慶応大の学生らが、
諏訪のPR動画制作にチャレンジ
2016/12/16
慶応大の学生と慶応女子高の生徒が、長野県・諏訪地方の魅力をPRする動画制作に挑戦している。
同大経済学部・藤田康範教授の指導の下、ITを活用してイベントや地域などのPR手法を研究する活動の一環。藤田教授のゼミではこれまでも、動画を活用して地域活性化を目指す取り組みのひとつとして、地方のPR動画を作ってきた。今回は「諏訪地方の魅力を発信する動画企画プロジェクト」として、同所に焦点を当てた。
学生らは、5チーム(1チーム=4~6人)に分かれ、それぞれ約3分間の動画を制作。
2017年1月には、完成した動画をユーチューブに投稿し、3月末までの再生回数を競う。チームへの課題は、“首都圏で諏訪地方のイメージが浸透していない現状を踏まえ、ターゲットに対して他にない発見、興味喚起をもたらし、行ってみようと思わせる観光プロモーションムービーを制作する”こと。
12月14日、東京・港区の同大では、諏訪市の金子ゆかり市長ら関係者を招き、5チームによるプレゼンテーションが行われた。
それぞれのチームは、ターゲットやテーマ設定など基本戦略と映像表現について説明し、完成直前の動画を披露した。
各チームが発掘した諏訪の魅力は、「地元のみそ」「多種多様な観光スポット」「映画の舞台として」「点在するミステリースポット」などさまざまで、審査員たちの関心を引いた。藤田ゼミに自主的に参加している慶応女子高チームによるプレゼンは、現役ならではの同世代の心情分析を基に、しっかりしたロジックで構成され、動画の質の高さと共に会場から賛辞が送られた。動画は、希望が持てない女子高生が、諏訪で亡くなった母親と出会い生きる力をもらうというショートムービー。
プレゼン終了後、金子市長をはじめとする関係者の評価を集計し、当日の優勝、準優勝チームが発表された。優勝したチームDは、大ヒット映画「君の名は。」にちなんで、恋人といく観光スポットを紹介する動画「聖地巡礼は飛騨じゃなくて、諏訪らしい」を制作。現地で永遠の愛を誓うオリジナルのジンクスを創作したことも評価された。
準優勝はチームBで、長い歴史を誇る地元のみそに着目した。みそが日本人にとっての究極の“癒やし”調味料と捉え、訪日観光客に「SUWA IYASHI MISO」としてPRするもの。
「味噌茶会」と銘打ち古民家を利用したみそ汁の試食イベントのアイデアも評価された。特別賞には女子高生チームが選ばれ、それぞれに地元の特産品などがプレゼントされた。
金子市長は講評として「どのチームの提案も着目点が素晴らしく、実際に試したいと思える内容で、データ分析やユーチューブの視聴傾向も参考に立案されていて説得力もあった。また、動画での皆さんの演技力にも感心した。何より諏訪に興味を持ち、企画を立ててくれたことに感謝する。とても元気をもらった一日だった」と述べた。