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社歌で経営課題を解決!「社歌コンテスト」No.15

「社歌」の本質的価値をアンケートとデータから読み解く

2024/03/08

社歌

2024年1月24日、社歌日本一を決める「NIKKEI社歌コンテスト2024」(以下、社歌コンテスト)決勝戦・表彰式が開催され、応募総数120作品の中から関西地質調査業協会の「夢掘るボーリング」が最優秀賞に輝きました。

今回で5周年を迎えた社歌コンテストは、社歌を起点に企業・団体の社内外コミュニケーション活性化に寄与することを目指しています。実際に社歌コンテストへの応募をきっかけに、業種や規模を問わずさまざまな企業・団体にポジティブな変化が生まれているようです。

第一回から社歌コンテストの企画・運営に携わるエクシング(JOYSOUND)のコミュニケーション戦略部 部長の寺本勝哉氏と、社歌コンテスト発起人である電通のプランナー森本紘平が、参加企業アンケートやデータをもとに「社歌をビジネスにどう生かすか?」をテーマに語り合いました。

社歌コンテスト
※本記事は社歌コンテスト2024で行われたトークセッションを編集しています。

【NIKKEI社歌コンテスト】
日本経済新聞社主催、JOYSOUNDが特別協力する、企業・団体の社内外コミュニケーション活性化を企図した社歌動画No.1決定戦。ウェブの一般投票や審査員審査を経て、決勝進出12社を決定。決勝はリアルイベントのプレゼンテーションと動画上映で順位を決める。単体企業の正式な社歌はもちろん、企業の非公式ソング、商店街や連合企業の応援歌、学校や自治体のテーマソング等あらゆる経済活動に関わる方々の思いが詰まった楽曲を「社歌」と捉えている。
https://shaka.nikkei.co.jp
 

企業PRや採用活動、社員のコミュニケーション向上などに社歌を活用

森本:今回は、社歌コンテスト第一回から企画・運営にご尽力いただいているエクシングの寺本さんを交えて、「社歌をビジネスにどう生かすか?」という観点でお話しができればと思います。ちなみに、エクシングも30周年のタイミングで社歌・テーマソング「JOYSOUNDレッツゴー!」を制作していますが、ビジネス面での効果を感じることはありますか?

寺本:はい。制作の過程で社内の一体感が生まれていますし、完成した楽曲や動画を見た社内外の方々から「改めて会社の歴史や魅力を再認識できた」という声をいただいています。

エクシング
エクシング 寺本勝哉氏

森本:それは素晴らしい効果ですね。今の寺本さんのお話にも通じるのですが、社歌コンテストは「社内と社外、2つのコミュニケーション活性化に社歌動画を生かしていただきたい」という思いで、日本経済新聞社が中心となって進めているプロジェクトになります。

実際にどのような効果が生まれているのか、応募企業・団体の皆さまのアンケート結果を見てみましょう。

社歌コンテスト

森本:まず、「社歌の活用方法」です。青色が22年大会、オレンジが23年大会、グレーが今回の数字です。毎年、最も多いのが「動画にして企業PRに使う」という回答で、今回は72.5%に及びます。また、「人材採用に活用する」が49.5%で前年から8ポイント上がっています。

寺本:全体的に昨年と似た傾向になっていると思いますが、やはり今の社歌は内向きというよりも、社外に対して自社の情報を発信していきたいという目的で活用されていることが感じられますよね。

森本:そうですよね。続いて「社歌コンテスト参加の効果」になります。昨年と同じ質問が10項目あった中で、8項目が前年超えの数字となっています。こちらはいかがですか?

社歌コンテスト

寺本:これは、すごくうれしい数字ですよね。「会社・商品・サービスの認知向上」「顧客や取引先とのコミュニケーション増加」「人材採用に効果有」「社員のコミュニケーション向上」といった項目は、いずれもビジネス成長に必要不可欠ですから、そこに私たちのコンテストが貢献できていることをうれしく思います。また、毎年継続して社歌コンテストを開催していることで、応募企業の声もどんどん可視化されてきているので、社歌コンテストに参加することで得られる効果やメリットを知った上で、期待感を持ってご参加いただいているのかもしれないですね。

財務諸表には表れない会社の魅力を可視化

森本:続いて、フリーコメントも見てみましょう。「参加の効果」に関する内容ですが、例えば「人材採用に役立っています」というコメントや「SNSのフォロワーなどとコミュニケーションを図るきっかけがつくれています」といったコメントがありました。

社歌コンテスト

寺本:まさに社歌動画が、デジタルマーケティング時代の一つの打ち手になっているということが垣間見えるコメントで、社歌コンテストがその効果を向上させる役割を担えているようにも感じられました。また、上から三つ目の「何をしている会社かだけではなく、良いところも社外の皆様に伝えられる機会のひとつになっている」というコメントも印象的ですね。

