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人もペットもうれしい社会を。No.8

ペットのこと、どれくらい意識して買いものしてる?

2014/09/24

「黒い服着ると、うちの子の毛は白いから目立っちゃうんだよね」
「すぐに体をなめようとするから、化粧品とか日焼け止めを買う時、動物がなめても大丈夫なものか確認するようになった」「ごみ箱とか低い位置に置いておくと絶対に中のごみを出されちゃうから、この子を飼い始めてから背の高いごみ箱を使うようになった」

こういった発言を、ペットを飼っている方から聞いたことはありませんか?

ペットを飼い始めると、自分がこれまで何も意図せずに購入していたさまざまなモノへの見方や意識が変わっていく経験をする方は多いように感じます。
いつも買っていた商品が、ペットに対して悪影響がないか? 危険じゃないか? このような意識は、子どもが生まれた時の意識と等しいのかもしれません。
Think Pet Projectでは2011年にペットオーナー(犬飼育のみ)に対して、購買行動を起こす際にどの程度ペットの存在が影響しているか調査を行いました。
この調査では、日常生活の中でも単価の高いカテゴリーにおける購買行動の意識を中心としていたので、「家電」「住宅」「家具」「自動車」という4つのカテゴリーを調査の対象としています。

調査結果を通して分かったことは、ペットオーナーが商品を選ぶ際の視点には以下の3つのパターンが存在しているということでした。

視点① “ペットに悪影響を与えないかどうか”という目線。商品の素材や使い方などに意識を向ける。
視点② “ペットが壊さないか”という目線。その商品自体の耐久性や強度がどの程度のものか意識する。
視点③ “人間が快適にペットと共生する”という目線。ペットと一緒に過ごす環境において、ペット側に何かを強いることなく、人間側の快適空間を実現できるかどうかを意識する。


②の視点はおそらく目新しいものではなく、従来からペットを意識した購買行動を行う人の中になんとなく存在していた視点かと思います。実際、家電を購入する際に気にしているコトとして「倒れやすい、壊れやすいものを避けて選ぶようにしている」や「大きな音や犬が嫌がる音が出ないものを選ぶようにしている」という項目が高い数値を記録したことからも、今も昔も変わらない視点であることが分かります。
一方で、視点③のようにペットと人、双方の快適さを考える視点というのは、外でペットを飼う文化から、室内飼育へと移行が進んでいる事象とも相まって、ペットと人が一緒に過ごす空間や時間が増加していることから、ここ最近顕著になり始めたのではないでしょうか。

例えば、自動車の購入時にペットへの影響を気にすると回答したペットオーナーのうち、約4割が「汚れてもよい素材の物を選ぶようにしている」と回答しています。この回答の裏には、やはり同じ空間に長時間一緒にいるペットとの環境をより良い状態で保ちたい、という意図があります。最近ではペットと一緒に長時間のドライブに行くオーナーも少なくなく、そのような観点からも重要度が高いといえます。
ペットを車に乗せた経験について行った別の調査データを見ていると、「一度も車に乗せたことがない」と回答したのは14.6%にとどまり、残りの85.4%は何らかの理由においてペットを車に乗せた経験があることになります。

ペットを車に乗せる理由として最も多いのは、やはり「動物病院に連れていくため」でしたが、その次に多かったのは「公園へ散歩に連れていく」「ドライブを一緒に楽しむ」といった回答でした。(出典:ペット関連市場マーケティング総覧2014)
先にご紹介している「汚れてもよい素材を選ぶ」という回答の次に多かったのは「犬の乗り降りが楽なものを選ぶようにしている」という答えであり、ペットと人、双方を意識するマインドが垣間見られました。

また、他にも非常に特徴的な結果が出たのは、住宅に関する項目でした。
住宅を購入する際にペットへの影響を気にすると回答したペットオーナーのうち約5割が「においがこもらないよう通気性を重視している」と回答しています。
「段差の少ない家・部屋を選ぶようにしている」といった項目にも約3割が回答しているように、ペットの暮らしやすい環境へ向けた意識も高いのですが、一方に存在するペットオーナー自身の快適さへの意識の高さは、非常に興味深く映ります。

2014年も前年比で5.7%増加し、76.8%のペットオーナーが現在ペットを室内で飼育している現在(出典:ペット関連市場マーケティング総覧2014)において、人間向けでもペット向けでも、これからの商品開発において“ペットのためを思いながら、ペットと一緒にいるオーナーにとっても大事なことを見つけ、解決していく”という視点を持つことは非常に重要であるといえます。

皆さんは、自分が何か購買行動をする時、ペットのことを意識されていますか?