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社歌で経営課題を解決!「社歌コンテスト」No.4

社歌コンテスト優勝2社が語る、挑戦の先に得たもの

2021/04/16

2021年2月24日、企業の社歌動画日本一を決める「第二回NIKKEI全国社歌コンテスト決勝戦・表彰式が開催され、応募企業193社の中からクレディセゾンが最優秀賞に輝きました。

今回は受賞を記念して、第一回・第二回最優秀賞企業への特別インタビューを実施。クレディセゾンの喜多村明日香氏、第一回最優秀賞(第二回は10位)を受賞した富国生命保険の木村美生氏に、社歌で得られた効果や意義について、社歌コンテスト発起人の電通・森本紘平が聞きました。

社歌コンテスト2020

“日本一”という唯一無二の経験が、企業を一つにする

森本:お二人には社歌コンテスト決勝イベントにご参加いただき、見事なプレゼンテーションを披露してくださいました。喜多村さん、木村さん、まずは決勝を終えての感想をお聞かせいただけますか?

木村:10位という結果を受けて、当日おじいさんの格好でラップをしたのが間違っていたなと反省しています(笑)。それは冗談として、今回の動画は全国各地の社員から役員、社長まで本当に多くの人たちに支えられて完成したので、必ず決勝まで進んで爪痕を残すことを目標に掲げていました。

その意味では、決勝を見ていただいた人たちから「よくやったね」と言ってもらえたので、ホッと胸を撫で下ろしています。

富国生命保険
富国生命保険/"【フコク生命 社歌】100周年にちなんで100名で歌ってみた!"

喜多村:あのプレゼンは衝撃でした(笑)。

森本:会場に妙な一体感が生まれた瞬間でしたよね。

喜多村:振り切っている姿が、見ていて気持ち良かったです。ありがとうございました(笑)。

木村:どういたしまして。

木村美生氏
富国生命保険 木村 美生氏

森本:喜多村さんはいかがですか?

喜多村:私たちも決勝を目指して一生懸命取り組んでいました。グループ企業や取引先企業様からの応援もあり、決勝進出が決まったときは本当に嬉しかったです。でもまさか最優秀賞を頂けるとは思っていませんでした。当日も翌日以降も社内外からたくさんのメッセージを頂き、改めて社歌コンテストの影響力の大きさを実感しました。

クレディセゾングループ
クレディセゾングループテーマソング/"わたしセゾン"

森本:クレディセゾンは女性社員によるアイドルグループ「東池袋52」が存在すること自体、個性が突き抜けていますよね。どうやって日々の業務と活動を両立しているのか気になっていました。

喜多村:東池袋52のメンバーはクレディセゾンと関係会社の女性社員で構成されるアイドルグループです。そのため、各々が通常業務とうまく調整しながら活動をしているので、ダンスも全体で合わせるのはイベント前日1回ぐらいで、自主練習が基本です。通常業務を疎かにしないことは大前提で、それでも「やるからには本気で、楽しんでやる」ことを心がけています。

森本:企業のコミュニケーション手法として秀逸ですよね。僕は人の心を動かすコンテンツにはエンターテインメント要素や、人と人とがつながる仕掛けが欠かせないと思っているのですが、まさにそれを体現されていると感じます。

木村:企業が社員のアイドルグループを作るのは、いろいろな面でハードルがあると想像できます。おそらく社内外からの反対意見もあったと思うのですが、そういった障壁を乗り越えて実現させていることがすごいですよね。今回、最優秀賞を受賞されたことで、これまでの努力が報われたり、メンバーがさらに誇りを持って活動できるようになると良いですね。

喜多村:最優秀賞を頂けたことは、確実にメンバーのモチベーションアップにつながります。何よりも、今回の活動を本当に多くの方々に応援していただけたことが、とても嬉しくて誇らしいことです。

木村:日本一になる経験ってなかなかできないですもんね。私も社歌コンテストが初めて。社内のみんなも喜んでくれて、社歌で一つになることの素晴らしさを、身を持って実感できました。

喜多村明日香氏
クレディセゾン 喜多村 明日香氏

労力を惜しまない“全力”コミュニケーションが味方を増やす

森本:富国生命は第一回NIKKEI全国社歌コンテストで最優秀賞を受賞していますが、どのような経緯で社歌コンテストに参加したのでしょうか?

