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キメゾーの「デジタルソリューションがよく分かっていねえ」No.1

CubeD®(BIソリューション局 古田水穂)

2013/10/22

電通グループの各種デジタルソリューションツールを、「キメゾー」が開発担当者に直接インタビューすることによって、ご紹介。デジタルのことがよく分かっていないキメゾー。そんな彼ならではの視点で、その世界を分かりやすく解きほぐしていきます。

電通が開発した新しいCRM(Customer Relationship Management)ツール「CubeD®(Customer Bonding Engine by Dentsu)」。 その正体に迫るべく、全く何も分かっていないキメゾーが、開発者のBIソリューション局・古田水穂さんに話を伺ってきました。

古田さんとキメゾー
 

──早速だが、これはなんて読むんだ?キュベ…? 外来語は苦手だ。

古田: 「キューブディー」と読みます。

──さすが切れ者だな。じゃあその「CubeD®」とやら、分かりやすく説明してもらおうか。

古田: テクノロジーの進化によって、いろんな場面で、たくさんの生活者のデータを取れるようになりました。キャンペーン応募とか、サイト訪問とか、SNS利用とか。 クライアントの社内にもいっぱいデータがたまっているんですけど、データ項目はバラバラ、そもそも管理部署が違ったりするんですね。 私たちがやりたいのは、一人のお客さんを深掘りすること。ちゃんと追っかけたい。でもデータがバラバラだと、同一人物として見なされないんです。そうするためにはデータ統合が必要。それをできるだけ簡単にできるようにしたのが、CubeD®の特徴のひとつです。

CubeD

──まあ、俺はたとえデータ統合されたとしても、相変わらずミステリアスな男のままだがな。

古田: (無視して)同一人物として見なさないと、例えば、買い替えサイクルの長いPCのような商品を買った直後の人に、新しいPCが出ました!とか、同時期にものすごい数のメールを送ってしまったり、とか、支離滅裂なコミュニケーションをしてしまう。そうするとお客さんの気持ちは離れてしまう。だからできるだけ早く同一人物として見なせるようにしないといけないんです。

──なるほど。それじゃあデータ統合をしたあと、CubeD®では何ができるんだい?

古田: データ統合のあとは、いろいろ立体的に分析を行います。その中でも、とくにユニークなのが「3D-CRM」という、電通だけのやり方です。

──立体的な分析ってなんだ。飛び出るのか?

古田: (きっぱりと)いいえ。お客さんを立体的に捉えよう、ということです。 これまではお客さんの購買データだけを見て、いっぱい買ってくれるお客さんはいいお客さんだよね、という考え方だったんです。でもそれだけじゃなく、すごく買ってくれていても、あまり愛着を持ってくれていない人は、ブランドスイッチしやすい人かもしれないよね、とか、あまり買ってないけど友達にめちゃくちゃお勧めしてくれてるお客さんはいいお客さんだよね、だったり。 今まで購買だけ見ていた「取引レベル」だけでなく、「ファンレベル」、「波及レベル」という視点でお客さんを見ていくんです。 アンケートを取ったり、サイトアクセス状況を見たり、その人のSNSでの他の人とのつながりがどうか、とか、そういうものを合わせて見ていきます。

──で、結局なんなんだ? 誰がどう得するんだ? 俺の恋はうまくいくのか?

古田: 恋がうまくいくかどうかは分かりませんが、おっしゃる通り、その後に何をするのかというのが大事。分析して終わりじゃだめなんです。
CubeD®は、施策までフォローします。このお客さんはこういうお客さんだからこういうコミュニケーションをこのタイミングでしよう、例えば、買ってくれたらすぐにメールを送って、1ヵ月何の反応も無かったら紙のDMを送って、とか、会員サイトのマイページで何かをおススメするとか。その人のコンディションを見て、コミュニケーションの内容を変えていきます。そこまで設計することが必要で、それをサポートする機能まで備わっているのがCubeD®なんです。

