Ciao, Milano Expo!
万博直前の街をレポート―①
〜都市再開発〜
2015/03/31
2008年3月、ミラノが15年の国際博覧会(万博)開催地に決定した。トルコ・イズミルとの接戦を制した結果だった。 当時ミラノでは、街の象徴ともいえるミラノ大聖堂(ドゥオーモ)の尖塔に付く聖母マリア像より高い建物は自粛されていた。しかし、万博の決定以来、おしゃれなブティックが点在することで知られるコルソ・コモ通りから続くゾーンが、新たに「ポルタ・ヌオーバ地区」と名付けられて再開発が進んでいる。
現在、ドゥオーモの高さをしのぐ建物が幾つも建設中で、ショッピングセンター、レストランにブティック、高級レジデンスなどさまざまな建物が美しく立ち並ぶ。コルソ・コモからガエ・アウレンティ広場に続く道には既に10軒ほどの店が新規オープン。将来は高級ブティックが連なるモンテナポレオーネ以上にファッションゾーンとして話題になりそうな地域だ。ちなみに、レジデンスの価格は1平方メートル当たり約1万ユーロと割高で、まだまだ空きがあるもよう。
建築物として最も話題を呼んでいるのは、大手銀行ウニクレディトのオフィスとなっているタワーで、アルゼンチン出身の建築家シーザー・ペリ氏が手掛けたもの。それから、イタリア人建築家ステファノ・ボエリ氏の建築設計事務所が担当した、イタリア語で「垂直の森」を意味するボスコ・ベルティカーレと名付けられたマンションだ。
いずれも高さや外観の華やかさで異彩を放つ。この地域でのファッションやCMの撮影も増え、ますます話題になっている。 ポルタ・ヌオーバ地区同様に再開発が進められているのが、その昔展示会場があったゾーナ・フィエラと呼ばれる地区で、最寄りは地下鉄のアメンドラフィエラ駅となる。
シティ・ライフという欧州でも有数規模の大型都市開発プロジェクトが進行中で、ザハ・ハディド、ダニエル・リベスキンド、磯崎新の、世界的にも著名な建築家3氏が競演する。36万6000平方メートルにレジデンスやオフィスビル、商業施設などを備えた新たな「都市」の出現が予定されているが、残念ながら完成予定は2017年で、万博には間に合わないようだ。