木村:現在、当社では創業100周年に向けた「100周年プロジェクト」を展開しています。その一環として社歌コンテストへの参加を社内に企画したのですが、却下されてしまいまして。仕方なく私のチームで勝手に動画を作って応募したんです。当然、社内はざわつきました(笑)。

森本:大胆ですね(笑)。どうしてそこまでして、社歌コンテストに応募しようと思ったのですか?

木村:当社は堅実に積み重ねてきた歴史と信頼がある一方で、新しいことを開拓する文化があまり根付いていないと感じていました。社歌コンテストに応募するだけでも、会社にとっては衝撃的な出来事でしたから。でも、そのチャレンジすらできなければ、業界初の革命的な商品・サービスを生み出すことはできないと思うんです。

森本:会社の意識改革が念頭にあったのですね。最初は社内からの反発もあった中、どのように味方を増やしていったのでしょうか?

木村:応募したからにはトップを目指すべきだと思い、全国62拠点の拠点長一人ひとりに電話して、自分の言葉で社歌コンテストに対する想いを伝えました。それも1回きりではなく、定期的にコミュニケーションを取り続けて、取引先企業様にもお電話しました。

森本:サラッと仰っていますけれど、62拠点へ何度も電話するのはかなりパワーがいることですよね。

木村:当然メールも送るし、社内報でも情報発信しますが、やっぱり電話が一番想いを伝えられますからね。おかげさまで、社内からは完全に“社歌の人”だと思われていましたよ(笑)。それでも全力でコミュニケーションを取り続けることで徐々に応援してくれる仲間が増えていき、投票締切ラスト3日間の盛り上がりは本当に一体感を感じることができました。

喜多村:今のお話は、東池袋52を結成したときの経緯と通じるものがあると思いました。やはり、最初は社内でアイドルグループを作ることに反対意見も多くある中、発起人のプロデューサーが各方面に粘り強い交渉と対話を行い、リスクや懸念点を一つ一つクリアしていくことで、少しずつ理解を得られるようになりました。

喜多村明日香氏2

社歌で見つめ直す、自社や仲間の魅力。それはビジネスの強みにもなる

森本:今回はコロナ禍での開催でしたが、このような時期だからこそ、歌を通じてみんなが一つになることの意義があると、決勝戦を見ていて思いました。お二人は改めて、社歌や音楽の力をどのように捉えていますか?

喜多村:音楽には、世代も何もかも超えて通じ合うものを生み出す力があると思っています。コロナ禍でなかなか社員や取引先の方々と顔を合わせることができない中、共通の音や歌があることで、どんなに離れていても一体感を作れることを、今回の活動を通じて心から実感しました。

木村:どんどん効率化や生産性の向上が進められる一方で、会社としての“まつりごと”が減ってきているように感じています。でも、みんなで何か一つの目標に向かって一生懸命取り組むことは、「自分はこの組織にいるんだ」という実感が得られる大切な瞬間だと思うんです。そこで改めて会社の良さに気が付いたり、社員の今まで知らなかった意外な一面を知ったり。当たり前のように所属している組織を、当たり前じゃないものとして見つめ直す良い機会になりますよね。

森本:社歌コンテストへの参加を迷っている企業の背中を押すような、素晴らしいコメントですね。

社歌コンテスト

木村:来年優勝するつもりだからあまり言いたくないのですが(笑)、参加しようか迷っている企業、少しでも興味がある企業の皆さんは、絶対に一度参加してみることをおすすめします。とにかくやると決めて、クオリティは20点でも良いので作って応募する。その結果、会社の雰囲気がどのように変わったかが大事なんです。その素晴らしさは、参加した企業にしか分からないもの。そして、また次回30点、40点、50点を目指せば良いんです。正直、メリットしかないですよ。

喜多村:木村さんと同意見で、参加してみて気付くことがたくさんあります。私たちの場合、コロナ禍で東池袋52の活動ができなくなり、この先どうしていくべきか答えが見つからない中で社歌コンテストに応募しました。でも結果的に素晴らしい賞を頂けて、改めて私たちの活動を認めてもらえた気がしました。

森本:社歌コンテストを通じて、あらゆる面で社内の変化が生まれていると思いますが、今後そういった変化を社外の活動につなげていくこともできそうですね。

木村:社歌動画を見てくださった取引先の方々から、「フコクさんのイメージが変わりました」と言われることが多くなりました。要するに、富国生命保険は“お堅い生命保険会社”の印象が強く、社内の人間も自社に同じようなイメージを抱いているのです。それは決して悪いことではありませんが、取引先からの印象が変わったことで、内部にも少し変化が生まれているように感じます。

