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大学生のリアルな一日を追う!

日記調査から分析する「大学生のリアルな生態」 №1

  • 木伏 美加

2018/06/22

大学生のリアルな一日を追う!

電通では産学共同プロジェクトとして、明治大学商学部・藤田結子ゼミと共同で約1年間、大学生19人の日記調査を実施しました。ゼミに所属する大学生と一緒に分析し、現代社会における若者生活とメディアとの関わりについて調査研究を行ってきました。これから3回にわたって、日記調査から読み解いた「大学生のリアルな生態」を、共同研究で得られた知見を含めながら明らかにします。 

まず第1回は、2人の大学生のリアルな1日の過ごし方を紹介しながら、私、木伏美加が、リサーチャーとして最近の大学生に見られがちな特徴を解説したいと思います。

Case1.大学生のとある1日-Aさんの場合

 

仕事に行く前の母と父と、綾野剛とブルゾンちえみが兄妹という設定のCMを見て、どこのCMかという議論になった。どうやらわたしの家族は携帯のCMをよく見ており、母とはジャスティン・ビーバーのCMの話を以前からよくしている。ちなみに母はジャスティンが好きでよく聴いているがわたしはぼちぼちといったところである。

 

わたしは先輩Xの生活を聞くのが好きで、自転車に乗って職場まで行くだとか、東横線の駅に全部降りて、すてきなお店を探したとか、毎朝7時には起きて、走って、コーヒー店に立ち寄るだとか、スマホにアプリが8個しか入っていないことや、先輩Xの撮るフィルムカメラの写真などたくさんのことを聞いた。まねしたくなるような人だなといつも思っている。

 

この日は9月にあるULTRA JAPANのチケットの先行発売だった。22時開始だったのでどうしても一回バイトを抜けたいため、アップルウォッチを21時55分に前もってセットしておいた。遠距離恋愛をしている彼氏が、日本に来る時に一緒に行くと決めていたので意気込んでいた。

《リサーチャーの解説》

note①の記述からも分かるように、最近の大学生は家族との仲が良く、家族間でのコミュニケーションも活発です。LINEのグループトークでやりとりしていたり、家族旅行に行くことも多いようです。朝の忙しい時間帯でも家族間でのコミュニケーションは大事にしていることが分かります。

最近の大学生は、芸能人やモデルよりも身近な人を憧れの的として、ファッションやライフスタイルの参考にしている傾向にあります。実際にAさんも先輩Xの話から影響を受けています。まさにC to Cコミュニケーションが成り立っています。ちなみに、あまり意識することなく異性と行動するのも最近の大学生の特徴の一つです。男女で食事に行ったり、旅行に行ったり、フラットな感覚で楽しんでいます。

昨年、「インスタ映え」という言葉が流行語大賞を取りましたが、やはり写真映えや特別な体験に対してのモチベーションは高いです。人気のフェスやイベントのチケットは売り切れが続出するため、万全の態勢でチケット確保に臨んでいます。

最近の大学生と話していると、とても効率よく生きているなと感じることがあります。高い目標を掲げるよりも身近な目標を設定した方が満足感を得られやすい、普段特別なことをしていなくても「ここぞという時のイベントに参加することで充実感が得られる」と考えているのでは、と思います。両親との関係性に関しても、「反発するよりも仲良くしている方がいい」ことを早い年齢から感じているのかもしれません。

Case2.大学生のとある1日-Bさんの場合

 

昨日の21時半から、自主映画のエンディングに挿入するためのストップモーション動画を友達Xと2人で自分の部屋で行っていた。友達Xは途中からほとんど寝てしまったような状態だったため、後半は自分一人で黙々と作業していた。地道な作業ではあるが、細かい作業自体は嫌いではなく、結構自分に向いている気がした。

 

友達Xはゼミの発表の準備を始めた。私の部屋に行くと、以前私が話に出したKH Coderを使いたいという。私もKH Coderを使う練習もかねて、準備の手伝いをすることにした。なにかの作業の間はパソコンで延々と好きな音楽を流すのが習慣となっているため、このときも自分の好きな音楽をSpotifyで流していた。

※KH Coder…テキスト型データの計量的な分析やテキストマイニングのためのフリーソフトウェア

 

友人Yに電話で誕生日おめでとうと伝える。友人Yはこれからバイトらしく、そのバイト先が公園から歩いて行ける距離なので、友人Xと二人で会いに行こうということになった。バイトは23時からということだったので、それまでもう少し公園でのんで時間をつぶす。

~~~~~中略~~~~~

直接誕生日を祝って、Yが働く姿を動画におさめる。一緒に遊ぼうという話になったが、休憩時間まで時間があるため、私とTは別階のサイゼリヤにむかう。

《リサーチャーの解説》

note①の記述を読んで驚いた方もいるかもしれません。大学生映画監督や学生クリエーターの存在が話題になるなど、大学生の「創作活動」が注目されています。スマホできれいな写真や本格的な動画が撮れるようになり、表現の幅は格段に広がりました。それに伴い、最近の大学生の間で「創作欲」が上昇傾向にあり、映像や写真だけでなくアクセサリーや雑貨を作ってブランドを立ち上げる若者も増えてきています。今回の日記調査でも、大学生自身が撮影した写真を提供してもらいましたが、その写真のクオリティーの高さに驚かされました。

自己表現が活発になってきたことに伴って、さまざまなツールを使いこなす大学生が増えてきているのも確かです。このBさんも、特殊な分析ツールを使ってデータ分析をしようとしています。やはり、デジタルネイティブ世代はテクノロジーに対しての抵抗も少なく、一見難しそうなツールでも簡単に使いこなしてしまうようです。

「SNSなどコミュニケーションツールが発達したことで、デジタル上でのコミュニケーションが活発になっている一方で、リアルな場でのイベントごとを大切にしているというのも最近の大学生の傾向です。Bさんも、わざわざ友達のバイト先に行って誕生日をお祝いしており、さらにバイトが終わるのを待ってでも遊びたいと思っています。リアルな場でのイベントごとを大切にしているのは、デジタルコミュニケーションが発達したことの反動なのではないかと思っています。

今回紹介したBさんは、さまざまなことに興味を持って生活しており、さらにその興味を現実のものにできる環境をうまく利用しているのだと思います。友達とのコミュニケーションを大事にしていて、しっかりと青春を謳歌しているような印象を受けます。

今回は、2人の大学生のリアルな一日を挙げ、最近の若者に見られる特徴や傾向を解説しました。捉えにくいといわれている大学生の情報行動に迫るために、今後も日記調査の内容をご紹介していきます。次回はスマホを活用した大学生の「検索スキル」についてご紹介します。