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2017年テレビ業界を振り返る No.4

検索窓CMの次は、スマートスピーカージャックかも?

2018/01/29

「スマートスピーカー」の登場がテレビCMに与える影響とは?

ここ数年、全く新しいデバイスの登場感に乏しく、既存のものの性能改善、機能拡張の範囲に収まるものが中心でしたが、2017年は久々に「スマートスピーカー」が現れてくれました。といっても、日本での発売が17年に集中しただけで、米国での「Google Home」の発売は16年11月、「Amazon Echo」はさらにその1年前には市場に投入されています。

この2社(2種)に加えて、LINEの「Clova WAVE」、ソニーからもGoogleアシスタント対応の製品が発表されたので一層話題になりました。18年にはAppleが「HomePod」で参入する予定もあり、また勢力図が変わるかもしれません。

音声アシスタント自体はスマホでは標準搭載のものもあり、機能が珍しいわけではありませんが、海外から届けられるレポートでの利用シーンの多様さ、老若男女を問わない敷居の低さから、今後の生活を大きく変え得るものとして期待されているように感じます。

米国では、テレビCMの呼び掛けにスマートスピーカーが反応して、CMでは伝えきれない情報を勝手に検索して読み上げてくれたり、ニュース原稿の読み上げが商品注文の誤操作につながったりといったことが既に起きているそうです。CMによるスマートスピーカージャックは日本でもきっと企画されるでしょう。

「スマートデバイス」の台頭にどう向き合うか

11月に開催されたINTER BEE CONNECTEDでは、電通メディアイノベーションラボとご一緒した新しいアプローチの研究(ソーシャル・シークエンス・アナリシス)の報告が行われました。以前から若年層では一定数テレビのライト層がおり、他に選択肢が少ない時代には加齢に応じてテレビが刈り取れていたのに対して、今はメディア・デバイスの原体験が「スマホ」に移る可能性を示唆した内容でした。

スマートフォンやスマートスピーカー、利用するデバイスの変化に伴い情報やコンテンツの消費習慣が変化することを前提とするならば、それに応じた「テレビ」の在り方は再検討する必要がありそうです。


この記事は2017年12月に発刊されたビデオリサーチのVR Digestを基に編集したものです。