ティーンフルエンサー大解剖No.4
ティーン世代の心を動かすのはどんな子?4タイプのティーンフルエンサーとは
2018/05/21
ティーンのインフルエンサー=「ティーンフルエンサー」。過去3回の連載では、彼女らの支持率の集め方やスマホカルチャーについて紹介してきました。
スマホやSNSを駆使し、インターネット上のコミュニケーション能力にたけている彼女たち。大まかには、このようにくくることができますが、実は同じティーンフルエンサーでも発信する動機となるマインドや、影響力をもたらすコミュニティーは異なります。
今回は、元『Popteen』の編集長で、現在サービスローンチ5ヶ月で月間1億PV、200万UUを達成した『MERY』のクリエーティブディレクターを中心に活動している編集者の森茂穗さんの協力の下、ティーンフルエンサーをいくつかのカテゴリーにジャンル分けしてみます。
自己発信力が鍵!マスのインフルエンサーとティーンフルエンサーの違い
周:ティーンフルエンサーにはどのような特徴があると思いますか? 同じティーンが憧れを抱く対象でも、プロのモデルなどのインフルエンサーとティーンフルエンサーは異なるように思います。その違いはどこにあるのでしょうか?
森:今も昔も変わらないのは、ティーンのマーケットで有名になるのは自己プロデュースがうまい子が多いですね。とあるPopteen出身の子は有名になる前、少しでも自分をかわいく見せたい!ということで、ほんの小さなカットの撮影でしたが、自分1人で写れる写真のために小道具を持ってきていました。「撮られにきました~!」みたいなモデル感がなく、そこが当時の編集長にも認められていました。
周:自分を知ってもらうための努力を惜しまないというか、そういった小さな積み重ねが大事なんですね。
森:それはファンのための目線でもありますからね。大人につくられた世界観だとすぐファンにも見透かされちゃう。道があるところではなく、ないところで頑張る感じ。そういう感覚がある人こそが、自己プロデュース力を持っている証拠。そうやって自分で発信できる子にファンも密についてくるんですよ。
見た目で判断するのはNG!ティーンフルエンサーの四つのタイプ
ティーンフルエンサーの四つのタイプについて、解説していきます。
①世界観重視「キュレータータイプ」
流行敏感度 ★★★★★
画像・動画編集スキル ★★★★☆
交友関係の広さ ★★★☆☆
ファン交流度 ★★☆☆☆
憧れ度 ★★★★★
「自分らしさが一番」を第一優先にするタイプ。
流行敏感度はかなり高めとアーリーアダプター型だが、その中でも自分の目指している世界観に合うもののみをピックアップしている。
世界観統一のためにSNS上にアップする写真も、シチュエーションやポージングもこだわりあり。
交友関係もそこそこ広いが、自分とフィーリングの合う洗練されたえりすぐりの友達が多い。
そのため、そういう姿勢がかっこいい!と憧れるファン層が厚い。
②友情・キズナ「ギャルマインドタイプ」
流行敏感度 ★★★★☆
画像・動画編集スキル ★★★☆☆
交友関係の広さ ★★★★☆
ファン交流度 ★★★★☆
キズナ優先度 ★★★★★
以前に比べて見た目が“ギャル"な女の子は少なくなってきた。ギャルはいなくなったと思われがちだが、ギャルのマインドを持つ女の子は健在。
見た目こそは金髪が減っており、黒髪の子も少なくないが、好きなブランドは渋谷109系列と変わらない。
また、毒舌な面はあるが、本当は誰よりも優しく友達を大切にするタイプ。知っていけばいくほど、愛されるキャラクター。
そのため、仲間内の口コミの信頼度はナンバーワン!