特に今回の動画では、社員の特技や普段見せない一人ひとりのパーソナリティをお見せしています。こうした個性や意外な側面が、今までにない新しい商品・サービスを展開する上で強みになる可能性だってあると思っています。

森本:その人の意外な一面を社内外の人が知ることで、新たなネットワークやコミュニケーションも生まれそうですね。

木村美生氏

社歌から生まれる、社員同士・企業同士の新たなつながり

森本:僕は日経と一緒に社歌コンテストを通じて、参加企業同士で何か新しいものが生まれる“きっかけ作り”をしていきたいと思っています。それこそ、僕たちの知らないところでも勝手にコラボレーションが次々と生まれる状態になると嬉しいです。業種も規模も違うけれど、決勝の会場にいたみんなに生まれた一体感にその可能性を感じました。企業の本質が詰まった社歌を通してつながれたからだと思います。

喜多村:それで言うと、今回の社歌コンテストをきっかけに、決勝戦に出場されていたえびす屋さん(人力車サービス)にセゾンカード会員様向けの優待加盟店として出店していただきました。えびす屋さんをご利用の際は、お得な優待が受けられるセゾンカードをお使いください(笑)。

森本:素敵なコラボレーションですね。

木村:富国生命保険は次の100年に向けて「THE MUTUAL」というコンセプトを掲げています。これは、われわれと関わる全ての人のつながりを深め支え合う“相互扶助”を目指すもの。社歌コンテストもイベントを通じて社員同士、企業同士の深いつながりが次々と生まれていますよね。その意味では、社歌コンテストのコンセプトも「THE MUTUAL」だと言えます。

森本:な、なるほど(笑)。でも本質的には通じるものがありますよね。

木村:THE MUTUAL、今日一番言いたかったのはこれです。絶対に入れてくださいね!

森本:分かりました、全部太字にしておきますね(笑)。

木村:ところで、喜多村さん。アイドルグループに100歳のおじいちゃんが混じっていたら面白くないですか?

喜多村:面白いですね。面白いけれど、戸惑いますね(笑)。

木村:THE MUTUALということで、この機会に何かコラボレーションできたら良いなって思っているんです。1位と10位のコラボってなんか良いですよね。

喜多村:そこは第一回最優秀賞と第二回最優秀賞のコラボにしましょうよ(笑)。

木村:喜多村さん、素敵なことを言いますねぇ。ぜひ何かご一緒できたら嬉しいです。

森本:まさに、THE MUTUALが始まる瞬間に立ち会えて光栄です(笑)。最後に、本コンテスト実施に、社を挙げての想いで尽力する2大企業、主催の日本経済新聞社、特別協力のJOYSOUND(エクシング)へ何かコメントはありますか?

木村:2年連続でコンテストに応募し、最優秀賞、決勝戦進出10位という結果を頂けたことはもちろん、この取り組みを通じて富国生命で働く職員が今まで当たり前に感じていた自社の素晴らしさ、ヒト、一体感を改めて感じることができました。

今回応募した社歌は、創業55周年時に作成した社歌「今こそ躍進」です。今では職員が歌う機会が減っていましたが、社歌コンテストに応募することで再び光が当てられ、この歌で優勝を目指すことで一体感が醸成されました。

多くの企業が参加したコンテストであったため、刺激的であり、競争心が生まれ、愛社心も芽生えました。このような機会を提供いただき、本当に感謝しています。

喜多村:この度は名誉ある最優秀賞を頂き、ありがとうございました。自社で作ったアイドルグループがデビューして4年弱経過した今、このような大きな成果として戻ってくるとは思ってもいませんでした。この賞を頂いたことで、世の中の皆さまにクレディセゾングループを知っていただくことができ、そして、グループ全体を盛り上げることができそうです。

今後もこのように、日本中のビジネスパーソンが自社で働いていて「よかった」と思える機会が増えたら、とても未来は明るいと感じております。ぜひ今後も継続していただきたいイベントです。とても貴重な機会を頂き、ありがとうございました。

森本:お二人のコメントに胸が熱くなりました。今後の2社のコラボも楽しみにしています。本日はありがとうございました!