五つの秘策を一つだけ(笑)
2017/10/17
イメージの世の中と実際の世の中のギャップ
今回は僕の代表作であるグリコのアイスの実で実施したAKB48江口愛実ちゃんの話をしたいと思いますが、その前にいきなり問題です。
<問>話題になるとか、ブームになるとか、はやるとかって、どんな状態のことでしょうか?
ちょっと変則的ですが、ここでは答えを後回しにしてまず説明から始めますね。
広告で世の中を動かす=はやっている状態をつくるために大切なのことの一つに、賛成派だけを増やそうとしないというのがあります。
僕が本の中で紹介している「ウェブ全盛時代ならではの『面白い』で世の中を動かす五つの秘策」の中の一つです。
えっ、五つの秘策を全部紹介しろって? そんなことしたら誰も本買ってくれなくなるから教えな〜い!(って書くと、余計に全部知りたくなってくるでしょ?実はこれも五つの秘策の中の一つで「欲求不満=情報不足と解消の繰り返し」って方法なんですね〜)
で話を元に戻すと、皆さんの頭の中のイメージでは、世の中ってのは大体が賛成か反対か?好きか嫌いか?に二分されています。
ところが実際の世の中はそうじゃない。世の中の本当の姿ってのは大体こんな感じです。
何かを議論するときには基本的に賛成か反対かって話題になりますよね。さらに、報道やSNSなどで目にするのは、ほぼ賛成意見と反対意見だけ。その結果、私たちはまるで世の中が賛成派と反対派で二分されているかのような錯覚に陥ってしまってるんです。でも実際は、世の中の大多数の人はそんなことどうでもよいと思っている無関心な人、もしくは中立な人なんです。
「はやる」ってどんな状態?
賛成か反対か?好きか嫌いか?のみに意識が向いているわれわれは「話題にする」ってことは賛成派を増やすことだと思ってしまいます。
この賛成派増やしを強引に進めていくと、嫌い&反対派がどんどん追いやられちゃう。
するとある時、ついに限界まで追いやられた反対派がウェブを介して一致団結し猛反撃に出ます。これが大炎上です。
そして、ウェブというメディアの特性でネガティブなときほど集結と拡散のスピードは増し、発揮する力は巨大になるんですよね(涙)。
先ほどの問題の答えです。
実は、はやるとか話題になるってのは賛成派だけを増やすことじゃなくて、無関心な人が減る状態のことなんです。
だからアイスの実も、江口愛実に賛成の人だけを増やそうとはしませんでした。結構いろいろとたたかれたりもしたけど、賛成と反対が互いに意見を発信してくれたからこそ、あれだけの社会現象になったんです。
というわけで今日はここまで。残り四つの秘策を知りたい方は本に詳しく書いてありますよ〜!って終わる予定だったけど、まだ文字数が余ってるな……え〜いこうなったらもう一つ秘策を公開だ! 持ってけドロボー!
全てを操作するな!
<問>「大成功」と「大炎上」の同じ点は何ですか? 違う点は何ですか?
<答え>すごく話題になるという一番難しいハードルを越えているという点では同じ。唯一の違いはネガティブな感情の有無。
そこで大事になってくるのがコントロールすることと対応することの見極めという秘策です。
炎上する原因で僕が一番気を付けているのが、全てを思い通りに操作しようとすると炎上するという法則。運営側の思い通りに操作しようとする意図が少しでも見えた瞬間に「てめえらの思い通りにはならないぞ!」という意思がウェブを介してアッという間に集結してものすごく大きなネガティブな力になります。だから、全てを思い通りに操作しようとはせずにコントロールタブーなことは何か?をまず見極めます。
でも、クライアントや上司に「思い通りにしたらダメなんです」とか「思い通りにはなりません」って言ったとしたら「ヤバイ、こいつには任せられない」って思われますよね。思い通りにならないという状況は、責任を取る立場の人にとったら最も避けるべき事態だからです。
そこで大切なのが、ただの「操作しない」では終わらせないこと。コントロールタブーなことが何か?を見極めたら次のステップとして、成り行きに任せた場合に起こり得るさまざまな事態を予測し対応策を用意するのです。これでクライアントや上司は安心してくれます。 じゃあ、アイスの実の場合は、どうしたのでしょうか?
江口愛実でコントロールしなかったこと
<いつ合成だとバレるか?>
このタイミングは絶対にコントロールしちゃダメ。だから、世の中でのことの成り行きに任せて、合成だとバレるまでの期間を1週間後、2週間後、1カ月後の三段構えに想定してスタンバイ。合成だとバレるまでネタを引っ張る場合に備えて、こんな素材も用意しました。結果、最速の1週間でバレたので世の中には出さなかった幻の素材です。
他にもまだコントロールしなかった事がありますが…。
あっ、そろそろ本当に文字数がいっぱいになってきました。気になる方はぜひ本を読んでくださいね。五つの秘策に関してもさらに詳しく書いてありますよ〜!