食べ歩きの達人たちの情報発信で今後どんなムーブメントが生まれていくのか、注目だ。


クックーとスプーン

やさしくおちゃめに「食」の魅力を伝えます

クックー
スプーン

クックーはコック帽から生まれた不思議ないきもの。スプーンはおいしいもの大好きな食いしん坊の女の子。二人は友達で、一緒に暮らしている。彼らが主人公を務める「クックーとスプーンのおいしい毎日」は、現在『ESSE』『サンキュ!』『レタスクラブ』の主婦向け雑誌3誌で同時連載中だ。

仲のいい彼らは、企業ソリューションのために活躍することも。誌面の中で、企業商品について語り、魅力を伝える。さらに誌面を飛び出して、企業ウェブや店頭リーフレットのコンテンツになったり、SNSとも連携したり。
クックーとスプーンの開発チームのメンバーである電通出版ビジネス・プロデュース局の宮脇彩夏氏は「絵本に出てくるホットケーキがすごくおいしそうに見えるように、クックーやスプーンを見たらおいしいものを思い出してもらえるような、食べることに近い位置のキャラクターとして育てていきたいと思っています。7月発売の雑誌誌面から、よりクックーの魅力を増加させてリニューアル予定です 」と語る。
クックーとスプーンは、ただかわいらしいだけのキャラクターではないのだ。


「食」ムーブメント、次々に!
FOOD_ACTION_NIPPON

フード・アクション・ニッポン

フード・アクション・ニッポンは日本の食を次の世代に残し、つくるために、民間企業・団体・行政などが一体となって推進する国産農産物の消費拡大に向けた取り組みだ。食料自給率向上に向けて、国産応援ポイントプログラム「こくポキャンペーン」や、医療福祉・観光などの異業種との連携も積極的に行っている。取り組みの一環として創設された「フード・アクション・ニッポン アワード2014」では、食料自給率向上に寄与する事業者・団体の取り組みを一般から募集し、優れた取り組みを表彰。食料自給率向上に向けた活動を広く社会に浸透させることを目的に8月11日まで応募を受け付けている。


ジャパンフードフェスタ 2014
地場もん国民大賞

JAPAN_FOOD_FESTA_2014
地場もん_Jibamon

2012年から農林水産省が11月を「食と農林漁業の祭典月間」と定めており、11月上旬開催の「ジャパンフードフェスタ」は、祭典月間のキックオフイベント的な位置付け。生産者と消費者、日本と世界の絆を深めることで、日本の農林漁業・食品産業・農山漁村が持つ素晴らしい価値を広く発信し、ジャパンブランドの再構築を図ることを目的とした取り組みで、昨年は約19.5万人を動員。今年度は11月1、2の両日に東京・丸の内で開催する。メーンコンテンツの「地場もん国民大賞」は全国各地の優れた食品を募集し、大賞を決めるコンテストで、募集期間は6月中旬~8月中旬の予定。


肉フェス

 
 

今年5月初旬に初めて開催された「肉フェス」。ゴールデンウイーク、駒沢公園、テーマが肉。全ての要素が好評で大成功に終わり、5日間での来場者29万人は主催者サイドの予想を大きく超えた。主催したのは、電通など4社で構成される団体「Food Nations」。来年は来場者の待ち時間がなるべく短くなるようオペレーションに工夫して、さらにバージョンアップしての開催を期している。各国大使館などにもパイプを持つFood Nations、ゆくゆくは海外での食イベント開催も視野に入れている。


ミラノ万博 日本館

JAPAN_EXPO_2015_MILANO

「2015年ミラノ国際博覧会」のテーマは「地球に食料を、生命にエネルギーを」。147の国と地域・国際機関が参加し(14年4月現在)、5月から10月まで開催される。日本館は「Harmonious Diversity―共存する多様性―」をテーマに参加国中でも最大規模で出展し、日本の食の多様性が、地球規模の課題解決に大きな可能性を秘めていることを発信していく。シンボルマークはお箸をモチーフに「いただきます」「ごちそうさま」「もったいない」「おすそわけ」といった日本人の精神を体現した。