“中小企業日本一応援”掲げるココペリが、社歌コンテスト支える理由
2021/07/20
企業から社歌動画を募集し、ウェブ投票と特別審査員の審査で日本一を決めるNIKKEI全国社歌コンテスト(通称:社歌コン)。
日本経済新聞社、JOYSOUND(エクシング)、電通の3者が協力して企画・運営する本コンテストは第3回が開催され、7月8日から参加企業を絶賛募集中です(詳しくは公式サイトをご覧ください)。
今年から社歌コンテストを一緒に盛り上げていくパートナーとして、中小企業向けの経営支援プラットフォーム「Big Advance」などを展開するココペリが新たに協賛に加わりました。
“中小企業日本一応援”を掲げるココペリが目指す未来と中小企業の魅力、そして社歌コンテストと共鳴するものについて、代表取締役CEOの近藤繁氏と広報担当の今安彩子氏に、社歌コンテストを立ち上げた電通・森本紘平がインタビューを行いました。
【株式会社ココペリ】
2007年創業。中小企業向けの経営支援プラットフォーム「Big Advance」、社労士、弁護士などの専門家にスポットで業務を相談できる「SHARES」などのサービスを開発・展開し、金融機関と連携しながら中小企業の成長をサポートする。2020年東証マザーズ上場を果たした、急成長中のスタートアップ企業。
https://www.kokopelli-inc.com
中小企業にテクノロジーを届け、企業価値の中に未来を見つける
森本:この度は社歌コンテストにご協賛いただき、ありがとうございます。ココペリは中小企業や金融機関をはじめとする企業の成長を応援してきたという点で、社歌コンテストの理念と通じるものがあると感じています。はじめに、ココペリという会社のことを改めて教えていただけますか?
近藤:ココペリは「企業価値の中に、未来を見つける。」というミッション、そして「中小企業にテクノロジーを届けよう。」というビジョンを掲げています。時代の変化とともにビジネスはどんどん複雑になり、企業の価値も見えにくくなっています。テクノロジーを活用して企業価値を可視化することで、より成長し、より愛される企業を増やしていきたい。ミッション・ビジョンにはそのような思いが込められています。
森本:どうしてテクノロジーを活用しようと思ったのでしょうか?
近藤:テクノロジーを使わなければミッション・ビジョンを実現できないと考えたからです。創業時は主に中小企業のバックオフィス支援をしていたのですが、労務や法務について相談されることも多かったんです。その背景には、多くの中小企業は顧問労務士や顧問税理士を雇う余裕がないという課題がありました。そこで立ち上げたのが、月額費用ゼロで全国の専門家に相談できる「SHARES」です。見積依頼は無料で、複数の見積の中から最適な専門家を選べるという、かなり中小企業に寄り添ったサービスです。
森本:労務士や弁護士から相見積を取れるのが革新的ですよね。専門家からの反発はなかったのでしょうか?
近藤:サービスが浸透するまでは大変でしたね。今でこそ3000人近くの専門家が登録していますが、最初の数百人は一人一人に会いに行き、「中小企業を救うためにあなたの力が必要なんです」と熱弁し続けました(笑)。
森本:テクノロジーを使ったサービスでありながら、作り上げる過程はアナログでとても大きな熱量を感じました。
近藤:一方、「SHARES」はウェブサービスなので、例えば町工場などあまりウェブを使わない方々にはなかなか知ってもらえないという課題がありました。どうすれば広まるかを考えたとき、中小企業の皆さんが一番コミュニケーションを取っているのが地域の金融機関だと気づいたのです。そこで、私たちのサービスを届けるラストワンマイルを金融機関に担っていただこうと、横浜信用金庫と共同で開発したのが「Big Advance」です。
森本:素晴らしい座組ですよね。中小企業への貢献はもちろん、法改正等で過渡期にある地域金融機関も人材確保やビジネスマッチングといったメニューを提供することで価値向上につながります。
近藤:企業が金融機関から融資を断られるケースは少なくありません。それは仕方ないことなのですが、経営者としては自分の分身のような存在に「信用がない」と烙印を押されたようなものですから、メンタル的にはけっこうつらいものがあります。その時に、「融資はできないけれど、こんなビジネスマッチングはどうですか?」と金融機関から提案してもらえるだけでも救われるんです。金融機関との関係性も変わりますよね。
森本:結果的にビジネスマッチングで本業が成長すれば、負債を抱えなくて済むかもしれません。それは地域経済を応援する金融機関の在り方として正しいですよね。
中小企業がもっと胸を張れる世の中をつくりたい
森本:近藤さんは創業時から一貫して中小企業応援を掲げていますが、その原体験はどこにあるのでしょうか?
