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これからは、テレビ×デジタル×OOHが「見える」!

データで見るOOHの世界No.2

2018/05/21

これからは、テレビ×デジタル×OOHが「見える」!

左から村山(電通デジタル)、浜田(OOH局)、前川(データ・テクノロジーセンター)
左から村山(電通デジタル)、浜田(OOH局)、前川(データ・テクノロジーセンター)

「データマーケティング」「データドリブン」「ビッグデータ」「データマネジメントプラットフォーム」…データにまつわる用語が次々と生まれる広告業界ですが、OOH(アウト・オブ・ホーム=屋外広告・交通広告)の分野もデータで大きく変わりつつあります。

テレビ、デジタル、OOHというメディアを横断したデータ活用について、電通OOH局の浜田桂、同データ・テクノロジーセンター前川駿と電通デジタル村山亮太が考えます。

<目次>
本当にテレビ×デジタルだけで十分ですか?
テレビを見ない層に対してデジタルでどうアプローチしてきたか?
テレビ×デジタル×OOHの統合プランニングが可能に!

本当にテレビ×デジタルだけで十分ですか?

OOH局・浜田桂
OOH局・浜田桂

浜田:今回は、テレビとデータに詳しい前川さん、デジタルとデータに詳しい村山くんと、OOHがデータでどう変わるかについて話したいと思います。さっそくですが、お二人はテレビを見ますか?

前川:もちろん見ますよ!学生の時はいつも阪神タイガースのプロ野球中継を、テレビにかじり付きながら見て、時に涙し、時に歓喜に酔いしれていました。新庄剛志選手がボール球をサヨナラヒットにした時のアナウンサーの興奮したあの「声」は、今でも僕の耳小骨が記憶しています。

村山:前川さん、こてこての関西人ですね(笑)。僕も、テレビが大好きです。テレビを見ずして居間で家族でどう過ごすのか、想像するのも難しいです。なので、「テレビ見ないんだ~」という方に対しては、「テレビを見ていると言うとトレンディーではないから意地を張っているのでは?」とすら感じてしまいます。でも、現実のデータを見ると、テレビを見ない方々は確実に存在していて、しかも徐々にその数は増えていますね。

テレビ視聴について

浜田:トレンディーって…(笑)。そういう意味では、私はトレンディーですよ。テレビを見ないというか、見ている時間がないんです。朝は、自分と息子の朝の支度しかしてないし、帰ってきてからは、ご飯をつくって息子をお風呂に入れて寝かせたら、もう午後10時。そのあと家事と、ちょっとだけネットで買い物したらもう眠くなっちゃう。

村山:でもドラマはお好きですよね?

浜田:ドラマは大好きだけど、テレビで見てるわけじゃなくて、国内ドラマは週末に「TVer」で、海外ドラマは通勤中に「Amazonプライムビデオ」で見たりします。具体的には、私の平日は、こんな感じなんです。

浜田の1日浜田の1日

前川:なるほど。僕もテレビは好きですが、今は帰宅後、1時間ぐらいテレビで報道番組を見ながらコメンテーターに対してツッコミを入れるくらいで、後はベッドでYouTubeを見ているので、テレビを見る時間は多少減っていますね…。こうして考えると、浜田さんや僕のような層に情報を届けるには、ここ数年のトレンドだった「テレビ×デジタル」だけでは、リーチやフリークエンシーの点で限界があるようにも思えますね。

村山:それに、浜田さんみたいな人は、これから増えることはあっても減ることはない層ですよね?

浜田:そうなの。面白いグラフがあるんです!

テレビに週1回以上接触している人の比率
テレビをよく見る層は、M3(50歳以上女性)とF3(50歳以上男性)がツートップ
デジタル広告に週1回以上接触している人の比率
OOHのデジタルサイネージに週1回以上接触している人の比率
デジタル広告、OOHのデジタルサイネージに接触する比率は、Teen(10代男女)が他の層より突出して高い

浜田:テレビに週1回以上接している人の比率が多い層は、M3、F3ですが、デジタルとOOHに接する比率だと、Teenが一番多いのです!まさしく、これから増えていく兆しですね。

村山:こうしてデータで見ると、OOHは思っていた以上にデジタルの接触者傾向と似ていますね。ここでちょっとお話をしたいのですが、よいでしょうか?

浜田:どうぞどうぞ!

テレビを見ない層に対してデジタルでどうアプローチしてきたか?

電通デジタル村山亮太
電通デジタル村山亮太

村山:浜田さんや前川さんのような「あまりテレビを見ない層」を捉えるために、通常は以下の①~③のような形でデジタルメニューを選択していくことが多いのかなと思います。あるテレビ番組に商品のCMを出し、その番組を見ないであろう層に対してはデジタルでリーチを補完するイメージですね。三つのデジタルメニュー設計例、それぞれのメリットとデメリットを見てみましょう。


①テレビの視聴ログや行動ログに基づかず、「当該番組を見ないであろうと推測できるユーザー」にターゲティング配信

村山:まず①は、単に年齢・性別などのデモグラフィック属性やインタレストをベースに、当該番組を見ないであろうユーザーを選定し、そのユーザーに広告配信するケースです。リーチを多く獲得できるのはメリットですが、精度がかなり落ちてしまいます。

