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「セカンドライフファッション」 

衣服のリメークで移植医療を考える

2017/11/27

    そごう・西武と、移植医療の普及啓発を行うグリーンリボンキャンペーン事務局は11月23日、そごう大宮店で「セカンドライフファッション」トークショーを開催した。

    日本の移植待機者は約1万3000人。臓器提供によって救われる命は年間約300人で、移植を受けられる人は、わずか2%にすぎない。同事務局では、この数字が100%になることを目指してさまざまな活動をしている。

    2016年には「セカンドライフトイズ~おもちゃの移植手術~」プロジェクトを展開し、国内外で大きな反響を呼んだ。壊れてしまったおもちゃをドナーとなるおもちゃの一部を使って修復し、よみがえらせることで、実際の臓器移植について考えるきっかけとなればという取り組みだ。

    過去記事:https://dentsu-ho.com/articles/4008

    今回、そごう大宮店の開店30周年と、臓器移植法施行から20周年を記念して、プロジェクト第2弾となる「セカンドライフファッション~洋服の移植手術~」に取り組んだ。
    破れたりほつれたりして着られなくなった服(レシピエント)を修理したい人と、着なくなった服(ドナー)を寄贈したい人を募り、それぞれを組み合わせることでリメークし、レシピエントを再びよみがえらせる試みだ。
    トークショーにはファッションモデルのKIKI(キキ)さんが登場し、セカンドライフファッションと臓器移植について語った。
    キキさんは、母親や祖母から受け継いだ洋服がたくさんあるものの、活用する機会がなく、処分するのも忍びないと思っていた。そんな時にプロジェクトを知り、すぐに賛同したという。

    当日に着用していたジャケットは知人からのもらいもので、一部の生地が傷んでいた。その部分を上から別の生地で覆いリメークした。キキさんは「斬新なデザインになったが、コーディネートがしやすく愛着が深い」とお気に入りの様子。
    このプロジェクトによって、臓器提供の意思表示について「自分や夫はどうしていたっけ?運転免許の裏にも記入箇所があったな」など身近な問題として考えたという。
    また「何かを大切にする気持ちとドナーへの感謝を忘れずにいたい。皆さんも移植医療について少しでも関心を持ち、周りの人と話題にしてくれることを願っている」と語った。
    同店では当日、サービスカウンターを設け、20着の衣服の修理を受け付けた。
    同事務局サイト:http://www.green-ribbon.jp/