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フェイスブック ジャパンがクライアント向けイベント
「モバイルは消費者を動かす」を開催

2017/03/07

    フェイスブック ジャパンは2月28日、企業向けイベント「MOBILE MOVES PEOPLE~モバイルは消費者を動かす~」を東京・渋谷区のアクトスクエアで開催した。

    当日は多くの企業関係者を招き、近年急速に起こりつつある「モバイルシフト」の現状を解説。モバイルマーケティングにおけるFacebook活用法や、モバイルクリエーティブの基本、Facebookで可能なさまざまな効果検証などについてプレゼンテーションが行われ、イベント後半では、実際にFacebook上でモバイル動画でブランディングやマーケティングを行った企業担当者が登壇し、実際の事例と得られた効果を具体的なデータを交えて紹介した。

    冒頭、フェイスブック ジャパンの長谷川晋代表取締役は、世界のモバイル人口が47億人に達していることに触れ、グローバルなインフラとしてモバイルが定着したと指摘。米国のデータを例に、1人が1日の中で使う時間について、近い将来モバイルに接触する時間がテレビのそれを超えるとの予測を紹介した。また、もう一つ重要なトレンドとして、動画でのコミュニケーションの増加を挙げた。その他、インターネットの動画視聴の50%はモバイル環境からであることや、世界的に「短い動画」を移動中などに視聴する傾向が増えていることについても話した。

    長谷川代表はFacebookファミリーの注力事業として、「Facebook」「Instagram」と並んで「Audience Network」を挙げた。Audience Networkとは、FacebookとInstagram以外の提携モバイルアプリ上でも、Facebookのターゲティング機能と測定機能を使って広告出稿できるサービス。日本ではFacebookを2700万人、Instagramを1600万人のユーザーが利用しており、さらにAudience Networkによって2100万人のユーザーにリーチできるとした。そしてFacebookの強みとして、一人一人のユーザーに合わせてパーソナライズされたコンテンツが表示されることを挙げ、「強制的に何かを見せられるのではなく、ユーザーが何かを発見しにいくプラットフォームになっている」と述べた。

    鈴木本部長
    田中氏

    次に登壇したフェイスブック ジャパン、Head of Vertical Industryの鈴木大也本部長は、「消費者を動かすFacebook活用法」と題して講演を行った。鈴木本部長はモバイル広告の目的を「ブランディング」「売り上げアップ」と位置付けた。まずブランディング面においては、テレビとFacebookと併用することでテレビを見ない層も含めたフラットなリーチが見込めること、ピンポイントブランディングが可能なFacebookならターゲットに対して効率の良いアプローチができることなどを語った。

    3人目の登壇者・田中徹氏は、フェイスブック ジャパンのCreative Shopに所属するCreative Strategist。「消費者を動かすモバイルクリエイティブ」と題して、モバイルならでは制作の方法論を語った。田中氏はモバイル用の動画広告を「テレビ素材をモバイルへ最適化する」ケースと、「ゼロからモバイルに最適な動画を作る」ケースの二つに大別。どちらにも共通するルールとして、「無音を前提」「結論を最初に」「縦横比を最適化」の三つを挙げ、さまざまな事例を紹介した。

    「テレビとモバイルのシナジー」と題したセッションでは、資生堂ジャパン コミュニケーション統括部の中條裕紀氏と、フェイスブック ジャパン Client Partner Managerの佐藤太泰氏が登壇。資生堂のブランド「マキアージュ」の新ルージュ発売時に行った、テレビとモバイルを併用したプロモーション事例を紹介した。テレビCM開始直後に、アンケート調査で地域や年代別に広告認知層と非認知層を可視化。非認知層を対象にFacebook/Instagram広告でリアルタイムにターゲティング配信を展開した。テレビが届かなかった部分を補完する形で効果的にリーチを拡大し、ブランド認知率をさらに向上させることができたという。

    中條氏(右)と佐藤マネージャー

    続いては「モバイルファーストブランディング」とのテーマで、サントリービジネスエキスパート 宣伝部 デジタルグループの國塩淳氏と、フェイスブック ジャパン Client Solutions Managerの麗狗乃美氏が登壇。「チンザノ アスティ」というワインのモバイル動画広告を紹介した。精度の高いターゲティングに加え、一つの広告スペースに複数の動画を表示できるFacebookの「カルーセル動画広告」を生かしたクリエーティブもあり、広告想起、ブランド認知、前年比売り上げといったKPIが軒並み向上する結果となった。

    國塩氏(右)と麗狗マネージャー

    三つめのトークセッションでは、「モバイルの購買寄与」と題して、カンター・ジャパン Media & Digital Directorの関井利光氏とフェイスブック ジャパン Head of CSMの田野崎亮太執行役員が登壇した。紹介された事例は、日本コカ・コーラが2016年3月に発売した「綾鷹 にごりほのか」。本プロモーションでの効果測定を行った関井氏は、成功要因としてFacebookならではの「オケージョン効果」「リーセンシー効果」「リマインド効果」という三つを挙げた。

     

    関井ディレクター(右)と田野崎執行役員

    続いて登壇したのはフェイスブック ジャパン Client Partner Managerの川野佑樹氏。「『人』ベースの効果検証」と題して、Facebook上でのモバイル広告出稿後の効果測定について語った。

    川野マネージャーはマルチデバイスが当たり前の時代には、従来のCookieに頼った計測ではなく「人ベースの効果測定」が重要だという。また、Facebookでは第三者機関との連携による多数の効果測定サービスが利用できることを紹介し、そのことが測定の透明性を確保しているとした。そして現在は「ブランド認知」「購入意向」「店頭購入」といった消費者の態度変容についても高い精度で効果測定ができるようになってきており、今後はそうした「最終目標に近いKPI」で計測していくことがグローバルの主流になっていくとの考えを示した。

    イベントの最後は再び鈴木本部長が登壇し、本日のイベントを総括。来場者に対して、Facebookですぐに取り組めることとして、「モバイルファースト動画の作成サポート」や「テレビとFacebookの最適配分の調査」「ターゲティングされたキャンペーンの効果測定」といったサービスが提案された。