②テレビの視聴ログや行動ログに基づいて、「テレビ接触自体が少ないと推測できるユーザー」にターゲティング配信

村山:視聴ログやデジタルメディアの接触状況をもとに、そもそもテレビへの接触自体が少ないと推測できるユーザーに広告配信を実施していくケースです。一定のリーチを確保しつつ、テレビをあまり見ない層へのターゲティング精度は①よりも高くなります。

③テレビの視聴ログや行動ログに基づいて、「当該番組を見ないユーザー」にターゲティング配信

村山:特に視聴ログに基づいて、視聴番組=接触広告まで推定していきます。ピンポイントなので精度はより高くなりますが、リーチは大きく落ちます。


浜田:それぞれ一長一短ある感じですね。

村山:そして、現在のテレビ×デジタルのプランニングにおいて、テレビをあまり見ない層に対しては②のアプローチが非常に多いと感じています。この「テレビ接触自体が少ない」層のユーザーは、②のアプローチで十分なリーチを得ることが可能です。

そして、こうした視聴ログや行動ログのデータに、さらに「位置情報データ」を連携すれば、「テレビを見ないユーザーはどのくらいOOHに接触しているか」、また「その後、購買に近い行動までどの程度アクションしているか」といったことも、原理的には推測できるようになってきます。

前川:従来のテレビ×デジタルでのリーチに加えて、OOHとの連携が入ってくると。高精度の位置情報データを取得できることがどれだけすごいのかについては、前回浜田さんが書いていましたね。

村山:その結果、テレビ×デジタルだけではできなかったようなアプローチが可能になり、OOHの広告価値評価にも徐々に影響を与えていくと思います。ですよね?前川さん?

前川:そうなんですよ!じゃあ次は僕からお話しします!

テレビ×デジタル×OOHの統合プランニングが可能に!

データ・テクノロジーセンター前川駿

データ・テクノロジーセンター前川駿

前川:もともと電通では、テレビの視聴ログに基づいてデジタル広告を展開できる統合マーケティングプラットフォーム「STADIA」を提供してきました。そしてこのたび、対象をOOH領域にまで広げた「STADIA OOHプラス」をリリースしました。テレビとデジタルとOOH、三つの関係が実データで効果検証できるというものです。現在はβ版でサンプルの規模には制限がありますが、実証実験を進めながら、データの規模拡大とともに、今日の課題に寄り添った統合マーケティングに役立つものにしていきたいと考えています。

リリース
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2018/0425-009527.html

 

STADIAとSTADIA OOHプラス

浜田:STADIAは「テレビの視聴ログ」をデジタル広告と連動できたのが画期的だったわけですが、今度は位置情報データも活用することで、OOHへの接触状況を推計できるようになったわけですね!

前川:STADIAの視聴ログとOOHの接触データを掛け合わせると、例えばこんなことが分かります。以下は電通が昨年行った調査結果のグラフです。STADIAのテレビ視聴ログを基に、各駅における「テレビをあまり見ない層」(Light TV Viewer)の比率が、調査対象の駅利用者全体の平均と比べてどの程度多く含まれているかを調べました。

テレビをあまり見ない人が多い駅
調査対象は首都圏の主要駅21駅。視聴ログデータと接触調査データを使って、各駅におけるLight TV Viewerの含有率を推定。調査対象全駅の平均値と比較し、どの程度差があるかを数値化した

前川:この結果によると、表参道駅は調査対象全駅の平均値よりLight TV Viewerの含有率が高いことがわかります。また、新宿駅や渋谷駅もLight TV Viewerの含有率が高いです。一方で銀座駅は全駅平均よりもLight TV Viewerの含有率が低い、すなわちテレビをよく見る人たちが利用しているということが改めてわかりました。

浜田:面白いですね。確かに、私は銀座はめったに行かないです。もっぱら、利用が多いのは、表参道(笑)。

前川:一方で、統合プランニングの視点として、テレビCMが到達した顧客に対して、OOH広告を再認させて、店舗送客を促すというものもあります。例えば、今回の調査によれば「テレビをよく見る人」が多いエリアは銀座や溜池山王です。そこで、新しくオープンした高級ブティックについて、テレビCMで告知した後に、銀座駅や溜池山王駅にいる顧客に再度OOH広告訴求することで、より売り場に近い「場」でテレビCMのメッセージを再認させるプランニングが有効ではないかと仮説が立てられます。

STADIA OOHプラスを活用すれば、この仮説に対する効果検証、さらにはOOH広告に接触したと推定されるセグメントに対してジオターゲティング広告を配信するなど、認知から店舗送客までを視野に入れた、テレビ+OOH+デジタルの“3メディア統合マーケティング”が可能になります。

村山:以前に別の記事でも書いたのですが、デジタルの世界では広告のビューアビリティー、つまりユーザーが広告を認識できる最低表示時間は、静止画1秒、動画2秒とされています。その基準で考えたら、駅のサイネージの前、通り過ぎるのに2秒以上かかりますから、動画も認識してもらえますね。やっぱりOOHの広告価値は見直されていく気がします。

浜田:それにOOHは、アドフラウドもないし、もちろんブランドセーフティーは担保されてるし!かつ、例えテレビを見ない層でもネットを見ない層でも、みんな外出はしますからね。

前川:これからは視聴ログと位置情報データを連携させることで、Light TV ViewerのOOH接触を含めた行動特性を推定できるようになります。こうしてOOHの効果が測定できれば、リーチ&フリークエンシー補完に留まらない統合プランニングの新しい一手になります。

村山:楽しみですね!

浜田:楽しみです!お二人とも、今日はありがとうございました!