ACC賞
新設部門でグランプリ他の
受賞作が決定
2017/09/13
全日本シーエム放送連盟(ACC)は9月11日、東京・千代田区のヤフー オープンコラボレーションスペース「LODGE」で「2017 57th ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」クリエイティブイノベーション部門の最終審査会を開催した。
同アワードは、テレビ、ラジオCMの質的向上を目的に、1961年にスタートした広告賞「ACC CM FESTIVAL」を前身としている。2010、14年に新部門を創設したのをはじめ、2017年はメディアクリエイティブ部門とクリエイティブイノベーション部門を加えることで、対象をあらゆる領域のクリエイティブへと拡大。日本のクリエイティブ業界最大級のアワードとして認知されている。
今回が初となるクリエイティブイノベーション部門には、109作品の応募があった。
審査はビジネスの大きさよりも新しいチャレンジを高く評価するもので、「ビッグ・アイデア×テクノロジー」をテーマに、未来をつくり出す、世の中を動かす可能性のあるプロダクト&サービスやプロトタイプについて表彰を行った。
最終審査会は、7月25日の二次審査会を通過した5チームによる公開プレゼンテーション形式で行われ、小さな力で移動することが可能な足こぎ式の車いす「COGY Wheelchair」が総務大臣賞/ACC グランプリを受賞した。
同作品を応募したTESS/東北大/M2デザイン/TBWA\HAKUHODOは、「車いすの歴史は2600年くらいある。その間に、多くの人が立ったり歩いたりすることをあきらめてきた。今日、この受賞をきっかけに、日本発のこうした車いすがあることをたくさんの人に知ってもらい、『あきらめなくていいんですよ』と伝えたい」とコメントした。
ACC ゴールドはシタテルの「服づくり4.0『WE ARE』」、ACC シルバーはソニーの「toio」、ACC ブロンズは慶応大大学院メディアデザイン研究科/東京大 先端科学技術研究センターの「MetaLimbs」と博報堂/ワン・トゥー・テン・ホールディングス/博報堂プロダクツ/AOI Pro.の「ELI」がそれぞれ受賞した。
審査委員長を務めた東京大の暦本純一教授は、グランプリの「COGY Wheelchair」について「車いすは、これからわれわれもお世話になる。歩ける、歩けないの間にいる人は増えてくる。そこをデザインとテクノロジーで解決している」と評価理由についてコメントし、「ACCクリエイティブイノベーション部門は今年開設された賞で、今後は受賞した皆さんがこの賞を形づくると言っても過言ではない。最終審査では多くの議論が交わされた。応募作品はそれぞれに技術や個性があり、優劣をつけるのが難しかった。それぞれが独立した賞であると言ってもいい」と総評を述べた。
ニューズピックス編集長の佐々木紀彦氏がモデレーターを務めるトークセッションでは、安宅和人氏(ヤフー CSO)、鈴木雅穂氏(トヨタ自動車 未来プロジェクト室 室長)、池澤あやか氏(タレント/クリエイター)が「来る未来社会におけるクリエイティビティ」をテーマに議論を展開。
第2部では井上裕太氏(QUANTUM Startup Studio 事業責任者)がモデレーターを務め、「未来をどうやってつくるか クリエイティブインダストリーの可能性」をテーマとし、パネリストの暦本純一氏(東京大教授/ソニーコンピュータサイエンス研究所副所長)、深田昌則 (パナソニック アプライアンス社 Game Changer Catapult 代表)、稲田雅彦氏(カブク 代表取締役 CEO)とトークセッションを行った。
公式サイト:
http://www.acc-awards.com/festival/2017fes_result/ci.html