森本:はい、同感です。財務諸表には表れない会社の魅力を可視化するという意味でも、社歌は有効な手段の一つかもしれませんね。

森本紘平
電通 森本紘平氏

森本:また、企画趣旨への共感に関するコメントも多数いただいています。

社歌コンテスト寺本:やはり音楽を起点にすることでいろんな人の気持ちがぐっと近づくと思いますので、エンタメのチカラを実感されているのではないでしょうか。

森本:はい、エンターテインメントのチカラで企業や社会を元気にするということが、まさに企画の根幹の部分の考え方です。これは若い人たちに向けたアプローチとしても有効ではないかと思っています。

そして、今後への期待についても熱いメッセージが多数届いています。1回だけではなく「継続参加したい」という声も多くいただきました。

社歌コンテスト

寺本:上から四つ目のコメントにもありますが、日本経済新聞というフィールドで企業PRを展開できるという点だけでも、非常に大きなメリットがありますよね。毎年PRの規模が拡大していますし、特集のコンテンツも充実していて、日経さんの本気度にはいつも驚かされます。

森本:そうですね。日経さんは、日々報道を通して経済・社会に対するさまざまな問題提起をしていますが、言いっぱなしで終わりではなく、その解決の一助となるような参加型のプロジェクトまで手掛けていらっしゃるところに本気度を感じます。

社歌コンテスト

公式YouTubeチャンネルやSNSなど、デジタル展開で注目度アップ!

森本:ここで、コンテンツプラットフォームとしての社歌コンテストの現状についても軽く触れたいと思います。日経さんという唯一無二のメディア力に加えて、近年は継続的なテレビでの露出や公式YouTubeチャンネルを中心としたデジタル施策の数字が伸びてきています。例えば、公式YouTubeチャンネルはトータルのインプレッションが179万、動画総再生時間は8104時間にも及びます。特筆すべきは視聴者の属性ですが、18歳~65歳以上まで性別問わずかなり幅広い方にご覧いただいていることがわかっています。

社歌コンテスト

森本:例年、決勝戦のタイミングがもっとも各種数字が伸びる傾向にあるのですが、実は前回の決勝戦のタイミングよりも今大会の投票開始時の方が盛り上がっていたという現象も見られています。やはりデジタルマーケティングの基本的な考え方ではありますが、こうして継続的にコンテンツを発信することが、年々成長につながってきているのではないかというふうにも思っています。

寺本:なるほど、確かにそうですよね。

社歌コンテストは、情熱と行動力を持った人のコミュニティ

森本:5周年を振り返って感じることを教えてください。

寺本:はい。今大会も含めて決勝のプレゼンテーションやアンケートを振り返ってみて、「社歌」は企業の本質が詰まったコンテンツであると実感しています。そして、たとえプロが作ったものでなくても、予算をかけられなくても、社歌に企業・団体としての思いを込めることさえできれば、「心が動くコンテンツ」を生み出すことができると思っています。

森本:本当にそうですよね。思いが込められた社歌からは、さまざまなドラマが生まれています。それでは最後に、寺本さんが考える社歌コンテストの本質的価値をお聞きしたいと思います。

寺本:社歌の制作は、社長や役員から作ってほしいと言われるケースもあれば、社員から作りたいという声が上がってスタートすることもあると思います。トップダウンとボトムアップの違いはありますが、そのような「作りたい」「発信したい」という熱い思いを持っている人材がいること自体が、その企業・団体にとっての財産ではないでしょうか。ぜひ皆さまには、その財産を大切にしていただきたいなと思っています。

そういった方々の特徴をひとことで表現すると、「本業+αの取り組みを主体的に行い、新たな価値を生む人の集まり」と言えると思います。あるいは、「各分野で情熱と行動力を持った人のコミュニティ」と捉えることもできるでしょう。

社歌コンテスト

寺本:企業・団体の規模や業種を超えて熱い人たちが集まる場というのはなかなかないと思いますので、社歌コンテストをきっかけに情報交換が活性化したり、新しいビジネスが生まれたりなど、さまざまなカタチでの連携と繁栄につながっていくことを願っております。

森本:受賞の有無にかかわらず、会社・団体の魅力を社歌動画として可視化し、さまざまな手法を使いながらそれを日々発信している皆さまの様子に、私たちも非常に勇気づけられますし、ここからポジティブな循環が生まれていくのではないかと感じています。ぜひ今後も、ビジネス成長や地域活性化に社歌を有効活用していただけるとうれしいです。寺本さん、ありがとうございました!

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