③オールラウンダー「クリエータータイプ」
流行敏感度 ★★★★☆
画像・動画編集スキル ★★★★★
交友関係の広さ ★★★★★
ファン交流度 ★★★★☆
おふざけ度 ★★★★★
動画などをフックに、ネタを発信していくタイプ。いわゆるYouTuberもここに含まれる。
情報感度に関してはキュレータータイプに劣るが、流行りものはすぐに取り入れて多くの人に広めていく能力が高い。
さらにネタをつくるツールにこだわりはなく、その時その時にバズるものを見極める選択眼を持つ。
例えば、動画系のアプリと言えば以前はMixChannelだったが、TikTokやMusical.lyが主流になってきている。いざという時にツールを切り替えるタイミングが絶妙。
④シンデレラストーリ—のように駆け上る「ヒロインタイプ」
流行敏感度 ★★★★☆
画像・動画編集スキル ★★★☆☆
交友関係の広さ ★★★☆☆
ファン交流度 ★★★★★
応援したくなる度 ★★★★★
ファンとのコミュニケーションを大切にするヒロインタイプは、SNS上でもファンとのつながりの強さが見られるのが特徴。
他のどのティーンフルエンサーよりも“ありのままの自分" をさらけ出しがち。
等身大の姿がファンに響き、支持力も絶大的。リアルタイムで自分のプライベートを見せていくのもポイント。
また、ファンを巻き込み一緒に成長していく傾向にあり、自分の成長をコンテンツ化していく能力にたけている。
リアルタイム感がティーン世代を制す!?大人にはマネできない特徴とは
周:①のキュレータータイプはファッションや好きなものをメインに発信していますが、以前は赤文字系/青文字系、キュート系/クール系などで分けられていたと思います。今は細分化してきており、そういった線引きができないと思うのですが、どのようにお考えですか?
森:今は、派手好きかシンプル好きかに分けられるんじゃないかな。同じようなギャル系の格好やファンシー系の格好をしている子でも全然違う。派手好きな子はアイテムを加えていくんだけど、シンプル好きの子はアイテムを引いていくイメージ。
周:では、ファッションやマインドではなくマルチな面で発信していくYouTuberについてはどう思いますか?
森:めっちゃいいと思う!!(笑)。まずは、大人が理解できないことをやってる点。大人が分からない世界、そして若い子が熱狂できる世界をつくっているのは、今間違いなくYouTuber。それに誰でもなれそうな感じがあって夢があるのもいいところだよね。
周:森さん的に、④のヒロインタイプはどうでしょうか?
森:最終的に一番跳ねるのはヒロインタイプだと思う!
周:それは何ででしょうか!? YoutTuberではないんですね。
森:YouTuberはティーンの視点でティーンにウケるコンテンツをつくれると思うけど、ヒロインタイプは今までにない新しいものをつくり出せる力を持っている。だから120点とれるのは④だけ。「ファンとつくる」というのは新しいインターネットのメディアで跳ねていくものの法則かもしれないですね。
周:ヒロインタイプは潜在的に「自らコンテンツになる」力があるということですね。他にティーンフルエンサーが持っていると思われる特徴はありますか?
森:タイミングが絶妙! 特に写真をSNSに上げる時とか。なんで今なの?ナイスタイミングみたいな。
たぶんめっちゃ(SNSを)見ているんだと思う(笑)。
周:確かにその瞬間その瞬間のリアルタイム感って大事ですよね!「それ、今、私もちょうど思ってた!」というタイミングがあるというか。SNSに上げる側もアップしてすぐ反応が来た方がうれしいし、見る側も3日前の投稿を見たところで出遅れた感があって今更イイネできないですし(笑)。
「ほら見て。いいでしょ?」では通用しない世代。大人がすべきなのは「憧れ、夢をかなえてあげる」お手伝い
昔は、マスメディア発信の情報が世の中の流行をつくっていったのは間違いありません。しかし、情報過渡期を迎えている近年はSNSの普及によって、個々の好きなことベースでつながり合えるようになりました。
特にデジタルネイティブ世代は、自由に好きなことを追求できるようになった分、総じて自己プロデュース力も底上げされ、自分のマインドに合うアイテムを選択するような傾向にあります。
そんな世代に対して、大人が先導して動いても心を捉えきるのは困難です。「ヒロインタイプ」が一番ムーブメントを起こせる潜在能力を持っているのは確かですが、全国的に見れば「ギャルマインドタイプ」がボリュームゾーンであることには変わりません。
ティーンフルエンサーを対象とした仕事をする際、ひとくくりにするのではなく、大切なのは、さまざまなタイプが存在すること、また、それぞれの憧れや夢を理解してあげることが重要です。大人主導で動くのではなく、「いっしょにつくっていく」感覚でのぞみたいと思います。
女子高生ミスコンhttp://jkmisscon.jp/とは?
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