インド発★アクションエイドと電通ママラボが協働 「妻」を描いたショートフィルムが話題に
2015/12/07
貧困や人権の侵害に苦しむ人々を支援するNGOのグローバルネットワーク「アクションエイド」がインドの電通「ママラボ」と協働で、インドの家父長制の伝統の陰で虐げられる妻たちを描いたショートフィルムを公開した。
ショートフィルム「The Wives」(妻たち)は、11月25日の公開からわずか2日でアクセスが15万を超え、ネットメディアScoopWhoopでは1万シェアを獲得。話題を呼び、India Todayなどの現地紙などでも次々に取り上げられている。
「The Wives」は水が極めて少ない地方が舞台。すでに2人の妻を持つ男性が、妻が妊娠したことで水くみが困難になったことを理由に、新たに3人目の妻を迎える。元からいた妻の動揺や、嫁いだ日から抱えきれないほどの容器を抱えて水くみをする新しい妻の様子など、3人の妻の夫に尽くしただ家事に明け暮れる日常が、映画のような美しい筆致で静かに描かれている。(下記画像をクリックすると公式サイトで動画がご覧いただけます)
アクションエイドのサイトでは作品を「かつてないほどの非情さや不条理を示す世の中を、鏡のように写し取った。当たり前のようにわれわれを取り巻く現実を、わずかずつでも変えていきたい」と解説し、「見るだけにとどまることなく、この話題を広めてほしい。無視するにはあまりに重要なメッセージなのだから」と締めくくっている。また、海外のママラボを統括する電通イージス・ネットワークのチーフ・ストラテジスト・オフィサー、シルビア・コバリ・クレチマーリ氏は「水をくむための人手として嫁ぐ『水くみ妻』というのは、家族や職場、社会であまり評価されることのない女性たちの比喩でもある。ジェンダー差別に関する意識改革は簡単ではない。でも、この作品を通じて少しでもこの社会問題について考えることができたら、次につながるかもしれない」と思いを語る。
電通ママラボは2008年日本で誕生し、”Dentsu Mama Lab.-Changing worlds”をコンセプトとして母親のリアルなインサイトで課題を解決するワークタンク。国内外の各拠点ごとの専任チームで、特色あるソリューションを展開している。ママラボインドは15年3月に設立。女性に関わる社会問題に焦点を当て、従来からの母親像をもう一度見直すことに力を注いでいる。