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社歌で経営課題を解決!「社歌コンテスト」No.6

社歌が情景を創る。音楽から生まれる企業活動の可能性

2021/06/14

2016年に小さくも力強い産声をあげた「社歌コンテスト」は、2019年に日本経済新聞社が主催となって大きく育ち、いまや応募数193社、累計投票数68万票を記録する一大イベントへと成長しました。

そんな社歌コンテストを2017年から応援団長として支え続けているのが、シンガーソングライターの川嶋あいさん。

企業の想いが込められた歌の数々に触れて、川嶋さんが感じたこととは?
そして、当たり前の日常が揺らぐ今だからこそ、見えてくる音楽のチカラとは?

社歌コンテストを立ち上げた電通・森本紘平がインタビューを行いました。

川嶋あい

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社歌の “情”と“熱”に、心を揺さぶられる

森本:川嶋さんが応援団長に就任された2017年当時、社歌コンテストはまだまだ規模の小さいイベントでした。どうして応援団長を引き受けてくださったのか、改めて教えていただけますか?

川嶋:「社歌コンテスト」というネーミングだけで、すごくワクワクしました。全国の企業の皆さんと音楽が結び付いていく姿をイメージして、高揚したのを覚えています。

森本:ありがとうございます。なぜ川嶋さんに依頼したのかというと、応援団長には「説得力」が必要だと思ったからです。川嶋さんは1,000回の路上ライブに始まり、震災復興支援や途上国での学校建設支援など、実際に行動を伴いながら音楽活動を継続してきた方です。そんな「説得力」を持った人に応援してもらえたら、参加企業の皆さんも喜ぶのではないかと考えました。

川嶋:そうおっしゃっていただけるとうれしいです。2017年当時は今ほどの規模ではなかったかもしれませんが、“アツさ”みたいなものは変わっていないような気がします。

森本:僕もそう思います。毎年、応援団長として数多くの社歌に触れてきて、どんなことを感じますか?

川嶋:真っ先に浮かぶキーワードは、「情熱」。まさに“情”と“熱”が込められていると思いました。皆さんの動画を見ていると、その一つ一つに深い背景や人生がある。それを垣間見ることができて、いろんな企業の方々の人生を想像できるところが魅力ですよね。皆さんが自分たちの会社を愛しているからこそ生まれている楽曲や映像、メッセージに触れることができて、私はすごく幸せです。

森本:経営者の生き様そのものが映し出されている社歌もあって、心を打たれますよね。本当に毎年一つ一つ、丁寧に見てくださっていますが、どんな点を重視して観ているんですか?

川嶋:それが、本当に毎回絞るのが難しくて……。重視する点は人それぞれ違うと思うのですが、私はけっこう“情”を揺さぶられると残しちゃうタイプです。人の生き方に触れられる作品を見ると、応援したいっていう気持ちにさせられますよね。

※社歌コンテスト 3つの審査基準:
1.会社としてのメッセージが伝わるか?
2.会社の魅力が伝わるか?
3.心に響く音楽であるか?
 

森本:今回の社歌コンテスト決勝でも、「点数が付けられない」と真剣に悩んでいたのが印象的でした。

川嶋:上位3組だけの発表とかならまだしも、1位から10位までしっかりランク付けされるってけっこうシビアですよね(笑)。

森本:そこが川嶋さんらしさですよね。評価される側の企業に想いをはせる姿に、関係者もみんな感激していました。

川嶋:妄想家なので、いろいろと想像しちゃうんですよね。

第二回NIKKEI全国社歌コンテスト決勝戦・表彰式

テーマソング「へっちゃら」に込めたメッセージ

森本:今回はコロナ禍でのイベント開催でした。率直な感想はいかがですか?

川嶋:皆さんの歌を生で聴きたかった、というのが正直な想いですね。ステージに立ちたかった方々がどれだけいるのかを考えると、多くの方々の我慢があっての開催だったと思います。でも開催自体も危ぶまれるような状況の中、あの日を無事に迎えられたことが奇跡のようで。いろんな瞬間を昨日のことのように思い出せます。

川嶋あい氏01
第2回NIKKEI全国社歌コンテスト決勝の様子

森本:今回、日本経済新聞社主催の「中堅・中小企業活性化プロジェクト」と「社歌コンテスト」の共同公式テーマソングとして「へっちゃら」を書き下ろしてくれました。どんな想いを込めて作られたのでしょうか?