近藤:愛知県で生まれ育ったので、製造業の中小企業が身近にありましたし、実際にそこで働いている地元の友人も多くいます。私も18歳で東京の大学に進学しましたが、理系だったのでそのまま大学院まで進んでシステム系の企業に就職する未来を想像していました。でも大学3年生の終わりに、ふと「1回も日本を出たことがないし、本当にこのままで良いのか?」と立ち止まったんです。すぐに休学届けを出して、近所の本屋で留学本をパラパラとめくり、直感でアメリカのサンディエゴに行くと決めました。
森本:すごい行動力ですね。
近藤:片道チケットだけ買って、お金がないからポートランドとソルトレイクを経由するルートでサンディエゴへ。ポートランドとポーランドを勘違いするぐらい、何も知りませんでした(笑)。
現地に行って感じたのは、町を掃除している人やレジ打ちのおばちゃん、工場の人たちが、みんな生き生きと働いているということ。スーパーでもお客さんがレジの人に偉そうな態度を取ることはなく、みんなサンキューといって帰っていく。移民の国だからか、お互いが公平でリスペクトし合っているのを感じました。
森本:確かに、日本ではあまり見かけない光景かもしれません。
近藤:そのようなカルチャーショックを受けて日本に帰国したのですが、当時はテクノロジー系のベンチャー企業が急成長していたので、いつか自分も起業したいという気持ちが出てきました。そこで、経営者に会える機会が多い銀行の営業職に就いたのです。
森本:なるほど、最初から起業を見据えて就職されたのですね。
近藤:就職後、実際に中小企業の融資に携わる中で、中小企業の経営者たちがみんな生き生きとしていて、アメリカで出会った人たちと同じ雰囲気を感じました。一方、金融機関に対して必要以上に腰が低いことに違和感も覚えたんです。銀行側も商売で融資をしているのだから、対等な関係でいいはずなのに、自分のような若い行員にペコペコ頭を下げる必要はないんじゃないかと。
そのようなモヤモヤを個人的に抱えながら、知り合いの中小企業に転職しました。そこで気が付いたのは、経営者は本業に力を発揮すべきなのに、経理や給与計算などのバックオフィス業務に時間を奪われているということ。
経営者が企業価値を高めることに専念できるようにバックオフィスの負荷を減らし、中小企業が胸を張って生きていける社会をつくりたい。自分の中でやりたいテーマが徐々に固まりつつあったとき、たまたま所属する企業が倒産してしまい、思い切ってココペリを創業したのです。
森本:そうだったのですね。僕の親も中小企業を経営していたので、規模は小さいながらも、経営者がどれだけ覚悟を決めて生きているのかを間近に見てきました。近藤さんの「中小企業はもっと胸を張っていい」という考え方にすごく共感します。仕事を通して素晴らしい中小企業経営者たちとお会いすればするほど、中小企業“支援”という言葉を、自分は使えないと感じました。自分にはない分野での挑戦と成果を継続する人たちに対し、おこがましすぎると思ったんです。
近藤:分かります。中小“零細”企業なんて、本当にひどい言葉ですよね。中小企業も金融機関も私たちも、あくまでも対等なパートナーとして一緒に成長していきたいと日々考えています。
数字が増えているのではなく、仲間が増えている感覚
森本:今回の社歌コンテストでは、広報の今安さんに大変ご尽力いただいています。今安さんはどのような経緯でココペリに入社したのでしょうか?
今安:もともと社員数千人規模の保険代理店で営業・人事を経て、社長室での社内広報を担当していました。非常にやりがいを感じていた一方で、顔と名前が一致する規模の企業でも働いてみたいという思いや、代理業ではなく自社のサービスを広報として育てていくことにチャレンジしたいという思いがあり、転職活動を始めました。
その中でたまたまココペリに出会い、正直最初は何をやっている会社なのかよく分からなかったのですが、なんとなく面白そうだなと思って応募したんです。
森本:何が入社の決め手になったのでしょうか?
