UK発★プログラマティック広告はユーザーの目に触れにくい? 英独仏調査
2015/09/07
デスクトップパソコンや携帯端末に表示されるディスプレー広告とビデオ広告のうち、自動化されたプログラムを通じてリアルタイムに売買する「プログラマティック広告」の市場が進んでいる国ほど、広告がユーザーの目に触れにくい――。このような結果が英独仏での調査で明らかになったと、アドエージが伝えている。
この調査では、広告の半分以上が1秒以上表示された状態を「実際にユーザーが閲覧できる状態」と定義し、その広告表示回数を表す「ビューアビリティー」を指標とした。英独仏3カ国のプログラマティック広告の普及状況を比較すると、英国では2014年のディスプレー広告の45%がプログラマティック広告として取引されており、独仏はそこまで進んでいない。しかし今年第2四半期のビューアビリティーを比べると、英国の49%に対し、ドイツが64%、フランスが62%と上回っていた。つまり、プログラマティック広告が浸透している英国の方が、ビューアビリティーが低いという結果が出ている。
精巧なプログラミングで標的となる市場を自動選別するプログラマティック広告が本来目指しているのは、必要なときに狙ったターゲットに広告を表示する機能だ。しかし実際には「かなりの割合で、ユーザーの目に触れない場所に表示されている」とITマーケティング会社ミートリクスのアナント・ジョッシ氏は指摘している。
英国では、18年までにディスプレー広告の70~80%をプログラマティック広告が占めると予測されているが、ジョッシ氏は「プログラマティック広告の利点はコスト効率の高さだが、ビューアビリティーの低さという深刻な問題が存在する」と強調する。グーグルによると、昨年の世界の広告のうち、ビューアビリティーの基準を満たしたものはわずか46%だったという。