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US発★究極のマッシュアップ YouTube Rewind 2015

2016/01/13

    動画投稿サイト「YouTube」で話題になった出演者やトレンド動画をまとめた「YouTube Rewind」2015年版が発表された。

    YouTube Rewind
    はじめしゃちょーさんや木下ゆうかさんなど、日本人ユーチューバーも登場する(上記画像をクリックすると公式サイトで動画がご覧いただけます)

    アドエージによると、YouTube上の1年を振り返る動画としてここ数年恒例となっている「Rewind」の制作は、10列×400行のスプレッドシートから始動。そこには、その年のYouTubeカルチャーを代表する動画とその作者、使用されている楽曲名、インターネット・ミーム(流行ネタ)、トレンドなどがぎっしりと書き込まれる。

    2011年からRewindを制作しているデジタル動画制作会社「ポータルA」のチームは、最初に2週間以上をかけて、その全ての動画を視聴。対象には、ドレスの色が「青と黒」「白と金」にいずれに見えるか、インターネット上で論争になったバイラル写真「ザ・ドレス」のように、元の投稿がユーチューブではないミームも含まれるという。

    次に待ち受けるのは、数多くの作者やネタに統一感を持たせて数分程度の動画に盛り込み、娯楽性の高い動画に仕上げるという、パズルのような作業だ。ここで再びスプレッドシートが活躍する。一覧にされた動画を全て見終ったポータルAのチームは、動画の内容をシナリオ、衣装、舞台セット、その他目立つ特徴ごとに分類する。これによってRewindのどのセクションで、それぞれの動画の要素を合体させるかを検討する。

    このようにして「ユーチューバー」といわれるYouTubeのスターたちやミームがマッシュアップされた2015年の「リワインド」を見てみよう。

    オープニングは米国アド・カウンシルがバレンタインデーに合わせて制作した動画「Love Has No Labels」(愛にレッテルはいらない)へのオマージュだ。「骸骨(スケルトン)で愛し合えば性別や年齢、人種や宗教も関係ない」というメッセージを掲げたこのキャンペーンでは、屋外にX線スクリーンを設置。その後ろで女性同士や異なる人種同士のカップルがキスやハグをした。

    RewindもこのX線スクリーンを使い、ビデオの随所に出演者たちの「スケルトン画像」を登場させる。ジャマイカ出身のシンガー・ソングライター、オミーのヒット曲「チアリーダー」とユーチューブ出身の歌手の代表格ジャスティン・ビーバーの「ホワット・ドゥ・ユー・ミーン?」に合わせて踊るスケルトンがスクリーンの裏から飛び出すと、それがYouTubeスター、リリー・「スーパーウーマン」・シンだったことが分かる。リリーがLGBTプライドのレインボーカラーに塗られた壁の前からジャンプした先には、昨年のYouTube再生回数3位となったローマン・アトウッドのいたずら動画で家を埋め尽くした大量のカラーボールのプールが待っている(この動画は日産のスーパーボウルCMへの誘導企画として制作された)。

    別のコーナーでは、YouTubeが英語圏以外でも人気を獲得しつつあることを象徴し、ラテンアメリカのユーチューバーたちを競演させている。メキシコシティ郊外の砂漠を走るバスの上でスターたちが踊る場面の引用元は、メジャー・レイザーとDJスネークのコラボレーション・ヒット曲「リーン・オン」のミュージック・ビデオ(MV)だ。

    また昨年にYouTubeで流行した「××の100年」というフォーマットと、メーンストリームのヒップホップシーンで「ハーレムシェイク」以来のヒットとなった「ナエナエ」ダンスを組み合わせた「ナエナエの100年」と題するコーナーもある。ここでは、ラッパーのサイレントの楽曲「ウオッチ・ミー」に合わせて10人のダンサーたちが、1920年代、50年代、60年代、80年代、現在の流行ファッションに身を包んで踊っている。

    メーンストリームカルチャーから借りている素材としては、オーストラリア出身のシンガー・ソングライター、シーアのヒット曲「エラスティック・ハート」のMVに登場する巨大な鳥かごのようなセットの中で、バイラル写真「ザ・ドレス」の色をめぐって「青と黒」か「白と金」かライバル・ユーチューバーたちが戦うシーンもある。

    こうしたメーンストリーム素材とミームのマッシュアップには、YouTubeのハードユーザーにしか分からないようなユーチューバ―やミームをメーンストリームオーディエンスに知らせようとする狙いもある。

    ポータルAのハッソン氏は「メーンストリームでの強力な流行を軸にしている場面もある。エラスティック・ハートやザ・ドレスの引用は、たぶん誰もがピンと来る部分だろう」という。YouTubeのトレンド・カルチャー部門のトップ、ケビン・アロッカ氏は「うちの両親が見て、何のことを指しているのか分かる部分があれば成功」と語った。

    今回はYouTubeのスタートから10周年にも当たり、新旧のユーチューバーたちが顔をそろえる場面もあった。このコーナーでは再生回数が1億回以上に達し、過去10年のYouTube動画で歴代1位を誇る「ダンスの進化」の作者ジェドソン・ライプリーと、漫才師のようなパフォーマンスでユーチューバーとなった2人組「レット・アンド・リンク」らがコミカルに共演した。

    出典 Ad Age
    http://adage.com/article/digital/youtube-portal-a-created-year-s-rewind-video/301665/