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ArounD 30 ○○をもっと面白くするアイデアNo.14

「しりとり」をもっと面白く

2017/03/07

電通の若手アートディレクターが考える「○○をもっと面白くするアイデア」をご紹介。今回は、田頭慎太郎さんによる「しりとりをもっと面白く」です。

しりとり/田頭慎太郎

見慣れた文字を見慣れない文字に。

──なぜ「しりとり」というテーマにしたのですか?

田頭:大学のころから文字が好きで、卒業制作では「くノ一フォント」という書体を作りました。

「女」という字の中に、「く」「ノ」「一」という文字が潜んでいることが女忍者くノ一の由来ですが、そのルールに従って、ひらがな、カタカナを元に常用漢字を全て作りました。ちょっとしたルールを作り、文字を組み替えることで、新しい見え方が生まれる。その考え方で、今回のからまるしりとり文字も作りました。

文字同士を絡めてつなげる、というルールに従い組み替えていくことで、見慣れた文字が、見慣れない文字になっていきます。

実は、からまる文字は以前にも作ったことがあるのですが、しりとりにしたのは今回が初めてです。しりとりって、基本的に声のやりとりで行うものなので、耳で聞くものですが、それが視覚化されるのは面白いかなと思っていました。

しりとり

秘湯で宇宙と溶け合う「宇宙浴」

──今、興味関心があることは何ですか?

田頭:秘湯巡り。もう20カ所ぐらい行っています。子どもが生まれてからなかなか行けないんですけど。初めて行ったのが栃木県の山の中の秘湯。25メートルプールみたいな大きい露天で、深夜、温泉に入って何げなく空を見上げたら、もう一面が星空。星、というか宇宙の存在を強く感じて、恐怖を覚えました。巨大な宇宙がぐぐぐっと自分の方に押し寄せてくる感じがして。広大な宇宙の中にある地球の上にいる自分を感じて、あ、自分も宇宙の中にいるんだ、と思って、ゾクゾクして。これにはまってしまったんです。

温泉に耳まで身を沈めて、岩に頭を預けて寝転がって星空を見上げる。山の中、月明かりが神秘的で、1分に1回くらい流れ星が見える。しばらくそうしていると、宇宙にいる自分をだんだんと感じることができる。僕はこれを「宇宙浴」と呼んでいるんですけど、最高ですね。宇宙と自分が溶け合う感じ。普段の悩みがバカみたいに感じられて。曇っていたり、街灯が強過ぎたりすると宇宙を感じることができないので(笑)たまにしか「宇宙浴」は発生しないのですが。だからなおさらハマるのかな。お勧めです。