決勝直前!社歌コンテスト、JOYSOUNDが支える理由
2021/01/28
企業から社歌動画を募集し、ウェブ投票と特別審査員の審査で日本一を決める社歌コンテスト(通称:社歌コン)。
日本経済新聞、JOYSOUND(エクシング)、電通&電通PRの3者が協力して企画・運営する本コンテストは第2回を迎え、コロナ禍にもかかわらず応募数193社(前年比110%)、累計投票数68万票(前年比180%)を記録。2021年2月24日(水)、予選通過した10社による決勝戦が開催されます。
決勝を目前に控え、今回は「NIKKEI全国社歌コンテスト」を初回から支えてきたエクシング経営戦略部 宣伝広報グループの寺本勝哉氏、島村舞氏にインタビューを実施。
コロナで音楽・エンターテインメント業界が苦境に立たされる中、JOYSOUNDが社歌コンテストを支える理由や、そこに込められた思い、決勝戦の見どころについて、2016年に社歌コンを立ち上げた電通・森本紘平が聞きました。
ライブイベント中止と3密回避、カラオケ業界への影響は甚大
森本:お二人とは2019年の社歌コンテストからご一緒しているのですが、僭越ながら勝手にシンパシーを感じている部分があります。それは、「失敗を恐れず挑戦する」ということ。
以前からJOYSOUNDの先進的なサービスや社歌コンテストを通じてそれを感じていましたが、さらにコロナ禍における取り組みを見ていて、強い気持ちで前向きにチャレンジする姿勢に感動しました。
今、音楽・エンターテインメント業界はとても苦しい状況が続いていると思います。まずは、コロナ禍のJOYSOUNDについて教えていただけますか?
寺本:コロナの影響でライブイベントの中止が相次ぎ、音楽業界が全体的に落ち込む中、さらに飛沫感染や3密といったキーワードとカラオケとの関連性も高いため、非常に厳しい状況ではあります。
島村:アーティストのライブやリリースが減少したことで、それに伴うキャンペーンがなくなり、新曲配信も減りました。加えて、カラオケ店に足を運ぶお客さまも減ったことで、業績的に大きな影響を受けています。
森本:2020年に緊急事態宣言が発令された際は、店舗はどうされたのでしょうか?
寺本:一斉休業しました。JOYSOUND直営店では、今回(2021年1月)の緊急事態宣言も時短要請どおりに縮小し、ガイドラインに基づいてお客さまの健康・安全面を最優先で考慮しながら営業しています。
島村:当社では毎年「JOYSOUND 全国カラオケ大会」というイベントを開催しており、多くのファンや参加者の方々が楽しみにしています。2020年も何とか開催する方法を模索していたのですが、やはり健康・安全面を考えると中止せざるを得ませんでした。
新しいことに挑戦する風土、コロナ禍で本領発揮
森本:本当に大変な状況が続いていると思いますが、その中で取り組まれたことを教えてください。
寺本:SNSなどを通じてお客さまから「カラオケに行きたい」「歌いたい」という声をたくさん頂き、少しでもその想いに応えるべく、公式YouTubeチャンネルで人気カラオケ300曲を無料公開し、誰もが家でカラオケを楽しんでいただけるようにしました。
森本:ものすごい再生数でしたよね。ただ、JOYSOUNDはスマホやゲーム機と連動した家庭用カラオケサービスを展開されているので、正直この施策にはとても驚きました。
島村:確かに既存サービスに不利益を与える可能性がある施策でしたが、今は皆さんの「歌いたい」という気持ちに応えること、カラオケで歌う文化を残すことが何よりも大切だと思ったんです。
寺本:緊急事態宣言が解除された後も、安心してカラオケを楽しんでいただくための新機能「マスクエフェクト」(マスクを付けて歌っても歌声がはっきり聴こえるエフェクト)を1カ月で開発し、展開したり、対面接触を減らすためにロボットを活用した接客サポートをテスト導入したりと、開発中のものも含めてさまざまな施策にチャレンジしています。
森本:これだけスピーディにチャレンジできるのは、コロナ以前から新しいことに挑戦する精神が浸透していたからではないでしょうか?
寺本:確かに、コロナ以前の取り組みが実を結んだケースもあります。例えば、2019年にライブビューイングや映像コンテンツをカラオケルームで楽しめる「みるハコ」をリリースしたのですが、コロナ禍の新しいエンターテインメントの形として改めて多くのメディアに取り上げていただき、アーティストの方々との連携も増えたことで、コンテンツの量と幅が拡大しています。
森本:「みるハコ」は、ライブ感とプライベート感を両立しているのがポイントですよね。リアルイベントよりも好きなタイミングで飲んだり食べたり、周囲を気にせずに自分のペースで楽しめる点が素晴らしいと思いました。
コロナ禍こそ、社歌が企業を輝かせる
森本:世の中がコロナで揺れ動く中でしたが、さまざまな方面から多数の要望を頂き、JOYSOUNDをはじめとするチームが一丸となって無事に第2回NIKKEI全国社歌コンテストを開催。応募数193社(前年比110%)、累計投票数68万票(前年比180%)、投票開始前からサイトアクセス数が昨年比4倍となるなど、予想をはるかに超える反響を頂いています。アクセス殺到によりサイトにつながりづらい状況が発生してしまったことは大変申し訳なく思います。
島村:私たちも想像以上の盛況ぶりに驚いています。応募作品を拝見し、日本にこんな面白い会社があるのか!という発見があり、会社愛に満ちた歌と映像に感動しました。
寺本:昨年もそうでしたが、企業風土や思いが端的に伝わりますよね。社歌は就職活動で企業を探すツールとしても優れていると思いました。僕が若かったら間違いなく社歌で企業を選んでいたと思います。
森本:実際に応募企業のアンケート結果でも、「社員の統一感が向上した」「社員のコミュニケーションが増加した」という効果のみならず、「人材採用に効果があった」という企業も出てきています。
島村:コロナ禍だからこそ、社歌の意義が際立った面もあると思います。例えば、在宅勤務が主流になったことで、社員同士のつながりの希薄化や孤独感を感じている方も多いと思います。
ずっと一人で作業をしていると、会社に所属している意識も薄れがちですよね。その際に、社歌制作を通じて社員同士の気持ちをつないだり、企業理念を浸透させたりするのは非常に大切なことだと思うんです。
森本:まさに島村さんのおっしゃるとおり、「コロナで社内一体となれるイベントができずコミュニケーションの限界を感じる中、エントリーのために各事業所でダンスの練習や準備をしたことで、全社的に盛り上がって横のつながりができた」という感想も頂いています。
今こそ、音楽のチカラ
森本:このように多くの企業に評価していただいている社歌コンテストですが、大変な社会状況の中で開催まで結び付けられたのは、JOYSOUNDのサポートが大きな要因です。正直、2020年は経営的ダメージが少なくなかったと思うのですが、それでも社歌コンテストを支えてくださった理由を教えていただけますか?
