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ツボをおさえる「目」のつけどころNo.5

豊かさのファクトをキーワード化

2016/06/17

多岐にわたる地域の課題解決に向けて、今、多様な取り組みが各地で展開されています。 的確な課題抽出と、独自の着眼点から繰り出す卓越した打ち手からは、さまざまなヒントが見えてきます。キーパーソンへのインタビューとともに事例を紹介します。


宮崎県

宮崎県には多くの「宝」がある。温暖な気候に、高級ブランド宮崎牛、出荷量日本一の本格焼酎、全国的に知名度の高い完熟マンゴー「太陽のタマゴ」などの産物、県内各地に息づく神話を伝える史跡や神楽、そして温かい県民性など、多彩な魅力にあふれている。しかし、ブランド総合研究所の地域ブランド調査では、同県の認知度・魅力度は低迷気味という。同県の魅力を効果的にアピールし、地域経済の活性化につなげるには…。


「豊かさのファクト」をキーワード化

「日本のひなた宮崎県」プロモーション

宮崎県は昨年12月、その魅力を発信するプロモーションを本格稼働した。物産振興や観光誘客、移住・定住、地域おこしなどさまざまな分野で統一活用されるキャッチフレーズは、日照時間に恵まれた同県ならではの「日本のひなた宮崎県」。

「豊かな食材、温かな人柄、希望と活力を、多くの県民や民間企業・団体、市町村と連携して全国に届けるという、まさに『オールみやざき』でのプロモーション。『ひなた』のようにじんわりとその魅力が浸透し、確実に宮崎ファンの輪が広がることを目指しています」と酒匂氏は語る。県内では、理解促進や機運醸成のための動画・フォトコンテスト、ひなたダンス、2万個以上販売したピンバッジ、民間事業者の商品・サービスへのロゴマークの掲出、「ひなた」をイメージした加工食品や食材フェアなどを展開。県外への施策としては、宮崎を心から愛する“ひなたの人”として同県ゆかりの著名人や県民が登場するポスターや冊子、ムービーの制作、交通広告やデジタルサイネージ、ポータルサイトの開設、イベントなどを実施している。

宮崎県オールみやざき営業課 課長 酒匂重久氏
宮崎県オールみやざき営業課
課長
酒匂重久氏

今後について酒匂氏は「県だけではなく、さまざまな主体が自主的に情報発信していく仕組みや仕掛けづくりに取り組む必要があります。オールみやざきで『宮崎を好きになり買う・食べる・行くなどアクションを起こしてもらう』ステージへ進め、人やお金を呼び込む発展的な展開につなげていきたい。国内だけでなく、海外へも発信していきたいですね」と思いは熱い。じわじわと染み入るひなたの心地よさのように、その魅力は広がっていく。

プロモーションムービーでは、宮崎に関わるさまざまな人が、フリスビーでつながり、一つになり、宮崎の魅力をリレーするように伝えている。
プロモーションムービーでは、宮崎に関わるさまざまな人が、フリスビーでつながり、一つになり、宮崎の魅力をリレーするように伝えている。