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MWC2017から得た五つの示唆No.1

持続可能性と地域社会ファースト

2017/03/14

モバイル領域で世界最大級の展示会「モバイル・ワールド・コングレス」(MWC)が2月27日~3月2日、スペイン・バルセロナで開催された。この連載では、私が本展示会で得た五つの示唆について解説したい。

第1回のテーマは、持続可能性と地域社会ファーストの考え方がいかに浸透しているかについてだ。

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今年のMWCの基調講演のすべてが持続可能な発展に関するものだった。カンファレンスのほとんど全てのイベントにおいて、国連の17のグローバル目標について言及され、持続可能性の考え方がモバイル業界にほんとうに浸透していることが明らかになった。

ジンバブエの大手情報通信・メディアグループEconetの会長兼創設者で、慈善家としても名高いストライブ・マシイワ氏は、子どもたちに将来のデジタルスキルを用いて教育することが重要だと語った。その考え方はDAN UKの学校教育プログラム「The Code」に合致している。

「The Code」とは、DANが英国の40の中・高学校で行う取組みで、広告業界やメディア業界に進む10代の才能を育成することを目指し、延べ15000人の生徒に5万時間の授業を行うプロジェクトだ。

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「人々がどのようにしてデジタル経済において情報を吸収し学ぶのかを再考する必要がある」と語るマシイワ氏

私たちはまた、つい最近まで目新しい道具として、もしくは写真撮影の分野でのみ議論されてきたドローンが、いまや社会のために活用されるのを目の当たりにした。農薬散布など農業での活用は理解しやすいが、興味深いのは、洪水などの気候関連の問題に対して脆弱なコミュニティを支援するために設計されたドローンの存在だ。ドローン技術がゲームやビデオ通話に使われるのは当然だが、この技術が地域社会のためにうまく設計されているのは素晴らしいことだ。

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気候変動時に脆弱なコミュニティーを支援するために設計されたDJIドローン
モルディブ国防部と国連開発計画(UNDP)が、ドローンを海面変化の観測や津波発生時の避難経路の決定などに活用し、モルディブを海面上昇の被害から救おうという試みを行なっている。

セッションのひとつはシェアリングエコノミーについてだった。Airbnbのグローバル・ポリシー&コミュニケーション担当責任者クリス・ルヘイン氏による、驚異的な事業の成長についての説明や、規制された社会で機能するシェアリングエコノミーの実現のために政府に協力するという誓約はもちろん興味深かったが、同時に、社会的価値提案を持つことが今日の消費者の身近なビジネスになれる鍵だということが明確になった。ユーザー中心主義とコミュニティーへの還元は、参加ブランド共通の目的だった。たとえば、Airbnbの社会的価値提案は、旅行を気軽なものにすることだ。あなたの社会的価値提案は何だろう?

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社会的価値提案を持つことの重要性について語る Airbnbのルヘイン氏
 

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