寺本:森本さんの熱い思いに応えたかったからです。というのは個人的な気持ちとして確かにあるのですが(笑)、企業としては、「今こそ、音楽のチカラ。」というテーマを掲げていますし、昔から音楽のチカラを信じてきた企業です。
このテーマに込められたメッセージと社歌コンテストが掲げているメッセージが完全に合致しているので、どのような状況でもご一緒したい。われわれがこの事業から外れることがあってはならないと強く思いました。
島村:2020年に緊急事態宣言が解除された後、前回の社歌コンテストで「情熱賞」を受賞したダイワ化工取締役の大藪めぐみさんから動画が送られてきたんです。開いてみると、社長の建治さんがカラオケで自社の社歌を熱唱している映像でした。
添えられたメッセージには「この曲を何度も歌いました。厳しい状況下でも従業員を守っていくのだと、気付けば涙を流しながら歌っていました」といった内容が書かれていて、私も目頭が熱くなりました。
その時、音楽のチカラを改めて実感すると同時に、カラオケにも少なからず世の中の人を元気にするチカラがあること、そして社歌のチカラを確信しました。
コロナ禍に社歌という音楽のチカラで、人々を元気付けるお役に立てたことをとてもうれしく思いますし、その場を与えていただいた日経さんにも感謝しています。
日経とJOYSOUNDの本質は、「企業(人)の背中を押す」こと
森本:社歌コンテストのコピーは、JOYSOUNDの思いも含めて書いているのですが、日経の思いとも一致しているのが面白いポイントだと思います。JOYSOUNDがカラオケ曲を無料公開したのと同じように、日経もコンテスト応募企業のために紙面をはじめとした多くの資産を提供しています。
寺本:日経さんは本当に驚異的な尽くし方をされていますよね。着眼点自体も優れているし、アイデアを具現化する推進力もある。担当者の方に熱い思いがあり、それを上層部の方が理解しているからこそ実現できるのだと思いました。
森本:僕は日経の本質は「企業の背中を押す」ことだと思っているのですが、その本質を体現しているのが社歌コンテストです。社歌を通じて今まで新聞社と接点がなかった企業とも良い関係性が生まれ、企業の成長に貢献しています。
そして、JOYSOUNDの事業にも根底には「人の背中を押す」という応援の気持ちがあると捉えています。僕が感動したのは「キョクナビ」(スマホアプリでカラオケを操作し、自分達の思い入れのある写真や映像を背景にして歌ったり、カラオケの思い出をシェアしたりできるサービス)です。ユーザー目線で考え尽くされているサービスで、その場にいる人たちの結束を高め、また明日から頑張ろうと前向きな気持ちにさせる仕掛けが細部まで散りばめられていますよね。
寺本:そうおっしゃっていただけるとうれしいです。アンバサダーを招いてお客さまと一緒にサービスを考える仕組みをつくるなど、ユーザー目線は常に意識しているポイントです。
決勝は2/24(水)午後1時30分!生配信も決定!
森本:さて、社歌コンテストの決勝戦および表彰式は2021年2月24日(水)日経ホールで開催されます。決勝は社歌動画の上映とともに各社2分間のアピールタイムを設定。審査員による審査を行い、最優秀賞が決まります。(午後1時30分から日経チャンネルで生配信予定)。
ずばり、今回の見どころや注目している社歌を教えていただけますか?
寺本:それが、決勝に残らなかった企業も含めて本当に魅力的な社歌がたくさんあって、なかなか絞れないんですよね……。
島村:そうなんです!今から敗者復活戦を開いてくれませんか?(笑)個人的には、タカマル鮮魚店は素晴らしいと思っていました。
森本:タカマル鮮魚店、良かったですよね!僕も決勝には残れなかったものの、一蘭、エイブル、枚方市、四国銀行、ぽかぽか保育園、保研オフィスなど、推していた企業は枚挙にいとまがないほどあるので、気持ちはすごく分かります……。では、決勝進出10社のリンクを貼って、読者の皆さんに判断を委ねましょう!
寺本:今回も企業の思いや個性が凝縮された、素晴らしい社歌動画が集まりましたね。
島村:どこが優勝してもおかしくないので、今から本当に楽しみです!
森本:コロナ禍でも「音楽のチカラ」で一つになった企業の姿を、ぜひ多くの方々にご覧いただけるとうれしいです!
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