誕生!バカ・ドルセ

ろーかる・ぐるぐる №93

  • 山田 壮夫

2016/10/13

誕生!バカ・ドルセ

日本人が牛乳を飲み始めたのって、いつ頃のことでしょうか?
なんとなく明治の文明開化以降のように思っていたのですが、実際にはもっともっと歴史があるようです。たとえば紀元前400年、弥生時代の遺跡からは家畜牛の骨が出土しています。当然、牛乳も楽しんでいたはず。奈良時代の木簡には「牛乳」という記述があるようですし、意外に長い付き合いなのですね。

前回ご紹介した明治学院大学の期末試験にも出した「いままでにない牧場スイーツを開発してください」というお題は、このなじみ深い「牛乳」について、もう一度見つめ直す機会を与えてくれました。
そしてぼくたちに、この難しい問い掛けをしてくださったのが「千本松牧場」。明治期、内閣総理大臣もつとめた松方正義が栃木県の那須野ケ原に開いた名門牧場です。ここの名物になるような「いままでにない牧場スイーツ」を考えなければなりませんでした。

千本松牧場

そのとき、大きく二つのヒントがありました。一つは千本松牧場の企業姿勢=「ビジョン」です。
彼らは東京ドーム178個分の土地にある広大な畑の牧草やコーンで牛をのびのび育て、毎日8トンも取れる生乳を、日本では珍しい「低温長時間殺菌」(65度で約30分)した牛乳を自慢にしています。一般に牛乳は地域の酪農家からタンクローリー車などで生乳を集め、混ぜ合わせ、各地の牛乳メーカーの工場へ運びます。その結果、あちらこちらの牛乳が混ざるので「どこの牧場の牛乳か」判別することはできません。しかし千本松牧場は自社の生乳だけで牛乳をつくっているため、それが可能です。お話の端々に「千本松牧場の牛乳のチカラで世の中を幸せにしたい」という自負と覚悟が感じられました。

もう一つは競合=既存商品です。会議室に手に入る限りの「牧場スイーツ」を並べてみたのですが、正直、どれも「健康的」「ナチュラル」「こども」「朝」「太陽」なイメージ。意地悪く言えば「善人っぽい」というか。たしかに牛乳には「優等生」イメージがありますが、全国の牧場がこの一方向で戦っているなら、そこにはチャンスがありそうでした。

バカ・ドルセの十字フレーム
バカ・ドルセの十字フレーム

そこで設定したのが「セクシー・スイーツ」というコンセプト。牧場スイーツに従来の常識を覆すような「大人」の「夜」のサーチライトを当てようという試みです。

具体策としては「バカ・ドルセ」というネーミングとロゴを開発。その下で情熱の国アルゼンチンの人々が愛してやまない伝統菓子「ドルセ・デ・レチェ」(スペイン語でDulce de Lecheは「牛乳のお菓子」の意)シリーズを展開することにしました。自分たちの牛乳に誇りを持っている千本松牧場だからこそ、「牛乳のお菓子」というど真ん中なレシピに挑戦する資格があると思ったのです。

これがバカ・ドルセのソフトクリーム
これがバカ・ドルセのソフトクリーム

10月7日に発売する第1弾商品は、この「うしろめたいほど濃厚」なソースをたっぷりかけたソフトクリーム。千本松牧場の生乳が、一方でコク深いソフトクリームとなり、一方で濃厚なドルセ・デ・レチェとなり、再び出合った悪魔的な味わいです。当分は千本松牧場内ショップでの限定発売になります。東北自動車道の西那須野・塩原インターチェンジから2分ほどですので、秋の行楽シーズン、ぜひお試しください。

実際、発売までは山あり、谷あり。千本松牧場の藤本本部長を中心にした底抜けに明るいチーム、電通の柴谷麻衣AD、井戸真紀子プランナー、よんななクラブ前畑さんたちによる粘り強い作業でようやく乗り越えてきました。とはいえ勝負はココから。お客さまの声に耳を傾けながら商品をブラッシュアップし、発展させなければなりません。幸い、甘いものが大好きなメンバーなので、引き続き食べまくって、頑張ります。

千本松牧場の皆さま
千本松牧場の皆さま
柴谷さん
柴谷さん
 

どうぞ、召し上がれ!