──具体的な実績はあるのか? 実績のない理論は意味がないぜ。そういう意味で、俺の恋愛理論は完璧だ。何しろ実績が違う、例えばヨシ子やトミ子…

古田:(さえぎって)すでに導入実績があります。
ソーシャルアカウントで参加できる会員サイトを立ち上げ、その裏にCubeD®が入っています。サイトのアクセス状況、メールの開封・クリック情報、商品モニターキャンペーンで取得したアンケート回答などのデータは、それぞれ別のシステムやデータベースにたまっているのですが、それをCubeD®でひとつにまとめることで、お客さんひとりひとりの行動と意識とを合わせて分析し、そのあとのコミュニケーションにつなげます。もちろん、データ取得とその活用について、お客さんから必要なパーミッションはとっています。

──なんでこんな優れモノを思いついたんだ。自由人(フリーター)の俺に、その秘訣を教えてくれ。

古田: 私は現場でプランナーをやっているので、いつもクライアントの課題をどうやったら解決できるか、って考えているんですけど、クライアントの課題ってけっこう共通している部分が多くて。それでずっと、こういうことができたらいいのに、こういうツールがあったらいいのに、って思ってたんです。だからいまセミナーで話したりしてても、クライアントから共感していただけることが多いです。
開発は大変でした。でも、本当に人に恵まれて。チームのみんなと情熱で作り上げました。ただぶっちゃけると、開発途中からもう引くに引けなくなっちゃって(笑)。社内で報告とか発表とかたくさんしてたから。

──なんかデジタルって固そうなイメージだったけど、ぬくもりを感じてきたぜ。なあ、抱きしめてもいいかい?

古田:(無視して)そうそう、CubeD®って、愛称が別にあるんですよ!CRMの原型っていわれている江戸時代の帳簿が「大福帳」っていうんですけど、それにちなんで、構想段階では「だいふく」って呼んでて(笑)。それで商標登録しようとしたらだめだったので、「しおだいふく」で登録しました。「KARAOKE」みたいに世界にも通用するようにあえて日本語で。ただ、今回のリリースにあたって、正式名称を「CubeD®」にしたので、あくまで愛称なんですけどね。ちなみに、「しお」は塩じゃなくって、汐留の汐です。

──これから狙いたいクライアントはいるのかい? おっと、俺以外、で頼むぜ。

古田:(何も聞こえなかったかのように)CRMって通販とかダイレクトのイメージが強いと思うんですけど、CubeD®や3D-CRM_に興味を持ってくださるのは、そうではないクライアントが多いです。
ブランドをたくさん持ってるメーカーだったり、店舗がいっぱいあってECもやっている小売だったり。
私たちの仕事は、CubeD®のようなツールを売ることではなくて、あくまで、クライアントの課題を解決すること。CubeD®はドアノッカーなんです。これをきっかけに、クライアントの悩みを聞いて、それに最適なソリューションを提供できればと思っています。

─仕事、楽しそうだな。自由人(フリーター)の俺も憧れちまうぜ。

古田: めちゃくちゃ忙しいけど、いま仕事、楽しいです。でも、悩んでいた時期もありました。CRMがやりたくて3年くらい前に異動してきた頃は、電通がCRMなんてやる意味あるの?という空気で、実際に仕事もほとんどありませんでした。でも、きっとクライアントにとっても、生活者にとっても必要で大事なことだと思ったんです。お医者さんの「カルテ」ってあるじゃないですか。患者さんのこれまでのことや現状のことがきちんと記録されていて、それをもとに最適な治療をする。CRMってそういうことだと思います。あっ、言ってみてちょっと違ったかも(笑)。とにかく、電通がやるべきことなんだって信じてきて、今は、CRMソリューション部って、部の名前にもなっているし、注目もされているし、部のみんなもモチベーション高くがんばってるし、よかったなー。と。でも、まだまだこれからなんですけどね。

──最後にこれを読んでくれたみんなに伝えたいことはあるかい?

古田: CubeD®をきっかけに、ぜひCRMソリューション部に相談をいただけたらって思っています。戦略・分析から施策の実施運用まで、いろいろなところでお役に立てると思います。

──以上だぜ。お忙しいところ、ありがとうな。

古田: こちらこそ、ありがとうございました。楽しかったです(笑)。