オフィスポNo.10
オフィスポを変えたマイナースポーツとの出会い
2016/07/13
みなさん、こんにちは。オフィスポプロジェクトのブレークタイムデザイナー、奥村誠浩です。
昼休みなどの休憩時にオフィスで運動を楽しむ「オフィスポ」は、ブレークタイムを上手に活用することで、心と身体のリフレッシュはもちろん、業務効率の向上を実現するものです。また、気軽に参加できることを重視していますので、着替えも不要、身体ひとつで参加できる楽しいプログラムを用意しています。
野球やテニスだけじゃない 世界トップクラスの日本人アスリート
そんなオフィスポでは毎回、講師の方をお招きし、ヨガやキクササイズを応用した「ひらめキック」などを行っているのですが、ある方との出会いがきっかけで「マイナースポーツのアスリートと一般の人が出会う場をつくること」も狙いの一つになっています。
その方とは、アスリートのためのオンライン後援会・アスリートエール、企業とマイナースポーツ選手をつなぐスポーツゲインの両組織で代表を務める岩田一美さんです。
岩田さんからマイナースポーツ選手の現状を聞き、彼らを支援することの重要性に気付いたからこそ、今のオフィスポがあると言っても過言ではありません。
「奥村さんと話をする中ですぐに意気投合し、オフィスポに協力することにしました。マイナースポーツというとなんだか縁遠いように聞こえますが、例えばスポーツスタッキングといって、プラスチック製のカップを決められた型に積み上げて崩すスピードを競うスポーツは、日本人が世界チャンピオンです。他にも日本人が世界トップクラスに君臨している競技がいくつもありますが、あまりその事実は広く知られていません」(岩田さん)
この事実とともに、さらにそのような世界を代表する選手たちがアルバイトをして生計を立てているという話を聞いたとき、僕は驚嘆するとともに、「ヨガのようにメジャーなプログラムを紹介するのもいいけれど、知らない競技だからこそ新しいワクワクや期待、楽しさもあるのではないか」と思いました。
もちろんどんな競技もそのままオフィスで実施することは難しいので、プログラムとして成立させるためにアレンジが必要です。ただ、それを実現できれば、オフィスポとしてもプログラムを増やすと同時にマイナースポーツを知ってもらう機会をつくることにもなります。
マイナースポーツこそ、ファンとの触れ合いを
岩田さんはあえて、マネタイズが難しい競技に足を踏み入れ、選手を支援しています。僕もその思いに打たれました。
「アスリートと企業をつなぐ事業をしている会社は他にもありますが、広告ビジネスでのつながりが主となることもあり、大半はメジャースポーツしか扱いません。たとえオリンピック選手でも、マイナースポーツのアスリートは金銭的な問題をどうすればいいかも分からないまま引退してしまうこともあるんです。これを何とかしたいと思っています。
企業から金銭的な援助を受けるためには、スポンサーメリットを示す必要があります。ただ『援助してください』では企業は振り向かないので、どうすれば興味を示してくれるかを一緒に考えるところからスタートします。
また、スポンサーになってもらうためには、選手もファンをつくることを考えなければいけません。その中でオフィスポは、新しいファンとの出会いの場になるわけです。実際、『ひらめキック』に参加した方が試合を見てみたいと言ってくれたケースもありますし、オフィスポを通じてファンを獲得することもできると考えています」(岩田さん)
トランポリンのオフィス版である「オフィスポリン」などが生まれたのも、岩田さんのおかげです。もし岩田さんとの出会いがなければ、“マイナースポーツ”というキーワードにもたどり着けなかったでしょう。参加する企業の従業員の方も、講師のマイナースポーツのアスリート選手も、どちらも笑顔にできる。それがオフィスポだと僕は信じています。
電通でも、オフィスポをやってみた
今回はそんなスポーツゲインさんの協力のもと、ウオーキング・インストラクターのNANAKOさんによる「オフィスポ・ウオーキング」を実施しました。
実はNANAKOさん、「モデル志望の女性にウオーキングの指導をしているので、男性に指導するのは今回が初めて」ということでしたが、一方でこんな思いもあるようです。
「男性こそ、ウオーキングを学ぶべきだと私は思うんです。例えば人前に立つ瞬間、プレゼンなどでさっそうと壇上に登場すれば、それだけでデキる男を演出することもできます。それと、私が街で思わず目で追ってしまう人って、姿勢のいい人なんですよね。女性なら共感できる人もいると思います。男性がウオーキングを学べば、仕事ができそうに見えて、かつ女性にも好印象を与えられるはずです」(NANAKOさん)
プログラムは30分。NANAKOさんは「正しい歩き方を知って、景色が変わる感覚を楽しんでほしい」と参加者に伝えました。まずは全員、壁際に立ち、正しい姿勢を確認しました。自分で思っているよりも、まっすぐ立つ、というのが意外と難しいんです。次に、床のタイルの直線を利用して、まっすぐに歩きながら、足の運び方を練習しました。一通りのレッスンを終えると、「堂々と風を切って歩くことも大切なこと」ということで、アップテンポな音楽とともに、モデル気分で会議室をランウエイに見立てて全員で歩きました。
プログラムを終えた参加者の表情を見ると、みなさんすがすがしい笑顔を浮かべていたのが印象的でした。
実際に話を聞いてみると、「いい気分転換になりました。歩き方を意識するだけで、こんなに違うのかと勉強になりました」といった声や「下を向いて歩くくせがあったんですけど、今日からはちゃんと前を向いて歩きたいです。気分もぜんぜん違いますし」とウオーキングを通して、新たな発見もあったようです。NANAKOさんも「オフィスポ・ウオーキング」の手応えを感じられたようです。
「男性も女性も楽しそうだったので、私も楽しい時間を過ごせました。最初と最後で表情ががらりと変わる。ウオーキングのレッスンはそれが最大の魅力です。今日、それを体感いただけたのは、非常によかったですね」(NANAKOさん)