川嶋:社歌コンテストにずっと関わらせていただいて感じたのは、人が人を動かし、人が未来を作り、人が夢を叶えるということ。やっぱり、人の背中を押せるのは人でしかないと思うんです。まわりの人に何気なくかけてもらったひと言や、一緒に過ごした何気ない時間が、その人の助けや支えになったりする。

そう考えたときに、ふと浮かんだのが「へっちゃら」という言葉でした。ひょっとしたら今の若い子たちは知らないかもしれないし、私もふだん使わない言葉だけど、なんだか心がすっと軽くなれる、すごく良い言葉だと思って。人生はいろいろと困難もあるけれど、まわりに大切な仲間がいて、その人たちがかけてくれる言葉があれば、これからも乗り越えていける。そんな明日を生き抜いていくパワーのようなものを、「へっちゃら」という言葉に込めました。

森本:今回の決勝で、まさか生で歌ってもらえるとは思わなかったので、とても感動しました。コンテストの最後にあの歌を聴けたことで、参加者や関係者みんなの気持ちが一つになったような気がします。

川嶋:あの日が初お披露目でした。私自身もすごく気に入っている曲なので、生み出すきっかけをくれた社歌コンテストの場で歌うことができて、うれしかったです。

川嶋あい氏02

音楽は、人の気持ちに寄り添う「プチ小旅行」

森本:企業が社歌を作ることの意義や、音楽が企業や社会に与える影響ってどんなものだと思いますか?

川嶋:社歌を通じて企業の人と人がつながり、広がり、そして絆が深まっていくような雰囲気を感じています。それから音楽って、ふとした時に聴くと気分が変わるじゃないですか。人の気持ちを少しだけでも変えられる、「プチ小旅行」のような存在だと思うんです、音楽って。だから社歌も、聴くと社員の方々の気持ちがちょっとでも変わるような、そんな存在であり続けてほしいなって思います。

森本:「プチ小旅行」って良い言葉ですね。つながりというキーワードがありましたが、社歌コンテストの一番の目的はつながりを生むことなんです。社員同士はもちろん、社外の取引先やパートナー企業、学生も含めて、社歌をきっかけにいろんなつながりが生まれることを望んでいます。

本企画にもご協力いただいている、中小企業の社歌制作で有名な情熱の学校のエサキヨシノリさんは、「感動とは、情景を創ることだ」とおっしゃっていました。まさに音楽には情景を創るチカラがあって、みんなが共通で思い描ける情景が生まれるから、新しいつながりも生まれると思うんです。

川嶋:音楽って感覚的な部分が一番大事ですもんね。音楽を聴いてパッと何かが浮かんだり、昔を思い出したり。

森本:懐かしい情景が自然に浮かび上がってくる瞬間がたまらないですよね。

川嶋:うん、たまらない。

川嶋あい氏03

森本:コロナ禍で川嶋さんの活動にも大きな影響が出ていると思いますが、このような状況だからこそ、ご自身も音楽のチカラを実感したのではないでしょうか?

川嶋:私自身、音楽に励まされた1年でした。コロナ禍でもいろんな素晴らしい音楽に出会って、それこそ「プチ小旅行」のように心を動かされ、より音楽に対する憧れが強くなりましたね。子どもの頃からずっと追いかけているけれど、まだ全然たどり着けない。素晴らしいものだなって、心からそう思います。

森本:そんな想いを抱きながら、今年8月20日には2年ぶりにワンマイライブを開催されるんですよね?

川嶋:はい。今年は、私が17歳の頃ワンマンライブをやらせていただいた旧渋谷公会堂のLINE CUBE SHIBUYAでワンマンライブをやります。当時この場所でワンマンライブをすることを目標にやっていた、私にとって大切な場所です。私が今伝えたい想いを音楽に乗せて全力で出し切る日なので、無理のない範囲で参加していただけたらありがたいです。

森本:楽しみにしています!社歌コンテストは今年も日本経済新聞社が中心となり、JOYSOUNDをはじめとする協賛各社や審査員の皆さんの協力を得て、パワーアップして開催する予定です。

川嶋:皆さん、本当に企業を全力で応援してくださっていますよね。日経さんは紙面を割いて大々的に告知をしたり、JOYSOUNDさんは決勝に勝ち残った企業の社歌を全曲カラオケに配信してくれたり。とっても粋な計らいというか、そういう心遣いが最高ですよね。今年も素晴らしい社歌に出会えることを心から楽しみにしています。

森本:ありがとうございます!今年も応援団長をよろしくお願いします!

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