loading...

電通報ビジネスにもっとアイデアを。

コンテンツマーケティングの現場からNo.1

で、コンテンツマーケティングってどう使うの?

2015/01/28

昨年、電通iPR局ではコンテンツマーケティングに関する本を2冊、翻訳出版しました。おかげさまで想像以上に多くの反響があり、いろいろなご相談や、様々なところでお話をする機会をいただきました。誠にありがとうございました。

改めて振り返りますとそのほとんどは、そもそもコンテンツマーケティングとは何か、なぜ今注目されているのか、というようなお話でした。そんな1年を経て、「なんとなく意味は分かった。必要性も分かった。それで?」というのが、コンテンツマーケティングの今の状況のように感じます。
何か始めなければと思うがまず何から手をつけたらいいのだろうか。いったいどれくらい予算を準備しておけばよいのか。いや、そもそもいまやっていることが「コンテンツマーケティング」なのではないだろうか。
もちろん、実際に自社のメディアを立ち上げるなど、既に始めてみているケースもあることでしょう。

しかし生活者の変化は早く、海外から新しい情報が次々入ってきて、目の前のビジネスの状況も刻一刻と変わっていく、常に現在進行形のいま。私たちはそのときどきで情報を取り入れながら、実践の中で試行錯誤していくしかなくなっています。私たちが実際取り組んでいる中でも、やればやるほど誰も予見しなかったような課題が次々と湧いてきます。
ということで今年は、コンテンツマーケティングの最新情報と現場をつなぎ、実作業を通して見えてきた「今」の「リアル」な情報を、同じような課題を持つ方々と共有していくために、このウェブ電通報から定期的に発信をしていきたいと思います。皆さまからのご意見やアドバイスもいただきながら一緒に考えていければと思っております。 

「コンテンツマーケティング」は、「方法論」というより「視点」です。
たとえば、既に行っているSEO対策、運用広告、ソーシャルメディア施策、会員サイトの運営、あるいはPR作業、ブランドのコミュニケーション…それらを改めて「コンテンツマーケティング」、つまり「相手にとって有益で説得力のある情報を提供し、自分たちのビジネスにつながる行動を起こしてもらう」という視点から見たときに、何が足りていて何が足りないのか。見直したり、組み替えたり、予算の範囲でやれることとやれないことを切り分けたり。まずはそのような整理が必要になってきます。
また、一発ですべての問題が解決する特効薬ではないので、そのときどきで改善しながら、地道に積み上げていく。そういう、少し気の長い覚悟も必要になってきます。

「コンテンツマーケティング」という言葉の捉え方自体、まだまだ定まっているようで定まってはいません。「企業が自らメディアとなって情報発信をしていくこと」と語るケースもあれば、「コンテンツを使ってマーケティング課題を解決していくこと」と説明するケースもあります。企業によって課題や目的はそれぞれなので、捉え方はいろいろあってよいと思います。

私自身は、コンテンツマーケティングとは「コンテンツ(=相手にとって価値のある情報)を使って、相手の態度変容を起こすこと」だと考えています。
態度変容の種類は目的次第です。「多くの人に知ってもらう」ことが目的だったら、「いいね!」を押しシェアをするといったアクションを起こしてもらう。「リードをとる」ことが目的だったら、メールアドレスなどと引き換えにダウンロードしてもらう。「会員を活性化したい」のであれば、一言でも多くのコメントを投稿してもらう。など多種多様です。

私の場合はもともとクリエーティブの出身ということもあり、これらの態度変容を目指すためのコンテンツの戦略立案や企画、制作、実施がメーンのミッションとなっています。
もちろんコンテンツマーケティングにおけるソリューションはコンテンツだけでは足りません。ソーシャルメディアの台頭によって企業と生活者がいつでも直接対話できるようになり、発信される情報が爆発的に増えた中で、コンテンツをどう届けていくのか。生活者の真のニーズをどう把握するのか。私の所属するiPR局では、ソーシャルリスニング、SNSなどを通じたファンづくり、ブロガーからの発信を狙う新しい仕組み、マスメディア、ウェブメディアを問わずニュースに取り上げてもらうためのPR活動、などなど様々なアプローチを準備しています。

コンテンツマーケティングという視点は、ブランドのファンを増やしたい、コミュニティーサイトをもっと活性化したい、新しい商品やサービスのPRがしたいといった課題から、SEOによって自然流入を増やしたい、見込み客を獲得したいなど多様な課題において解決の可能性を秘めています。
このコラムは、そのような課題をお持ちの方々にぜひ読んでいただければと思っております。