今安:1次面接を現・取締役が担当してくれたのですが、会社のこと、サービスのことを「外部の人間にそこまで話していいの?」というほど赤裸々に語ってくれたんです。その熱量がすごくて、たぶん私が発言したのは5分にも満たなかったと思います(笑)。でも、自分たちのプロダクトに絶対的な自信があって、しかもそれが中小企業や日本のためになると真剣に信じていることが伝わりました。ちなみに2次面接もあると聞いていたのですが、1次面接の最後に「絶対合うと思うからオッケー!」と言われて、直感でこの会社に行こうと決めました(笑)。
森本:それはすごいですね。実際に入社してみてどうですか?
今安:金融業界のことは全然知らないし、人数が少ない会社も初めて。それまでエンジニアの方と話したこともなかったので、不安だらけでした。でも入社してからは毎日が刺激的だし、何よりも中小企業の方々とお会いすると、本当に生き生きと過ごされているので、入社して良かったと毎日思っています。
森本:採用インタビューのような素晴らしいご回答ですね(笑)。日々ココペリのリリースを拝見していると、本当に頻繁に全国各地に足を運んでいますよね。「Big Advance」も金融機関数72、会員企業数5万社超えと、急速に普及しているのが分かります。決算情報を拝見しても、全国の金融機関・企業のニーズが売上・利益にも反映され、急成長されています。
今安:私が入社したときは、提携金融機関が1、利用数も1000社程度だったので、それを考えると感慨深いです。でも、数が増えているというよりは、仲間が増えている感覚があります。定期的に実施しているイベントでも、業態を超えて地域を良くするためにどうすべきかをみんなで考えていく、その尊さに毎回感動します。
森本:中小企業の強みの一つに、横のつながりや仲間との連帯感があると思っています。一人の経営者が何かをやろうと思ったときに、経営者の仲間たちがバッと集まって一緒に共創する。大企業ではなかなか実現し得ない、ダイナミックな動きに価値があると感じています。
社歌を歌う人たちの輝く姿に、協賛を決意
森本:最後に、創業以来初となる協賛事業に社歌コンテストを選んでくださった理由を教えていただけますか?
近藤:最初に社歌コンテストの話を聞いたときは、正直ピンと来なかったので断ろうと思っていました。でも今安にしつこく勧められて試しに動画を見てみると、出演している人たちの表情がみんな輝いていて、めちゃくちゃ感動しました。
今安:社歌ってあまりキラキラしているイメージがなかったのですが、社歌コンテストは違いましたよね。まさしく、自分たちが応援したい人たちがそこにいました。
近藤:動画を見て、一発で考えが変わりましたね。中小企業の割合が圧倒的に多い社会で、その人たちが自社に誇りを持つことができたら、世の中は絶対にもっと良くなります。社歌にはその役割が担えると思いました。
今安:社内だけでなく地域を巻き込める可能性もあるし、社歌コンテストをきっかけに企業同士の新たな出会いも生まれそうですよね。
森本:うれしいお言葉をありがとうございます。社歌コンテストの本質的な価値は仲間づくりだと思っているので、一回限りのコミュニケーションではなく、社歌を起点に新しいつながりがどんどん生まれることを目指しています。運営側も主催の日本経済新聞社・特別協力のJOYSOUND(エクシング)をはじめ、審査員・協力社含め、熱いメンバーで構成されています。ぜひココペリの皆さんにもつながっていただきたいです。
近藤:いいですね!楽しみです。「Big Advance」もコミュニティとして企業同士が利活用していただくことを目指しているので、社歌コンテストと本質的に共鳴するものがあると感じています。
森本:ありがとうございます。横浜信金の依頼で2018年のYokohama Big Advanceリリース発表会とPRをお手伝いさせていただいてから3年、このような形でご一緒できるのが感慨深いです。ぜひ「Big Advance」の会員企業の皆さんにも参加していただいて、みんなで社歌コンテストを盛り上げていけるとうれしいです。本日はありがとうございました!
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