タイ発★JAPAN WEEKEND開催 オールジャパンでプロモーション
2014/12/18
タイのバンコクで11月に「訪日観光、日本の音楽、放送コンテンツ」という三つの分野のプロモーションを同時開催する連携型イベントが開催された。イベント名は「JAPAN WEEKEND」。日本の複数の官民団体が一体となって主催する、タイでは初のオールジャパン体制による取り組みだ。
■冬の道東の魅力紹介
タイ観光庁と日本政府観光局は、訪日旅行フェア「ビジットジャパンFITトラベルフェア2014ウインター」を開催。日本から15団体、タイの12団体が参加した。タイの個人旅行者(FIT)の誘致に向け、タイ人の関心が高い日本の冬や雪などの魅力をアピールし、多くの来場者を集めた。
タイの訪日観光フェアに初めて参加した、ひがし北海道観光事業開発協議会は、北海道訪問が2~3回目のリピーター客を中心に道東の見どころを紹介。網走、知床の流氷や釧路のタンチョウ、阿寒湖の霜の花などを観光するプランを提案した。同協議会の野竹鉄蔵事務局長によると、タイ航空による札幌直航便の開始を契機に道央を訪れるタイ人が増えているという。今後はタイ、シンガポール、香港、台湾から道東への個人旅行者を現在の年間6万~7万人から、3年ほどで20万人に引き上げたい考えだ。
■日本の人気タレントが訪タイ
国際ドラマフェスティバルin TOKYO実行委員会は、日本のドラマ出演者やミュージシャン、タイの有名タレントが参加する「シリーズ フェスティバル」を開催。「半沢直樹」「ドクターX」「花子とアン」といった日本で話題となったドラマ13作品が紹介された他、滝沢秀明さんや川口春奈さんら人気キャストが登場してトークを繰り広げた。
同委員会の重村一副委員長(ニッポン放送会長)は、韓流ドラマがタイで多くのファンを獲得していることに触れ、韓国タレントが頻繁にタイを訪れてファンと交流するのに対し、日本のタレントはほとんど来ないことが親近感の差になっていると指摘。日本の芸能事務所がタイに目を向ければ「流れを変えられる」と期待を示した。
日本の放送局はイベントを足掛かりに、ドラマコンテンツの輸出やタイの放送局との合同番組制作を推進。日本のドラマの何本かは既にタイのデジタル放送が決まっている。また、放送が決定している合同制作番組「もしもしジャパン」(来年1月3日~、チャンネル9)、「ビューティーバーサス」(来年1月~、チャンネル7)なども紹介された。タイ以外にも東南アジア諸国との共同制作はマレーシアで2本、インドネシアで1本、フィリピンで1本が決まっている。
これまでは日本のコンテンツの権利問題が輸出の妨げとなっていたが、昨年8月に日本の放送局や権利者団体などが中心となって権利関係の窓口となる放送コンテンツ海外展開促進機構(BEAJ)が設立されるなど体制が整備されている。
今回の主催団体の一つであるジェトロの浜野京理事は記者会見で、日本文化への関心が高まりタイ人の訪日旅行者も増える中、タイでは日本のコンテンツへの引き合いが強まっていると説明。「共同開催で多くのビジネス機会を紹介し、実際のビジネスにつなげてもらう」と開催の意義を強調した。今後は、コンテンツとファッションや食品を組み合わせたイベントも検討しているという。
提携発表の記者会見に出席したジェトロの浜野京理事長(右から2人目)、国際ドラマフェスティバル実行委員会の重村一副委員長(同5人目)ら(NNA撮影)